当ブログでは様々なモチベーションアップに関する記事を書いております。
というのも、何をするにしてもモチベーションってのはすんごい大事でして、これがないと何もしたくない、だからしないっていう無気力な状態がずーっと続いちゃうもんですから。
んで、このモチベーションに深く関わっているホルモンがドーパミンです。神経伝達物質の一つであるドーパミンは俗にやる気ホルモンと呼ばれておりまして、喜びや快楽などに深く関わっております。モノアミン、カテコールアミンの一つでもあるドーパミンは脳内から分泌され、チロシンから作られることでも有名ですよね。
ということで今回はドーパミンについてチェックしていきます。



やる気ホルモン「ドーパミン」ってなに…?性格にも関係あるの…?

2013年のミネソタ大学の研究によると、ドーパミンの役割をまとめた上で性格と関係あるのか調べてみたそうです。
ということで研究者は前半でドーパミンの役割について現時点での統一的な理論を書かれております。まずはそこん所から見ていきましょう。


ドーパミンってなに…?

ドーパミンは様々な認知や動機付けに関係しているホルモンでして、中脳の複数の部位から発生するということです。そして5つの異なるドーパミン受容体があり、脳内での分布は大きく異なっているんだとか。
そんなドーパミンですが、どの場所でもドーパミンが放出されると共通して表れる効果がありまして、それが、

  • 探索へのモチベーションがアップする…!
  • 探索に役立つ認知や行動がアップする…!

というもの。
まずここで言う探索とは研究者曰く、

  • 未知のものを既知のものに又は既知のものを未知のものに変えること

を言うそうです。
そして面白いのが、ここにはポジティブな面だけでなく、ネガティブな面もあるのに働くということ。例えば未知のものってのは、不確実なものや予測不可能なもののことなんで、そこには必ず脅威があるはずです。にもかかわらずその先の報酬(成功や成果)を求めてしまうってのは誰にでも経験があるでしょう。
典型的な例としてはギャンブルでして、得するよりも損する可能性が高いし、他のリスクが多いにもかかわらず、興奮をもたらし、ギャンブルを行うというモチベーションが上がりますよね。
また報酬と対になる物として罰(脅威)というものがあります。
報酬と罰ってのは、

  • 報酬:目標に向けた進歩や目標達成を示すあらゆる刺激
  • 罰(脅威):目標に向けた進歩を妨げるあらゆる刺激

って感じなんですが、一般的に報酬は行動させるモチベーションをアップさせ、一方で罰は行動させないモチベーションをアップさせます。この当たりは行動療法(オペラント学習)でも証明されていますよね。
更に研究者によれば、報酬は2つのカテゴリーに分けることが出来るそうで、

  1. 目標が実際に達成したことを表す完了報酬
  2. 目標達成の可能性が増えたことを示す報酬

となるそうです。
同じように罰(脅威)についても2つのカテゴリーに分けることが出来るそうで、

  1. 目標達成が完全に不可能だと表す罰
  2. 目標達成の可能性が低下したことを示す罰

となるそうです。因みにこの辺を上手く使うためにセーブポイントは小まめに…!と別の記事で書いておりました
人間は注意と探索という2つの競合する反応を持っており、ドーパミンとノルアドレナリン(ノルエピネフリン)が、この不確実性に応じて競合的に作用し、探索と嫌悪のバランスをとっていると考えられるそうです。
つまり太古の時代で考えるなら、

  • ドーパミン:この先に果物があるかも…!ワクワク…!だからどんどん進もう…!
  • ノルアドレナリン:この先に果物なんてないかも…。虎もいるかも…。進むのやめとこう…。

って感じですな。因みにこれらのコントロールを行いバランスを保つ役割をしているのがセロトニンです。またドーパミンは、探索に役立つ認知や行動がアップする…!ってことで、ワーキングメモリにも重要となっております。


ドーパミンは純粋に報酬を求める欲求を生み出す…!そこに苦痛があっても生み出す…!

ドーパミンは報酬や情報を求めて行動するモチベーションがアップします。そのため、ドーパミン=気分が良くなるホルモンと説明されることが多いそうな。確かにドーパミンで気分が良くなるってのは間違いなくて、例えばコカインなんかの薬物はドーパミン機能を高めて興奮や高揚感、多幸感をもたらします。
しかし、根柢の部分はちょっと違うみたいでして、ドーパミンは純粋に報酬を求めたい…!目標達成したい…!情報を発見したい…!という欲求を生み出すところにあるんだとか。そして先程挙げたように、この欲求を満たすには必ずしも楽しいことばかりだけではありません。例えば、

  • 成功するかどうか分からん状況で、それでも成功(報酬)を求めて一生懸命働いているとき
  • 物事の進むスピードがイライラするほど遅いとき

みたいな状況では、ドーパミンによって促される欲望は、それ自体にほとんど喜びはなく、むしろ不快なものとして経験されるでしょう。過度に熱中すると、それだけ精神的苦痛になる可能性も増えます。それでも人間がやる気になれるのはドーパミンの作用のおかげと言えるでしょう。
まぁ、必ず表があれば裏もあり…!ってことで、ダークな側面に目を向けてみると、ネット依存ポルノ中毒肥満・ダイエット失敗砂糖依存症(但し動物のみで人間はないみたい)人工甘味料での過剰分泌・抑制となってしまう可能性があるので、正しく使っていくのが大事みたいです。


ドーパミンと性格は関係あるのか…?

ここからは後半ということで、ドーパミンと性格について見ていきます。ドーパミンはビッグファイブ外向性と開放性の影響を受けると考えられております。また脳をMRIで調べてもこの傾向はみられたそうです。
ではドーパミンと外向性・開放性の関係について掘り下げてみてみましょう。


ドーパミンと外向性の関係

まずビッグファイブの一つである外向性とは、おしゃべり、社交性、リーダーシップ、支配力、活動レベル、ポジティブな感情、興奮の追求といった部分の性格特性のことを言います。
そして外向性には積極性と熱意という、関係あるけど分離可能な2つのジャンルに分けることが出来るそうな。積極性と熱意を具体的に言うと、

  • 積極性:リーダーシップ、支配力、説得力など
  • 熱意:社交性、ポジティブな感情など

って感じらしく、おしゃべりなんかは積極性と熱意の両方に共通しているそうです。また興奮の追求は外向性の特徴のどちらの主要な側面にもきちんと当てはまらないんだとか。
そんな外向性は先行研究によってドーパミンと最も関係していると分かっております。というのも外向性は報酬に対する感受性が反映されていると考えられているんですよね。またドーパミン作動系の薬物を使用した外向性とドーパミンの研究の多くで関係性の証拠が発見されているそうな。
そして外向性は社交性をその特徴としてみなすことが多いんですが、ここは注意が必要で、社交的行動イコール外向性ってだけではなく非社交的行動も外向性とイコールとなるそうです。この辺については、内向型と外向型の誤解って記事にも書きましたが、ドーパミンの効きの違いが原因となっております。更に人間は社会的な生き物なんで、報酬の多くは社会的な物が多いんですよ。そのため、人間の最も強力な報酬の中には、社会的地位や優位性、対人関係がどうしても関係してくるんですよね。因みに社会的ステータスの報酬の感受性は主に積極性と関係しており、所属(帰属意識)の報酬の感受性は主に熱意と関係しているそうです。


ドーパミンと開放性の関係

開放性は、想像力、好奇心、洞察力、創造性、芸術性といった部分の性格特性のことを言います。これらの特徴を統合する心理的プロセスが認知的探求であります。そして認知的探究とは、知的好奇心とそれを行う探索行動のことでして、これらとドーパミンの関係性は十分に確立されている感じです。
ドーパミンは認知的探求をサポートするメカニズムに関係しておりますが、そこにはワーキングメモリが必須であり、学習にも必要となります。また開放性が潜在的な抑制の減少とも関係しているのもドーパミンが関係しているようです。好奇心が上回る状況ってのがそれですね。



ドーパミンを上手く扱うにはどうすべきか…?

ドーパミンを上手く扱う方法については、これまで様々な記事で紹介している通りなんで、下記にまとめて載せておきます。




個人的考察

ドーパミンは報酬への欲求から、モチベーションをアップさせる効果があるので適切なコントロールは必須と申せましょう。但し、ドーパミンの欲求効果は約10分間と短いみたいなのでここを乗り切れば呪縛から解き放たれます。
そのため、以前書いたように20秒ルール5分ルールや5秒ルールなどを用いて手間を減らす・増やす事を行うのがよろしいかと思います。誘惑には先延ばしが有効なんで上手くここにセルフコントロールを使っていきたいですね~。



参考文献