不安対策:AWAREモデルの方法・使い方を一緒に学びましょう!
当ブログでは様々なメンタル安定法をご紹介しておりまして、中でもオススメであり、ゴールドスタンダードなのが認知行動療法であります。認知行動療法は認知の歪みを正す方法のことを言いまして、細かい説明は「認知行動療法を一から学ぼう!」シリーズの各記事をご参照していただけたら幸いです。
そして今回は、認知療法を考案したアーロン・T・ベックが考えたAWAREモデルってメンタル安定法を一緒に学んでいこうと思います。
そして今回は、認知療法を考案したアーロン・T・ベックが考えたAWAREモデルってメンタル安定法を一緒に学んでいこうと思います。
不安が不安を呼ぶ仕組みを先に知っておこう…!
まずAWAREモデルの説明の前に不安が不安を呼ぶ仕組みについて軽く学んでいきます。
不安ってのは誰でも起こる人間に備わった大事な仕組みなんですが兎角嫌われがちだったりします。んで不安が起こった時、皆さんが最もしてしまう間違った対策が不安な事から逃げる、つまり不安な事をできるだけ考えないようにするという方法です。この方法は体験の回避(回避行動)と言われ、シロクマのリバウンド効果(人は考えないようにすればするほど反って考えてしまう)が起きる原因になってしまうんですよ。
しかも悪い事に体験の回避はその時その瞬間ネガティブな感情から逃れることが出来るため、ついついやっちゃいがちになるんですな。すると、回避行動や不安感がより強化してしまいます。ABCDE分析に当てはめてみると、
って感じ。
短期的には不安から逃げられるんで、どうしても体験の回避(回避行動)が増えちゃうんですよ(反応強化子随伴性)。また、人間は思い出すたびに記憶に定着されていきますんで、より不安を忘れられなくなってしまいます。
短期的には不安から逃げられるんで、どうしても体験の回避(回避行動)が増えちゃうんですよ(反応強化子随伴性)。また、人間は思い出すたびに記憶に定着されていきますんで、より不安を忘れられなくなってしまいます。
すると、不安になる→回避する→一瞬忘れる→不安を思い出す→ますます不安になる→回避する…って感じでループしだすんですよね。つまり反芻思考に陥ってしまうってことです。
ではこうならんようにするにはどうすべきか…?このネガティブループにハマっちまった場合はどう抜け出せばいいのか…?ってことで、不安との付き合い方を変え、不安をより強くしてしまうネガティブループにならない・抜け出して断ち切る手段がAWAREモデルとなります。
AWAREモデルってどうやるの…?
続いてネガティブループにならない・抜け出して断ち切る手段であるAWAREモデルの具体的な方法・使い方を見ていきます。
AWAREモデルは全部で5つのステップがありますので、一つずつ見ていきましょう…!
1. 不安を認める(Acknowledge anxiety)
最初のステップでは、不安を認めるところから開始します。不安感が出ちゃうとどうしてもそれと戦おうとしてしまいますが、そんな無駄なことはやめた方が良いとのこと。上記にも書いた通り、不安は誰しも感じ、経験する避けられない物なんで、むしろ不安がある事を認め受け入れることが大事。不安に対して落ち着け…!リラックスだ…!と言い聞かせても意味はないので、まぁ、不安になるのって普通だよね~って思いつつ不安を味わうのが良い感じ。
2. 不安を観察する(Watch anxiety)
次のステップでは不安を観察します。良いとかダメだとか評価せずにただひたすら観察です(いわゆるアクセプタンスですな)。とはいえ、これだと時間が長く感じてしまうし飽きるので、例えば今の不安感で身体にどんな反応があるのかな~とか確認したり、不安感を1~100点で評価し、時間の経過とともにそれがどうかわるか観察したり(自分にスケーリングクエスチョンを投げかける)なんかをすると良い感じ。特にスケーリングすることは、0か100の極端な考え方になっていることに気づくきっかけになりますんでオススメしたいところ。また不安は永遠に続かずいつかはピークが過ぎ去り、当たり前に減っていくことにも気づかされるはず。不安感も鮮度が命な生鮮食品みたいなもんなんで。
3. 行動する(Act through)
3つ目のステップまできたら行動してみます。人生に不安はつきもの。不安が完全にない状態になったら行動しようとしていたら、一生行動なんてできません。ってことで、不安があってもなんでもいいから兎に角行動すべし…!となります。頭で考えていても現実は一向に変わりませんが行動すれば現実は少し変わりますんで兎に角行動してみましょう…!
因みにこの辺をもっと詳しく知りたい方は外顕的行動と内潜的行動をみてみると良いかも。
4. 上記の流れを繰り返す(Repeat process)
4つ目のステップでは上記1~3のステップを繰り返すとなります。当たり前ですが認知の歪みという思考のクセはそう簡単に変えられません。そのため、起きるたびに上記をひたすら繰り返していきます。するとすこぉ~しずつ改善していくんですよね。そしてあるとき振り返ると、以前よりなんか不安ループになりづらくなったぞ…!となるわけです。
5. 前向きに考える(Expect the best)
最後のステップでは前向きに考えることをします。不安になるとヤバいんじゃないか…?とどうしても思っちゃいますが、不安になるのは普通なことで皆多かれ少なかれ感じます。そのため怖がる必要はありません。
そして、まぁ、どうにかなるだろう~ぐらいに思うことで、ネガティブループという自動思考に陥らず向かっていくことができます。
つまり、不安は自分でコントロールし自分の力に変えられる感情なんで、今までコントロールし上手く使いこなせたことを思い出して、不安って良いもんだぞ…!使いこなせるぞ…!と根拠のある自信を持っていくのがよろしいかと思います。
個人的考察
不安から回避行動をしてしまう関係について面白い例えがありまして、なんでも、吠えるのを止めさせるために犬に餌を与えるのと似ているぞ…!ってことなんですよ。
どういうことかといいますと、犬は餌を食べるために一時的に吠えるのを止めるけど、餌を食べることは犬にとって嬉しい出来事なんで、もっと吠えたらもらえると思い、実際吠えてしまうって感じです。確かにこう考えると分かりやすいですよね。
ということで、不安が起きたら逃げずに不安が起きたな~と思って観察し、不安がありつつも行動してみてください…!