今日は2023年に発表された納豆のRCTの系統的レビュー・メタ分析を見てみます。



ナットウキナーゼと心血管疾患リスクの関係についての初のRCTの系統的レビューとメタ分析…!

2023年の河南中医薬大学の研究によると、ナットウキナーゼと心血管疾患リスクの関係についてRCTの系統的レビュー・メタ分析を行ってみたそうです。
ナットウキナーゼは納豆に多く含まれる酵素でしてネバネバの部分になります。
んで、このナットウキナーゼは、


って感じで、心血管疾患に良さげなんですな。
また嬉しいのがナットウキナーゼの摂取は納豆を食べるだけでOKでして、しかも納豆って安くてコスパも良いときております。
そこで今回、ナットウキナーゼと心血管疾患リスクの関係について初のRCTの系統的レビューとメタ分析を行い、そのポテンシャルをまとめてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2023年2月14日までに発表されている該当研究をPubMed、Web of Science、Embase、コクランで検索してみたそうな。またその際、RCTで最低1か月以上の期間をチェックした研究のみを探してみたらしい。
すると全部で1,032件の研究がヒットしたとのこと。次に重複研究や関係ない研究を除外しつつ、更に質の低い研究も除いていったそうな。最終的に残った研究は7件でして、そのうちの6件でメタ分析を行ったそうです。
因みにピックアップされた研究の特徴は以下な感じ。

  • ナットウキナーゼグループの合計:311人
  • プラセボグループの合計:296人
  • 平均サンプル数:86人
  • サンプル範囲:28~265人
  • 男女比:約62%が女性
  • 国籍:約56%がアメリカ人、その他はアジア人

では結果を見てみましょう。

  • ナットウキナーゼの総摂取量が比較的少ないことと、総コレステロールの間に正の相関関係があった…!
  • ナットウキナーゼの総摂取量が多いと総コレステロールの増加につながっていた…!
  • ナットウキナーゼの総摂取量が比較的少ないと善玉コレステロールの低下につながっていた…!
  • ナットウキナーゼの総摂取量が少ないと悪玉コレステロールの増加につながっていた…!
  • ナットウキナーゼと中性脂肪に有意な関係性は見られなかった。
  • ナットウキナーゼを摂取すると収縮期血圧(SBP)が有意に低下していた…!
  • ナットウキナーゼを摂取すると拡張期血圧(DBP)が有意に低下していた…!
  • ナットウキナーゼを摂取すると血糖値がわずかに増加していた…!
  • ナットウキナーゼによる副作用などのデメリットは見当たらなかった…!

ナットウキナーゼにより、総コレステロールは上がるけど内訳は善玉コレステロールが増えて、悪玉コレステロールが減るからっぽいですね。また血圧に良い効果がありそうな感じ。それと有害事象がなかったってのも安心できてうれしいですな。
因みに研究者によれば、

  • ナットウキナーゼを短期間・低用量摂取しても、脂質に良い効果はなさそう…。
  • ナットウキナーゼは高血圧に良さげだけど、サブ的に考えるぐらいが良さそう…。
  • ナットウキナーゼが心血管疾患リスク要因の改善と強く関係しているかは現時点でははっきり結論は出せなかった…。

とのことで、ちょっとモヤモヤした感じでした。



個人的考察

まだまだ研究の総数が少ない感じらしいんで、今後の研究に期待…!ってところも大きいみたい。
個人的には納豆の血液サラサラ効果は期待して良いのではないかと思う結果だと思いました。



参考文献