【加筆内容】精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか? その9
イギリスにおける統合失調症と双極性障害の回避可能な死亡率について調べてみた
2013年のオックスフォード大学の研究によると、イギリスにおける統合失調症と双極性障害の回避可能な死亡率について調べてみたそうです。
この研究は2006~2007年にかけて統合失調症又は双極性障害で退院した75歳未満の方を対象にしたもので、その後1年間にわたって追跡調査をしたというもの。
その後集まったデータから回避可能な死亡率や標準化死亡比(SMR)なんかを見てみたらしい。
結果、
- 統合失調症における回避可能な死亡率は全死亡率の60.2%だった
- 双極性障害における回避可能な死亡率は全死亡率の59.2%だった
- 統合失調症における全原因の標準化死亡比は4.23年だった
- 双極性障害における全原因の標準化死亡比は2.60年だった
- 統合失調症における全原因から回避可能な原因と自殺を引いた標準化死亡比は2.38年だった
- 双極性障害における全原因から回避可能な原因と自殺を引いた標準化死亡比は1.66年だった
とのこと。
つまり、統合失調症や双極性障害の方は2年半~4年ぐらい寿命が短くなっており、その原因の一つに回避可能な死亡によるところがあると。
この結果に研究者曰く、自殺率を一般人口レベルにまで下げれば、重度の精神疾患による全体的な死亡率の超過を約50%に減少できるとしています。その上で、完全になくなるわけではないから根本的な要因を探る必要があるともしています。
個人的考察
次回は双極性障害の系統的レビューとメタ分析を見てみます。