【まとめ】心配性(不安症)な人ほど自然とアレが良くなる!
今回の内容は前回の続きみたいな感じです。
心配性(不安症)な人ほど頭が良い…!
高度な知性を得る代償として、精神障がい発症のリスクを背負う…って話をご紹介しましたが、どうやら心配や不安と知性には深い関係があるみたいなんですよね。例えば2012年のニューヨーク州立大学などの研究によると、不安を感じやすい人は知性(IQ)が高いそうです。
というのも、
- そもそも不安とは、太古の昔、生き残るために危険な状況を回避するために発達した能力である
- そして人間の知能(知性・IQ)は、過去の苦い体験や未来の危険を回避するために進化した為、不安の感情も同時に発達してきた
みたいな流れにより得た能力みたいです。
言われてみれば確かに知性が高いと、未来の出来事をアレコレ考える力が高いってことなんで、そこには当然良い事も悪い事も色々思いついちゃう、だから不安も出てくると…。なるほど不安に知性は必要な能力ですね。
また、心配性な人程、未来の不安に対処しようと色々考えるので、結果、自然と知性も高まっていくそうな。これを踏まえると、過度な不安や不安自体をマイナスと捉えてしまうともったいなくて、不安をプラス(=頭が良い)と捉えると良い感じになると思います。余談ですが、熊野先生がいうポジティブなメタ認知的信念とも通じる話かと思います。
どうやら知性の中でも高い分野と低い分野があるみたい
上記によって、心配性な人ほど知性が高まりやすいのは分かったんですが、果たしてどのような知性が高まりやすいのでしょうか…?要はまんべんなく高まるのか、特化して高まるのかって話ですね。
とのこと。
つまり、不安はクリエイティブ性アップに役立つってことですね。
この問題について参考にしたいのが2015年のレイクヘッド大学の研究になります。
この研究によれば、どうやら知性の中でも高まりやすい分野と低い分野があるみたいです。つまり、特化型の可能性が高いみたい…。
んで、実験の中身を具体的にみて行くと、学部生126人を対象に、不安や心配をどれぐらいするかを計るテストやネガティブにどれぐらい考えやすいかを計るテストを行ったそうな。
んで、実験の中身を具体的にみて行くと、学部生126人を対象に、不安や心配をどれぐらいするかを計るテストやネガティブにどれぐらい考えやすいかを計るテストを行ったそうな。
結果は、
- 心配性な人ほど言語的知性が高い傾向があった…!
- 心配性な人ほど動作的知性が低い傾向があった…。
とのこと。
言語的知性はそのまんまの意味で、言葉を使った表現が上手い事。小説や小難しいひっかけ問題なんかに強い人のことで、要は国語や学校のテストなんかが得意な人って感じですね。
動作的知性もそのまんまの意味で、手や体を使った動作が上手い事。運動神経が高かったり、手先が器用だったりする人のことで、要は体育や工作系なんかが得意な人って感じですね。
つまり、両方とも生きていくうえで大事なスキルとなりますが、心配性な人は特に言語的知性に秀でているらしい。なんでかっていうと、過去のトラウマや未来の不安に対して、記憶力が良いもんだから、細かく覚えちゃっているんですよね。そのため、裏目に出て心配性になったり、ネガティブに振り回されたりするわけです。
逆にちょっと苦手な動作的知性の理由は、主に表情とかも含まれていますんで、コミュニケーションの分野になるんですよ。コミュニケーションはアイコンタクトやらジェスチャーやら動作が重要なんで、結果、苦手みたいなんですよね。
不安な人は記憶力と正確性が高い…!
2014年のウォータールー大学の研究によると、不安が長期記憶のパフォーマンスや、記憶の正確性、応答時間にどう影響しているのかを調べてみたそうです。実験は全部で3つ行われたそうで、結果はこんな感じ。
- 不安にやりやすい人を不安にさせて記憶テストをしたら、記憶力が低く、自信もなかった。これは不安傾向が高い人ほど起こった。
- しかしこれは、記憶力が原因ではなく自分の記憶を疑っているからの可能性がある。その結果、自分のパフォーマンスを評価する時間が長くなったと思われる。
- そのため不安になりやすい人を更に不安にしてみたり、逆に不安にさせずに記憶力や正確性を調べてみた。
- 結果、不安にさせないと記憶力と正確性が高かった。
- つまり、不安な人は記憶力と正確性が高い。但し、応答時間がかかる、不安にさせると記憶力などが落ちしまう。
これを見ると、不安な人が本来の力を発揮したり、強みを知れば記憶力と正確性は高そうですねー。うーん。やっぱ不安って使えそうですねー。
不安な人は友人関係が良い…!
2014年のワシントン大学の研究によると、社交不安障害が友情に及ぼす影響について調べてみたそうです。具体的には、友情の質について自己評価と友人からみた評価を比べてみたとのこと。
んで、結果が、
- 社交不安障害の方は、特定の友人との友情の質について自己評価が低かった…。しかし、当の友人の評価は低くなかった…!
とのこと。
不安な人は人間関係にも不安を抱きやすいし、嫌われていると思いがちだけど、実際友人たちはそんなことを思っていなく、むしろ良い関係性を築きやすいみたいですねー。
不安な人(恥ずかしがり屋)は親切で心が広いため、信用・信頼されやすい…!
2012年のカリフォルニア大学バークレー校の研究によると、不安と信用・信頼の関係について調べてみたそうです。なんでも研究者によれば、不安は信用・信頼を育てるんじゃないか…?という仮説を検証してみたとのこと。
実験は5つ行われたそうで、
そうです。
どうやら不安(恥ずかしがり屋)な人は、親切で心も広いので、他者から信用・信頼され、助けてもらえたり協力してもらえたりすることが多いみたいですねー。確かに普段親切にしてくれる人が困っていたら、助けたくなりますよね…!
不安な人は事故死亡率と偶発的死亡が低い…!
2006年のウェストンエデュケーションセンターのコホート研究によると、ほとんどの研究では、神経症傾向(≒不安になりやすいこと)はネガティブと関連しているって結果が出ているけど、遺伝による神経症傾向は、メリットとデメリットの両方があると思われているそうです。そこで研究者は、小児期の不安傾向が、成人初期の偶発的な原因による死亡リスク(交通事故など)を下げるんじゃないか…?って仮説を立て実際に検証してみたそうです。実験は1946年にイギリスで生まれた男女4,070人を対象としたそうで、参加者が13歳と15歳、16歳のときに先生が不安になりがちな子どもかどうか判断したり、不安スケールでチェックしたそうな。その後、死亡や事故による死亡、致命的ではない事故、医療を必要とする致命的ではない事故に遭ったかどうかを追跡調査したとのこと。
すると結果、
- 不安度が低い参加者は、25歳までの事故死亡率が高かった…。
- 不安度がちょい高めな参加者は、25歳以降の偶然ではない死亡率の低下と関連があった…!
みたいです。
つまり子どもの時、不安になりやすいと、成人期初期の時の事故死亡率と偶発的死亡が低い…!ってことですね。注意点としては、後の非偶発的死亡率が高くなってしまうことでしょうか…。
その結果分かったことは、
- 神経症的傾向の高い人はクリエイティブ性が問われる問題を解決する際、幸せな出来事を思い出すと良いよ…!
- なぜって、幸せな出来事を想像した神経症的傾向の高い人は、難しい状況でもクリエイティブなデザインを思いついたり、レンガの面白い使い方を思いついたりしたから…!(=クリエイティブ性がアップした)
とのこと。
つまり、不安はクリエイティブ性アップに役立つってことですね。
因みに自分の神経症的傾向について知りたい方は下記から調べれますんでよければどうぞ~。
神経症傾向が高いおかげで粘り強く問題解決能力が高いと言える…!
まず神経症傾向ってのは、ネガティブな考えや感情になりやすいかどうかということでして、それらになりやすい(神経症傾向が高い)人は、
- 精神疾患にかかりやすい
- 緊張する場面での仕事のパフォーマンスが低下しやすい
って傾向があるそうな。
しかし一方で、一般的な方よりもクリエイティブ性が高いという特徴があるそうです。というのも神経症傾向の高い方ってのは、問題に深くこだわるって傾向があるんですよ。このこだわりという特徴が、従来とは異なる問題解決方法を思いつかせる能力であり、神経症傾向の高い人の長所でもあるというんですな(まさにリフレーミングですね)
ではこれが本当か…?ってことで脳内をスキャンしてみてみると、内側前頭前野が活性化していることが多かったそうな。つまり恐怖や衝動といった不安感を主観的に捉えていることが多いってことですね。つまり脳内でもはっきり見てとれるみたいです。
この考えすぎてこだわるというところが、解決していない問題に対して無意識に考え続けるという行為、つまりデフォルトモードネットワークの起動となっているんですよね。そのため、斬新な問題解決方法を思いついたりしやすいみたい。
ということで神経症傾向の高さは兎角嫌われがちだけど、そのデメリットがあるからこそメリットがあるというお話でした。
考えすぎやこだわりと受け取るのか、粘り強さと受け取るのか、この辺がメリットとして活かすかどうかの分かれ道になりそうですね。
個人的考察
つまりは、やっぱりリフレーミングが大事ってことで、短所も上手く使えば自分の強みとして活かしていけるってことですね。
そのため、不安は自分の能力が高い、高めるためのシグナルで良い感じ…!って思うと良いと思います(自分もそう思っています)。ぜひうまく使っていきたいもんですね~。