例えば、皆さんは敬語を使ったり、学生言葉のような砕けた言葉を使ったりと、相手によって言葉を使い分けますよね…?
その時、ただ、失礼のないように敬語を使おうって感じではなく、あえて心理的距離感を近づけるために砕けた言葉を使う時があります。例えば仲の良い先輩なんかと話すときがそうではないでしょうか。でも、そんな仲の良い先輩がいつもため口なのに急に敬語で話しかけてくるようになったら、なんか怖いですよね。距離感を感じますよね。
今回はこの微妙な言葉のニュアンスや敬語を使わないことにより距離を縮めるなどのテクニック「ポライトネス」が支援で言いづらいことを言わなければならない時に役立つよな~って話です。



ポライトネスってなに…?

アメリカの言語学者ペネロペ・ブラウンとイギリスの社会科学者スティーヴン・レビンソン(B&L)によって提唱されたポライトネス。英語でPolitenessっていうと、礼儀正しいとかって意味になりますが、今回のポライトネスとは、会話の参加者がお互いのフェイス(自己決定・他者評価の欲求)を侵さないために行う言語的配慮のことを言います。更にフェイスについて、もうちょい詳しくいうと、

  • ポジティブ・フェイス→承認欲求を満たす表現に使う
  • ネガティブ・フェイス→自由選択できる感じにする

という2種類があるそうです。そして、フェイスを脅かすような行為をFTA(Face Threatening Act)と言い、人はFTAをされそうになると避けようとします。そして、あらかじめ相手のFTAを予想し、対策してフェイスを脅かす可能性を減らす戦略をポライトネス・ストラテジーと呼びます。
ポライトネス・ストラテジーは下記5種類に分かれているので、予想したFTAに応じた話し方をしていきます。

  • FTAが低い:素直に言う
  • FTAがやや低い:ポジティブ・ポライトネス
  • FTAが普通:ネガティブ・ポライトネス
  • FTAがやや高い:察してもらえるようほのめかす
  • FTAが高い:FTAを行わない(コミュニケーションをそもそもとらない)

んで、支援を行っている際に必ずといっていい程あるシーンの一つして挙げられるのが、言いづらいことを言わなければならないという場面…。そんな時にこのポライトネスを抑えておくと良いんですよね。どういうことかと言うと、相手の自己決定権を尊重し、承認欲求を満たして話す。その中で上手い距離感をとって言いづらい事も言うと伝わりやすい…!って感じですね。



個人的考察

コミュニケーションの基本がこのポライトネスなんでぜひ言い辛いことを伝える際に意識してみてください。また、個人的にはポライトネスを抑えつつ、更に発展系になるであろう、ソクラテス式問答法FBIネゴシエーターの5段階モデルなんかを使っていくと尚よろしいかと思います。



参考文献