ストレスに効く食べ物はこれだ…!みたいな話を以前に書きました。
今回はビタミンCも結構良さそうだよ…!ってのをご紹介しておきます。



運動のストレスにビタミンCが効く…!

運動のストレスにビタミンCが効くそうで、まず見ていきたいのが2008年のギラン大学のRCTになります。この研究によると、男性16人にまず、採血をしたそうです。次に、参加者を2グループにランダムに分けて以下を行ってもらったとのこと。

  • ビタミンC(1000mg)のサプリを飲む
  • プラセボを飲む

2時間後、また血液を採取したそうな。そして、対象者全員にVO2max(最大酸素摂取量:心肺機能の指標になる)の75%の負荷で、30分間、運動してもらったそうです。更に運動後、運動の2時間後、運動の24時間後と血液サンプルを採取したらしい。
集めた血液サンプルを調べてみたところ、ビタミンCを摂取したグループはプラセボグループに比べ、

  • コルチゾールの減少効果が高かった(=ストレス対策になっていた)

そうです。
更に2011年のラフバラー大学のRCTでも似たようなことを調べておりまして、こちらは男性38人を対象に2グループに分けたとのこと。

  • ビタミンC&ビタミンEのサプリを飲むグループ:20人
  • プラセボグループ:18人

上記のグループ分けは二重盲検法を採用したそうで、サンプル数は少ないですが嬉しいですねー。
6週間後、参加者には90分間のシャトルラン(有酸素運動)をしてもらい、効果を調べてみたらしい。
結果、ビタミンC&ビタミンEグループはプラセボグループに比べ、コルチゾールの濃度の減りが大きかったそうです。


以上から、運動のストレス対策にはビタミンCが良さそうですねー。マンガかなんかで運動の前後にレモンを食べているシーンを見ることがありますが、アレって結構、理に適った方法だったんですね…!



ビタミンCで運動の炎症ダメージとコルチゾール増加を抑える…!

2001年のプレトリア大学などの研究によると、ウルトラマラソン(90kmのマラソン)に参加する16人のアスリートを対象に以下のどちらかを飲んでもらったそうです。

  1. ビタミンC(1日2回500mg)
  2. プラセボ

また、レース開始の7日前、レース開始の16時間前、レース終了後30分、レース終了後24時間、レース終了後48時間に

  • CRP(C反応性タンパク)
  • IL-6(インターロイキン6)
  • TNF-α(腫瘍壊死因子)
  • コルチゾール

を測定したとのこと。
つまり、代表的な炎症性のサイトカインを調べて、ビタミンCがどれぐらい効くのか調べてみたってことですね。
結果、ビタミンCの補給で、

  • 運動中に発生する炎症ダメージを和らげる可能性がある…!
  • 運動によるコルチゾールの増加を抑える可能性がある…!

とのこと。
やっぱビタミンCは運動のストレスダメージに対して有効っぽいですね~。



運動以外のストレスでも良さそう…!

何だよ…!運動限定の話かよ…!って思った方、お待たせしました(笑)。実は、ビタミンCのストレス対策は運動以外でもどうやら効果がありそうなんですよ…!
というのも2002年のトリーア大学のRCTによると、健康な若い成人120人を対象に、2グループにランダムに分かれてもらったそうです。

  • 1日1gのビタミンCを3回に分けて摂取する(60人)
  • プラセボを摂取する(60人)

因みにこの研究も二重盲検で行ったそうです。
参加者6人のデータは除外したそうですが、14日間飲んでもらった結果、


  • コルチゾールの回復が速かった
  • 急性の心理的ストレス(大勢の前でプレゼンするみたいな感じ)に対する主観的なストレス反応が少なかった

そうです。
つまり、運動に限らず、ストレスのかかる大事な場面の前にビタミンCを摂取しておくと良い…!ってことですね…!



ビタミンCは心血管疾患(CVD)のリスク要因と関係があるのか系統的レビューとメタ分析のアンブレラレビューで調べてみた…!

2019年のニューカッスル大学の研究によると、ビタミンCは心血管疾患(CVD)のリスク要因と関係があるのか系統的レビューとメタ分析のアンブレラレビューで調べてみたそうです。
ご存知の通りビタミンCは果物野菜に多く含まれておりまして、抗酸化作用・抗酸化物質が高いことで有名かと思います。またメラトニン同様、活性酸素種(ROS)と活性窒素種(RNS)という酸化ストレス物質を直接除去しているんですな。
そんな抗酸化作用のあるものを摂取すると心血管疾患のリスク要因が減る事も先行研究により分かっております。そしてコホート研究では、ビタミンCの摂取量が多い心血管疾患のリスク要因にプラスの影響がある事も出ていたりするんですよね。しかし一方で大規模なRCTではその効果は確認されなかったって話もあったりします。
じゃあ結局、効果があるの…?ないの…?ってことで、今回その辺をはっきりさせるべくアンブレラレビューを行ってみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2018年2月までに発表されている該当研究をMedline、Embase、Scopus、コクランという4つのデータベースで検索してみたそうな。続いて検索にヒットした研究を該当基準と除外基準に照らし合わせて精査していったらしい。
最終的に選ばれた研究は10件の系統的レビューとメタ分析でして、総サンプル数は6,409人とのことでした。
これらをアンブレラレビューしてみた結果、

  • 3件中2件の系統的レビューでビタミンCにより内皮機能に有意な結果が出ていた。但し3件とも結果のばらつきが激しかった
  • 1件の系統的レビューで血圧、血糖値、LDLコレステロール、中性脂肪に有意な改善が見られた
  • 動脈硬化やインスリン濃度、総コレステロール、HDLコレステロールに効果はなかった。但し、サブグループの結果によりBMIが高い人、血糖値やコレステロールが高い人、ビタミンC濃度が低い人には有意な改善が見られた

みたい。
効果ありそうなものの、ちょっとベースとなる研究のエビデンスレベルが弱いみたいですな。
ビタミンCで心血管疾患リスク要因が下がるかはもしかしたらあるかも…!今後の研究に期待…!って感じですね。