今回と次回は台湾で調べられた研究をチェックしてみます。



台湾における統合失調症及び双極性障害の死亡率

2017年の亞東記念医院の研究によると、台湾における統合失調症及び双極性障害の死亡率について調べてみたそうです。
具体的には向精神薬の使用増加による、統合失調症や双極性障害の患者さんの過剰死亡率を見てみたとのこと。
この研究は、台湾の国民健康保険のデータベースを使ったもので、2003年と2008年のデータを使用したそうな。んで、3年ごとに標準化死亡比(SMR)を計算し、その傾向をチェックしてみたみたい。
その結果、

  • 統合失調症の患者さんの死亡率:2003年のデータではSMRが3.40だったのに対し、2008年のデータでは3.14だった。つまり、わずかに減少していた…!
  • 双極性障害の患者さんの死亡率:15歳から44歳の患者さんのみSMRが7.04から9.10に大幅に上昇していた。また15歳から44歳の患者さんの自然死のSMRが5.65から7.16に上昇していた。但し、それ以外の患者さんの死亡率は比較的安定していた…!

とのこと。
つまり、統合失調症については服薬によって死亡率を抑えられるみたいですね。双極性障害についても15~44歳の方以外は服薬で死亡率を横ばいに出来るっぽい。



個人的考察

来週は台湾における重度の方の場合を調べた研究を見てみます。



参考文献