HIITの効果を見てみよう!」シリーズの続きです。
前回は初回ということで、概要編をお送りしました。
今回は、心肺機能アップ編をお送りします。



HIITは一般的な有酸素運動に比べて約2倍も心肺機能をアップさせる…!

2013年のクイーンズランド大学系統的レビュー・メタ分析によると、心血管・代謝疾患の患者さんを対象にHIITの効果を調べてみたそうです。
まず研究者たちは、2013年4月までに発表されている該当研究をMEDLINE、PubMed、EMBASE、Cinahlというデータベースで検索してみたそうな。すると合計418件の研究がヒットしたとのこと。次に各研究を精査して質の高い物を選んで行ったらしい。
最終的に選ばれた研究は10件でして、総サンプル数は男女273人とのことでした。因みに内訳は、

  • HIITグループ:137人
  • 一般的な有酸素運動グループ:136人

って感じ。
また参加者は全員心血管疾患の患者さんでして、具体的には冠状動脈性心疾患、心不全、高血圧、メタボ、肥満なんかを患っていたそうです。
更に各研究のHIITの傾向もチェックしておきましょう。

  • 種目:トレッドミルを使って傾斜をつけてのウォーキング・ランニング、エアロバイク、トレッドミル+エアロバイク+筋トレ、ストレッチ、リラックス運動
  • 強度:心拍数85%~95%→回復時50%~75%、PWR(≒自転車を漕ぐパワー)80%と120%→回復時何もしない、PWR75%~80%→回復時40%~50%
  • 合計時間:38分
  • 1回の時間:HIIT4分間とアクティブリカバリー3分間、HIIT5分間×3とアクティブリカバリー3分間、HIIT30秒とアクティブリカバリー30秒、HIIT30秒とアクティブリカバリー60秒

上記を見ていると、走るか漕ぐやり方が多く、強度はほぼ全力からの休憩中は全力の半分って感じですね。それと1回の時間に関しては割とバラバラですね。短いものもあれば長いものもありますな。
それでは、一般的な有酸素運動グループよりもHIITの方が効果的だったものを見てみましょう。

  • VO2peakアップ…!
  • 収縮期血圧と拡張期血圧ダウン…!
  • HDLコレステロールアップ…!
  • 中性脂肪と空腹時血糖値ダウン…!
  • 酸化ストレスと炎症ダウン…!
  • 脂肪酸ダウン…!
  • アディポネクチン(抗炎症作用があるホルモン)、インスリン感受性アップ…!
  • PGC-1α(=ミトコンドリアのコントロール装置)アップ…!
  • カルシウム吸収率アップ…!
  • 一酸化窒素の利用率アップ…!
  • 心臓機能アップ…!
  • 運動の楽しさアップ…!
  • 生活の質アップ…!

素晴らしい結果ですね~。
そして気になるのが副作用なんですが、研究者によれば、10件中4件では特に報告なし、6件では言及されていなかったそうです。安全面も大丈夫そうですね。
それと最もHIITの効果があったものとしては、VO2peak(心肺機能)の向上でして、

  • HIIT後、VO2peakが5.4mL/kg/分アップ(=19.4%アップ)していた…!
  • 一般的な有酸素運動後、VO2peakが2.6mL/kg/分アップ(=10.3%アップ)していた…!

って感じ。
つまり、HIITは一般的な有酸素運動に比べて、約2倍も心肺機能をアップさせる効果があるみたい。