【まとめ】地中海式ダイエットで聞く「プラネテラネア(Planeterranea)」ってなに?って話
その方法や効果については、
の記事をご覧いただくとして、今回は、近年この地中海式ダイエットとセットで良く聞くようになった「プラネテラネア」についてです。
の記事をご覧いただくとして、今回は、近年この地中海式ダイエットとセットで良く聞くようになった「プラネテラネア」についてです。
プラネテラネア(Planeterranea)は、ユネスコが発表したプロジェクト名でして、世界中の様々な地域で手に入る、地中海式ダイエットの栄養特性を持つ食品をピックアップし、健康的な食生活パターンを特定することを目的としたものとなっております。
つまり、地中海式ダイエットの良さを踏まえた、各地域バージョンを作ろうぜ…!って感じですな。
プラネテラネア(Planeterranea)で、地中海式ダイエットの良さを世界中に広めようぜ…!
2022年のフェデリコ2世・ナポリ大学のレビュー論文によると、プラネテラネア(Planeterranea)で、地中海式ダイエットの良さを世界中に広めるため、5つの地域に根差した地中海式ダイエットピラミッドを作成してみたそうです。
そもそも非感染性疾患は世界における死亡率の70%以上を占めているそうな。また世界では約4億人の方々が糖尿病を患っておりまして、感染症や心血管疾患、がんなんかの死亡率の上昇に関連していると言われております。他にも血圧やコレステロールなどにも関係があるんだとか。
そんな非感染性疾患の予防と治療のために様々な食事法が考案されております。その中でも特に健康に良い…!と言われているのが地中海式ダイエットです。ただ、地中海式ダイエットを実践したくても地中海以外の地域では難しいと言う実情があったんですよね。
そこで今回、地中海式ダイエットをベースにしつつ、各地域の食習慣を踏まえたバージョンを作ってみよう…!となったそうです。
具体的には、北米、ラテンアメリカ、アフリカ、アジア、オーストラリアの5つの地域バージョンの作成をしてみることにしたんだとか。更に地中海式ダイエットピラミッドの各地域バージョンも作ってみることにしたらしい。これは非常に気になりますね~。
まず研究者たちは、ユネスコネットワークを利用して、いろんな国の食習慣情報を集めまくったそうな。更に様々な国のウェブサイトを使って情報を補完していったみたい。次に2021年12月までに発表された該当研究をPubMedで検索したとのこと。結果860件の研究が見つかったそうな。その後、論文の参考文献もチェックし情報を充実させたそうです。
それでは、各地域バージョンの地中海式ダイエットピラミッドを見てみましょう…!
北米版地中海式ダイエットピラミッド
ポイントは以下のようになっておりました。
- 基本は、地中海式ダイエットで推奨されている動物性タンパク質の摂取ルール・加工食品ルールを守っていく。
- 毎日の主な脂肪源としてキャノーラ油を使用する(量は個人の必要量に応じて調整)
- 野菜(少なくとも1日2食分)と豆類(少なくとも週3食分)の摂取量を増やす。地元の品種(オクラやうずら豆など)を優先して食べる。
- ナッツ類、特にピーカンナッツ(ペカンナッツ)を間食として摂取する(1日42g)
北米版地中海式ダイエットピラミッドは以下のようになっておりました。
ラテンアメリカ版地中海式ダイエットピラミッド
ポイントは以下のようになっておりました。- 基本は、ラテンアメリカの伝統的な食生活における動物性タンパク質の摂取ルール・加工食品ルールを守っていく。
- GI値の低い炭水化物(キヌア、プラタノ、全粒穀物)を1日2食分摂取する。
- GI値の高い炭水化物(米、トウモロコシ、ジャガイモ)を週2回以上摂取しない。
- アボカドを毎日の主な脂肪源として摂取する(量は個人の必要量に応じて調整)
- 野菜(少なくとも1日2食分)と果物(1日1~2食分)の摂取量を増やす。抗酸化作用の高い果物(アサイーや他のベリー類など)を積極的に摂取する。
ラテンアメリカ版地中海式ダイエットピラミッドは以下のようになっておりました。
アフリカ版地中海式ダイエットピラミッド
ポイントは以下のようになっておりました。
- テフ(学名:Eragrostis tef。マイナーなシリアル)由来製品を1日2回以上摂取する。テフのようなアフリカで取れる穀物を積極的に摂取する。
- モリンガ(学名:Moringa Adans。花、葉、種など全てがアフリカで昔から利用されてきた)オイルを毎日の脂肪源として摂取する(量は個人の必要量に応じて調整)
- アフリカの伝統的な食事に従って植物性食品の摂取を増やす。地元の果物(1日1~2食分)と野菜(少なくとも1日2食分)を積極的に摂取する。
…ってことで、ポイントは以下のようになっておりました。
- GI値の低い炭水化物(大麦や全粒穀物)を1日2食分摂取する。
- GI値の高い炭水化物(米、麺類)を週2回以上摂取しない。
- 毎日の主な脂肪源としてゴマ油を摂取する(量は個人の必要量に応じて調整)
- 野菜(少なくとも1日2食分)と果物(1日1~2食分)の摂取量を増やす。抗酸化作用の高い果物を積極的に摂取する。
- 植物性タンパク質(大豆由来製品)を週2回摂取する。
- 海藻類(特にスピルリナとワカメ)を1日1食分摂取する。
アジア地域なんで日本に当てはまらない部分も多少ありますが仕方あるまい…。
アジア版地中海式ダイエットピラミッドは以下のようになっておりました。
オーストラリア版地中海式ダイエットピラミッド
ポイントは以下のようになっておりました。
- 毎日の主な脂肪源としてマカダミアナッツオイルを摂取する(量は個人の必要量に応じて調整)
- 野菜(少なくとも1日2食分)の摂取量を増やす。地元産の野菜を積極的に摂取する。
- 果物(1日2食分以上)の摂取量を増やす。地元の品種(例:デビッドソンプラム、ネイティブペッパーベリー、フィンガーライム)を積極的に摂取する。
- オメガ3脂肪酸が豊富な魚(週2~3回)の摂取量を増やす。地元産の魚(例:アトランティックサーモン、バラマンディ)を積極的に摂取する。
- 特に、マカダミアナッツを間食として摂取する(1日40~90g、総カロリー摂取量の15%を占める)
オーストラリア版地中海式ダイエットピラミッドは以下のようになっておりました。
まず研究者たちは、地域特有の食品をより適切に特定するため、土壌や気候条件に基づいてアジアを6つの地域に分けたそうな。
その6つの地域は、
- 中央アジア
- 東アジア
- 北アジア
- 東南アジア
- 南アジア
- 西アジア
でして、日本は東アジアに属しております。
次に各地域の食品を詳しく知るべく、米国農務省のデータベースや国連食糧農業機関(FAO)のサイトを見てみたそうな。更に2022年12月から2023年9月の間に発表された該当研究をPubMedとGoogle Scholarでも検索してみたらしい。
最後に集まったデータをまとめて新アジア版地中海式ダイエットピラミッド(2024年バージョン)を作ってみたそうです。
それでは、気になるピラミッドを見てみましょう…!
アジア版なんで日本に当てはまらないところもちょいちょいありますが、そこは仕方ないですね。
ではざっくりしたポイントを並べておきます。
- ピラミッドの一番下(メイン食材):果物と野菜は、地中海地域の物とほぼ同じ感じ。全粒穀物は毎日食べた方が良いらしく、白米に加えて積極的に摂取するのがオススメとのこと。ごま油は、不飽和脂肪酸の主な供給源でありオリーブオイルの代わりとなるそうな。
- ピラミッドの下から2番目(週2,3回):豆類、特に大豆、キノコ類、藻類は、1回100~150gを週2~3回を交互に食べると良いとのこと。これにより動物性タンパク質が少なくても植物性タンパク質で補えるんだとか。
- ピラミッドの下から3番目(週1回ぐらい):卵や牛乳、乳製品、魚、肉などは週1回ぐらいが望ましいそう。肉は種類によって違いがあり、例えば白身肉は週2,3回でも良さそうだが、赤身肉は週1回でも多そう。それと日本の習慣にはないが動物性タンパク質の中でも昆虫は良いらしい(日本でもパッと登場したけどサッと聞かなくなりましたね…。)
- ピラミッドの一番上(まれに食べる物):赤身肉やお菓子、ソフトドリンク、加工食品、超加工食品など。
上記を見てると、日本で考えたら普通に地中海式ダイエットを実践した方が早くないか…?って思っちゃいます。だってスーパーに行ったら普通にオリーブオイルや野菜、果物なんか手に入りますからね…。
まぁ、その中にちょっとしたスパイスとして、白米とか納豆とか、味噌汁みたいな大豆製品とかを混ぜていくときに上記が参考になるのかな~と思いました。
個人的考察
因みに2016年に畿央大学から、日本版の地中海式ダイエットスコアが発表されていたりします。
気になる方は下記からご覧ください。