肉を高温調理するな…!って話を聞いたことがございませんか…?
例えば、揚げ物なんかがその代表例だと思います。
では何がそんなに悪いのか…?ってことで、その辺をまとめた研究をご紹介します。



忘れちゃならない「ヘテロサイクリックアミン」問題

2010年のヴァンダービルト大学の研究によると、高温調理した肉とガンリスクの関係について調べてみたそうです。
そもそも、

  • 焼く
  • 揚げる
  • グリルやバーベキューをする

といった高温調理法で肉を料理すると、高温料理中にクレアチンやクレアチニン、アミノ酸、糖なんかから、ヘテロサイクリックアミン(HCA:Heterocyclic amines)という発がん物質が作られてしまうんですよね。
んで、動物実験によれば、大量のヘテロサイクリックアミンは乳腺や肺、結腸、胃、前立腺なんかの腫瘍の発生率をアップさせてしまうんだとか。
そして、ヘテロサイクリックアミンは肉の料理する温度と時間が大きく関係しており、高温で長時間調理すればするほど、多く作られてしまうらしい。これが揚げ物ヤバいぜ…!と言われる大きな原因の一つですね。
また、肉の種類も関係しているみたいです。

では、人間だとどうなのか…?ってことで既存の先行研究をまとめてみたのが今回のレビュー論文になります。
まず研究者たちは、肉の摂取と調理法におけるガンリスクに関する研究をピックアップし、次にそのピックアップした研究の参考文献もチェックしたそうな。結果、質の高い研究が21件見つかったとのこと。次にそれぞれの研究結果をレビューしてみたらしい。
そのまとめが以下のようになっておりました。

  • 結腸がん・直腸がん:7件の研究でピックアップされていた。1999年にスウェーデンで行われた初期の研究を除くと、肉の摂取量・ヘテロサイクリックアミンと結腸がん・直腸がんのリスクには正の相関関係があった…!また、ヘテロサイクリックアミンが多いとガンリスクが30%アップしたという研究や高温調理した肉を好む人の中でガンリスクが3倍も高かったという研究結果があった…!
  • 乳がん:3件の研究でピックアップされていた。いずれも高温調理による肉の摂取量・ヘテロサイクリックアミンの量と乳がんリスクは正の相関関係があるという結果だった…!また高温調理した肉を好む女性は乳がんリスクが4.6倍にまでアップしたという研究もあった…!
  • 前立腺がん:4件の研究でピックアップされていた。高温調理の肉の摂取量と前立腺がんリスクは正の相関関係あった…!詳しく見てみると、未加工の赤身肉や白身肉を大量に摂取しても前立腺がんのリスクはアップしていなかったが、加工肉の摂取量とは関係があった…!
  • 膵臓がん:3件の研究でピックアップされていた。すい臓がんは人間にとって最も致死率の高いガンの一つだが、グリルやバーベキューで焼いた赤身肉や鶏肉の摂取量・ヘテロサイクリックアミンと膵臓がんリスクは正の相関関係があった…!但し、ある研究では赤身肉や高温調理した肉、加工肉の大量摂取した男性では膵臓がんリスクがアップしていたが、女性ではアップしていなかった。また、男性の膵臓がんリスクが約2倍にアップしたという研究もあった。
  • 肺がん・胃がん・食道がん:4件の研究でピックアップされていた。いずれも肉の摂取量・ヘテロサイクリックアミンと肺がん・胃がん・食道がんリスクには関係性はありそうだが、研究例が少なく詳しくは不明であった。

これらを見ると、高温調理→ヘテロサイクリックアミンが増加→ガンリスクがアップ…!ってのはどうやらありそうですねー。



個人的考察

ということで、やはり肉の調理法は気を付けていきたい感じ。
揚げ物を回避し、低温調理法をメインにしていきたいですねー。



参考文献