この間紹介した系統的レビュー・メタ分析により、先行研究の通り線維筋痛症は女性に多い病気ってのは間違いなさそうな感じで。
んで今回はさらにここを深掘りしていこうかと思いまして、年齢によって発症率に違いが出るのか見ていきたいと思います。



線維筋痛症は女性に多い…!では年齢によって違いはあるのか…?

1995年のカンザス大学の研究によると、線維筋痛症の発症率とその特徴について調べてみたそうです。
この研究はアメリカのカンザス州ウィチタに住む3,006人を対象に行ったもので、痛みの有無や痛みの範囲などをチェックしたそうな。その後広範囲に痛みがある193人を含む391人に詳細なインタビューをしてみたらしい。
その結果、

  • 線維筋痛症の発症率は約2%(1.4~2.7%)だった…!
  • 線維筋痛症の女性の発症率は約3.4%(2.3~4.6%)だった…!
  • 線維筋痛症の男性の発症率は約0.5%(0.0~1.0%)だった…!

とのこと。
更にここでは女性の年齢別の発症率も見ておりまして、その結果がこちら。

  • 20~40歳の女性の線維筋痛症の発症率は3.9%だった…!
  • 40~60歳の女性の線維筋痛症の発症率は5.8%だった…!
  • 60~79歳の女性の線維筋痛症の発症率は7.0%だった…!

つまり、線維筋痛症ってのは歳を重ねるごとに発症率がアップしてしまうみたいなんですよね。


また1999年のウェスタンオンタリオ大学の研究でも似たようなことを調べておりまして、こちらの研究では、カナダのオンタリオ州ロンドンに住む成人男女3,395人を対象に線維筋痛症の発症率をチェックしております。
この研究では日ごろの痛みについて電話によるアンケート調査を実施、そこで線維筋痛症の疑いがある人にリウマチ科を受診するよう勧めてみたそうな。その後リウマチ科を受診し線維筋痛症かどうかをはっきりさせたらしい。
結果、

  • この実験では100名の線維筋痛症の方がいた。
  • 100名中、86名が女性だった。
  • 線維筋痛症の方の平均年齢は女性が49.2歳、男性が39.3歳だった。
  • カナダのオンタリオ州ロンドンでの推定発症率は女性が4.9%、男性が1.6%だと思われる。つまり、男女比は1:3となる。

とのこと。
やはり似たようなところに収まっておりました。
んで、気になる年齢別の発症率は、

  • 女性の発症率は年齢とともに確実に上昇していた…!
  • 18~30歳の女性の発症率は1%未満だった…!
  • 55~64歳の女性の発症率は約8%だった…!
  • その後の女性の発症率は下がっていく傾向にあった…!
  • 男性の発症率のピークも中年だった(2.5%)

そうです。
因みに線維筋痛症の発症率アップに共通した事項としては、

  • 性別が女性
  • 中年
  • 学歴が低い
  • 世帯収入が低い
  • 離婚している
  • 障がいがある

などが関係していたらしい。
ということでやはりこちらでも基本的には年齢を重ねるにつれ発症率はアップしておりました。



個人的考察

これらを見ると、歳を取るごとに食事に気を付けて予防していくのが良いのかもしれませんね。



参考文献