今年の2月ぐらいからHIITとBDNFの話をちょこちょこ書いております当ブログ。
詳しくは、


をご覧いただきたいのですが、どうやらHIIT系でBDNFがアップするのは間違いないっぽいんですよね。
そして今回ご紹介する研究は、2020年時点でのHIIT系とBDNFの関係を調べた研究のランダム化比較試験のメタ分析・系統的レビューとなっております。先行研究をまとめた質の高い物となっておりますので、上記でご紹介した研究のまとめとしてご覧ください。それでは早速見ていきましょう…!



ランダム化比較試験のメタ分析・系統的レビューでHIIT系のBDNFレベルアップ効果を調べてみた…!

2021年のカスティーリャ=ラ・マンチャ大学の研究によると、様々な運動強度でのBDNFレベルの変化について2020年時点での既存の研究をまとめてみたそうです。
具体的には、

  • HIITやSITといったHIIT系の運動は普通の有酸素運動や運動しない場合に比べてBDNFレベルがアップするのか…?
  • HIIT系の運動時間(30分以上又は30分未満)で違いが出るのか…?
  • スタートラインでの心肺機能によって違いが出るのか…?

なんかを健康な若者を対象に調べてみたらしい。
まず研究者たちは、2020年12月までに発表されているHIIT系の運動とBDNFレベルの研究を検索したそうな。因みに今回使ったデータベースはMEDLINE(PubMed経由)、Scopus、Cochrane CENTRAL、SPORTDiscusだったとのこと。
すると全部で747件もヒットしたみたい。次にこの中から質の高い研究をピックアップしていったそうで、55件の研究に絞り込まれたそうな。その後、更に各研究を評価して最終的に22件の研究を用いて系統的レビュー、その22件のうちに含まれていたRCTのうちの10件でメタ分析をかけてみたそうです。
22件の研究の合計サンプル数は552人でして、年齢は20~31歳の範囲、男性が59.1%だったとのこと。また、HIIT系の運動時間については、ウォーミングアップ時間や実際にHIIT系を行った時間、クールダウン時間を足すと7~60分の間だったそうです。
んで、ランダム化比較試験のメタ分析・系統的レビューを行った結果は、

  • HIIT系の運動は、対照群(中強度・低強度、運動なし)と比べて、0.78もBDNFレベルがアップしていた…!
  • HIIT系の運動は、運動なしに比べて0.55もBDNFレベルがアップしていた…!
  • HIIT系を行うとBDNFレベルは4143.38pg/mLから8347.54pg/mLにアップしていた…!
  • 対照群(中強度・低強度、運動なし)のBDNFレベルは3084.58pg/mLから-30.34pg/mlダウンしていた…!

とのこと。
更にこの研究ではサブグループの分析も行っておりまして、こちらで分かったことは、

  • HIIT系の運動時間(30分以上又は30分未満)でBDNFレベルのアップ効果に違いはなかった…!
  • 性別によるBDNFレベルのアップ効果に違いはなかった…!
  • スタートラインでの心肺機能によるBDNFレベルのアップ効果に違いはなかった…!
  • HIIT系と中強度のトレーニングを比較した場合、有意差はなかった…!

そうです。
つまりまとめると、

  • HIIT系の運動でBDNFレベルはすぐに約2倍程アップする…!
  • HIIT系の運動時間は30分が境界線…!
  • 男女の違いはなく、BDNFレベルはアップする…!
  • 普段の運動の有無は関係なく初心者でもBDNFレベルはアップする…!
  • HIIT系と中強度トレーニング(いわゆる普通の有酸素運動)のBDNFレベルアップ効果に違いはない…。
  • 但しHIIT系には時短効果がある…!

って感じになります。
若者限定の研究とはいえ、ランダム化比較試験のメタ分析・系統的レビューでHIIT系のBDNFレベルアップ効果が証明されたり、行う際のポイントが分かったのは嬉しいですねー。



個人的考察

サブグループの分析でHIIT系と普通の有酸素運動を比べたらBDNFレベルアップ効果に違いはなかったって出ておりますので、HIIT系が苦手な方は普通の有酸素運動でもよろしいかと思います。
まぁ、個人的には他のHIIT系のメリット(特に時短効果)、長時間の有酸素運動のデメリットを考えるとHIIT系がオススメなんですが続けるのが辛くない方を選ぶのが一番大事ということで一つよろしくお願いします。



参考文献