防衛的悲観主義と戦略的楽観主義の話、その1その2その3その4その5その6の続きです。今回もアダム・グラント教授がLinked inで紹介していた研究を見ていきます。
今まで防衛的悲観主義と戦略的楽観主義のそれぞれのメリットを見てきましたが、今回はそのまとめみたいな話です。それでは早速見ていきましょう。



自分の思考スタイルに合った戦略を使っている者同士がチームになると最強…!

結局、悲観主義と楽観主義はどちらが良いのか…?
この問いの答えに関して、アダム・グラント教授の2011年の研究によれば、結局のところ、どっちの戦略も極端すぎるのは良くないとのこと。当ブログでおなじみの過ぎるは良くないってのはここでも通じるみたいです。
ではどうしたらいいのかというと、悲観主義と楽観主義の長所を併せ持ったハイブリット型が良いそうな。ヤーキーズ・ドットソンの法則みたいなバランスを目指せ…!ってことですね。つまり、楽観主義の人が持つポジティブな考え方に悲観主義の人が持つあらゆる状況に対するリスク管理・対策をバランスよく保つことが良いってことですな。

しかし、そんなの出来たら苦労せんよ…!って思いますよね(笑)
そこでポイントになるのが悲観主義と楽観主義のバランスを一人で達成しようとしないことです。つまり、防衛的悲観主義の人と戦略的楽観主義の人を同じチームに加え、チームの総合点で勝負すると良い…!ってことです。
自分の思考スタイル(悲観主義か楽観主義か)に合わせて、防衛的悲観主義か戦略的楽観主義を選んで長所として発揮し、その長所として発揮している者同士が合わさることで、柔軟な考え方や対応のできる良いチームが出来るって感じですな。



個人的考察

ということで、兎角ポジティブな人の方が持てはやされる昨今。ネガティブな人にはつらい現状でありますが、そもそもポジティブな人とネガティブな人とでは、能力を発揮できる条件が違うという話でした。つまり、ただネガティブな人がポジティブな人のまねをするのはダメってことですね。
良く言われる「ポジティブな人=優秀な人、ネガティブな人=優秀でない人」という訳ではなく、自分に合った戦略(防衛的悲観主義か戦略的楽観主義)を取っている人が優秀になれるって感じです。
なんで、これらを踏まえると、

  1. 自分がポジティブよりな人(楽観主義)なのか、ネガティブよりな人(悲観主義)なのかを知る
  2. ポジティブよりな人(楽観主義)は戦略的楽観主義を使って能力を発揮する…!
  3. ネガティブよりな人(悲観主義)は防衛的悲観主義を使って能力を発揮する…!
  4. その上で、なるべく極端にならないよう個人で努力し、真ん中に近づけていく…!
  5. それでも限界があるので、戦略的楽観主義で能力を発揮している人と防衛的悲観主義で能力を発揮している人が一つのチームになってお互いの長所を活かし合う…!

とよろしいのではないでしょうか。
自分の能力を活かすときにはもちろん、チームを作る時もぜひ参考にしていきたいですね…!



参考文献