今回は、両親が双極性障害を持つ場合における子供の精神疾患率について調べた研究を見てみます。



両親が双極性障害を持つ場合における子供の精神疾患率について

2017年のシドニー大学メタ分析によると、両親が双極性障害を持つ場合における子供の精神疾患率について調べてみたそうです。
もうちょい詳しく言うと、両親のうち片方又は両方が双極性障害を持っている子供の精神疾患率と精神疾患のない両親を持つ子供の精神疾患率を比べた研究データをまとめてみたんだとか。
ということでまず研究者たちは、該当する先行研究をPsycInfo、Medline、Scopus、Embaseで検索してみたそうな。次にヒットした研究を適格基準と除外基準に照らし合わせて行ったらしい。
最終的に選ばれた研究は17件でしてこれらを基にメタ分析を行ってみたんだとか。
結果、両親のうち片方又は両方が双極性障害を持っている子供は、そうでない子どもに比べて、

  • 双極性障害の発症率が9倍高かった…!
  • 双極性障害以外の感情障害(うつ病など)の発症率がほぼ2.5倍高かった…!
  • 最低1個以上の不安障害の発症率が2倍以上高かった…!

とのこと。
遺伝の影響なのか、生活環境の影響なのか、親が双極性障害を持つ場合、子供の精神疾患リスクは高くなるみたいですね。
因みにこの研究では他のリスクも有意に増えていたらしく、

  • ADHD(注意欠陥多動性障害)
  • 全般的な行動障害
  • 物質使用障害

なんかが該当したとのこと。