精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか? その6
ADHDの方の家族における精神疾患リスクについて調べてみた…!
2019年の台北栄民総医院の研究によると、ADHDの方の家族における精神疾患リスクについて調べてみたそうです。
そもそも先行研究で分かっている事として以下のことが挙げられます。
そもそも先行研究で分かっている事として以下のことが挙げられます。
- ADHDは遺伝的要因が非常に高い。
- ADHDの一親等の家族(父親、母親、子供、兄弟姉妹)はADHDの発症リスクが高い。
んがしかし、未だによく分かっていなかったのが、他の精神障がい(精神疾患)や発達障がいリスクとの関係です。例えば、統合失調症、双極性障害、大うつ病、自閉スペクトラム症(ASD)なんかですね。そこで今回調べてみることにしたんだとか。
この研究は「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」の記事に度々登場した台湾の国民健康保険のデータベースを使ったというもの。まず2010年のデータを使い、そこからADHDの方をピックアップしていったそうな。
すると、
- ADHDの子供を持つ父親・母親:220,966人
- ADHDの子供の兄弟姉妹:174,460人
- ADHDの親の子供:5,875人
が見つかったとのこと。
この方々と一親等の家族にADHDを持つ方がいない対照群を比較して追跡調査を行ってみたらしい。
結果、ADHDと診断された方の一親等の家族(父親、母親、子供、兄弟姉妹)は対照群よりも、精神障害リスクが高かったそうです。
ちょっと詳しく見てみると、
- 統合失調症:1.69倍(RR1.69)
- 双極性障害:2.21倍(RR2.21)
- 大うつ病:2.08倍(RR2.08)
- 自閉スペクトラム症(ASD):4.14倍(RR4.14)
- ADHD:6.87倍(RR6.87)
って感じだったそうです。
先行研究の結果を踏まえると、一番高いのがADHDの約7倍ってのは納得ですね。また近しい障がいであるASDが次に高い約4倍ってのも納得かと。それと精神障がいリスクも高くなるみたいで大体2倍ぐらいみたいですね。
個人的考察
これらを見る限り、ADHDの方の支援って本人だけでなく、近しい家族の支援もセットでしていくことが重要だと言えますね。