マインドフルネス認知療法の基本「呼吸瞑想」ってどうやるの?
呼吸瞑想ってなに…?
呼吸瞑想は身受心法に則った最古の歴史をほこる瞑想法の一つ。名前の通り呼吸に意識を集中するのが呼吸瞑想です。いわゆるサマタ瞑想(フォーカストアテンション)の一つで呼吸を使って注意の持続と注意の転換を繰り返します。もう少し具体的に言うと、今この瞬間(呼吸)に注意を向け(注意の持続)、注意が途切れたら(呼吸から意識がそれたら)それに気づきそっと注意を戻す(呼吸に意識を戻す)こと(注意の転換)を繰り返すって感じですかね。
因みにこれがある程度できるようになったらヴィパッサナー瞑想(注意の分割)に進みます。
呼吸瞑想のやり方
では、呼吸瞑想のやり方を書いていきます。…っとその前に、色々これから書いていきますが、全部完璧にやる必要は全くございません。そもそも気合を入れてやるものではないので(かえって逆効果)、あ~やるか~くらいの気持ちでやるのがよろしいかと思います。
ではまず姿勢等の準備から…。
- 床に座る(イスでもOK)
- リラックスして座る
- 最終的には座布(座禅布団)を使いたい(眠気防止)
- 座り方は結跏趺坐(けっかふざ)・半跏趺坐(はんかふざ)・胡坐(あぐら)のどれでもOK(イスの場合は普通に座る)
- 背筋を伸ばす(重要。集中する為。眠気防止の為)
- 座布ではおへそを前に突き出すイメージを持って座ると良いらしい
- 目は閉じても閉じなくてもOK。(個人的には閉じる方がおすすめ)
- 目線は下の方に向けるといい。目の開閉に関わらず視線は前方1,2メートル先を見るイメージ
- 手の位置もどこでもOK(手を組んでも(法界定印(ほっかいじょういん)でも)、手の平を上に向けて膝の上に置いてもOK)
- 静かな部屋が良い
- できれば部屋は暗い方が良い
出来ましたか…?
次に実際に行っていきます。
- アラームをセットする(スマホのアラーム機能やキッチンタイマーでOK)
- スイッチを入れてスタート…!
- 呼吸は鼻から吸って鼻から吐く
- 最初に深呼吸を行い、鼻の意識を集中させる場所を決める
- 息を吸うときは鼻の穴から1cm程、中に入ったあたりが感じやすい
- 息を吐くときは鼻の穴と外の境界線あたりが感じやすい
- 呼吸に意識を集中する
- 集中するといっても、頭で考えず、ただ呼吸を観察するって感じ
- 呼吸から意識がそれたらそっと戻す
- アラームが鳴るまでひたすら「呼吸に意識を集中する→それたらそっと戻す」をくり返す
てな感じ。
更にコツっぽい物を書いておくと、
- 過去の後悔が湧き出てきたら観察し、そっと意識を呼吸に戻す
- 未来の不安が湧き出てきたら観察し、そっと意識を呼吸に戻す
- 暇だと思ったら、その心を観察し、そっと意識を呼吸に戻す
- 何分経ったんだろうと思ったら、その心を観察し、そっと意識を呼吸に戻す
- あと何分で終わるんだろうと思ったら、その心を観察し、そっと意識を呼吸に戻す
- アラームが鳴るのが待ち遠しくなっても、その心を観察し、そっと意識を呼吸に戻す
- 顔がかゆいと思ったら、その心を観察し、そっと意識を呼吸に戻す
- 意識はそれてもいい。そもそもそれる物。それすら観察し、そっと意識を呼吸に戻す
- 呼吸から意識がそれたことに気付くのも重要
- 鼻孔(鼻の穴)は右側と左側のどちらが通りやすいか観察する
- 鼻から吸っているな~…。鼻から吐いているな~…。を意識する
- どうしても呼吸に意識を集中できなければ呼吸を数える。半端な数(17とか23とか)を決めて数える。最後までカウントしたら1から数え直す。あくまで補助輪の為、慣れたらしない方が良い
- 思考を観察し(客観視)、呼吸に意識を戻し続けるのが呼吸瞑想
- 頭の中に自然と湧き上がる思考(自動思考)と、意識して思い浮かべた思考の違いを区別できるといい
- 気合を入れてやるものではない。あ~やるか~くらいの気持ちでやるのがちょうどいい
といったところです。
個人的考察
瞑想経験が長くなると呼吸がゆっくりになると熊野先生はおっしゃっておりましたが、1年続けてみて気付いたのが、確かにゆっくりになっているんですよ…!何をこんなに焦って呼吸をしているんだろう…?みたいな感覚があるんですよね~。
参考文献
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