個別支援計画を作成する際になかなか良い長期目標や短期目標が作れない!って時におすすめな「後方プランニング」
個別支援計画を作成する際に長期目標や短期目標を設定すると思いますが、なかなか良い目標が作れない…!って時がありますよね…?
そこで役立つ方法が後方プランニングとなります。
後方プランニングってなに…?
後方プランニングとは目標(ゴール)から現在に遡りつつ、計画を立てていく方法のこと。余談ですがSFA(ソリューションフォーカストアプローチ)の考え方にもこの後方プランニングが活かされていますよね~。
そしてプランニングには、前方プランニングっていう皆さんが良くやる方法もあります。こちらは現在から目標(ゴール)に向かって計画を立てて行くっていう、まぁ、普段行う計画の立て方ですね。
2つのプランニングのイメージは下図な感じ。
んで、どっちの方が良いのか…?ってのが気になりますよね。
一般的には、前方プランニングを使用する場合が多いのですが、実は後方プランニングの方が、
- モチベーションがアップした
- プレッシャーが減る
- 目標達成率が高くなる
って傾向があるんだそうな。つまり、後方プランニングを使った方が良いってことですね。普段無意識にやっていることも少し方法を変えるだけでこんなに違いがあるんですね~。勉強になりますなー。
研究でも後方プランニングの方が良いよ…!って結果が出ている
2017年のアイオワ大学の研究によると、学生に協力をお願いし、5つの実験で前方プランニングと後方プランニングを使って計画を立ててもらったんだとか。計画の効果は、
- 学校の宿題の提出率
- 期末テストの結果
- 試験の理解力
- 仕事の面接の結果
なんかで調べたんだそう。
それらで分かったことは、
- 難易度の低い目標(ステップが2,3ぐらいの目標)では、違いはなかった…。
- 難易度の高い目標(テストの計画など)では、後方プランニングの方がモチベーションがアップ…!更にプレッシャーが減り、目標達成率もかなり上がった…!
- 後方プランニングで計画を作る際、研究者が作っても学生が作っても目標達成率が上がった…!
という結果だったそう。つまり、難易度が上がれば上がるほど、後方プランニングは威力を発揮するみたいですし、人が作ったものでも目標達成率は上がるみたいなんですよね。
研究者も、計画をしっかり立てることの大事さは以前から分かっていたけど、立て方によって目標達成率がどう変わるのかはあんまり分かっていなかった。今回の実験で、少し計画の立て方を変えるだけでもここまで大きな違いが出ると分かったとおっしゃっております。
因みに後方プランニングがなぜ前方プランニングより効果があるのかですが、色々な説があるそうな。今回の研究者は、
- 目標から遡って計画を立てて行く
- 目標に具体性が生まれる
- 結果、モチベーションがアップする
という説を考えているそう。また、前方プランニングの場合だと、目標達成までの障害が目立ってしまい、その時点でやる気が失われていくのではないかとも考えているみたいです。
個人的考察
以上、後方プランニングでした。
利用者さんが目標や計画を上手く作れない際に支援者が代わりに作って、本人に実践してもらっても効果がありそうなんで非常によろしいのではないかと思います。
是非、ご活用ください。
最後に今回もそうでしたが、以前から書いている通り大事なのは目標より計画です。下記が参考になるかと思いますので、気になる方はご覧ください。