有酸素運動は非常に大事でして、兎に角、良い効果がたくさんあるんですよ。でも、やり過ぎたらよくないのは、以前から書いている通り
では、健康に過ごすためには、どれぐらい有酸素運動をすれば良いの…?ってことで、非常に参考になる研究がありましたんでご紹介しておきます。



ランニングについて55,137人を15年間調べた結果の指標は…。

2014年のアイオワ州立大学エイムズ校などの研究によると、ランニングは人気のある運動だけど、長期的にみたら死亡率にどれぐらい影響しているのか…?ってことについて調べたそうです。
具体的には、18歳~100歳(平均年齢44歳)の成人55,137人を対象にして、ランニングと死亡リスク及び心血管による死亡リスクとの関係性を調査したとのこと。
平均追跡期間は15年間で、その間、延べ3,413人の方が亡くなり、また、1,217人の方が心血管系で亡くなったそうです。なかなかのサンプル数と期間ですね~。
んで、普段からランニングする人とそうでない人を比較した結果、ランニングをする人は、

  • 死亡率が30%も低かった…!
  • 心血管系の死亡率が45%も低かった…!

とのこと。
そして、ここからが大事で、なんでも、1日5分〜10分、時速6マイル(時速9.66km)未満で走っても、死亡率&心血管疾患率が著しく低下していたんだとか。そして、ランニングを習慣にしていることが最も重要なポイントだったとのことです。
つまり、

  • 1日1回、時速10kmで5分から10分間ランニングをする習慣化ができると健康的に暮らせる…!

ってことになりますね。
これなら時間も短いんで長時間の有酸素運動に当たりませんし、バッドステータスも喰らわずに済みそうなんで良い感じ。健康に過ごすための有酸素運動(特にランニング)の指標として行きたいですね~。
それと、じゃあ20分ランニングで更に死亡率がダウンするぞ…!って話にはならないそうです。やはり、やればやるほど良いってわけではないみたいです。



先人たちはどれぐらい運動していたのか…?

元々人間はどれぐらい運動していたのか…?ってことで、先人たちの運動方法を守っている狩猟採集民の研究がありましたんでご紹介しておきます。
2006年のルイス・リーベンベルク博士の研究によると、ボツワナ共和国のカラハリ砂漠に住む狩猟採集民族サン人(ブッシュマン)の生活を調べたそうです。具体的には6年間かけて、サン人の1日の移動距離や時間、速度を調査したらしい。
んで、まず大きな結論としてサン人(狩猟採集民)は、獲物を求め多くの時間を移動し続けていたそうです。最高気温は約39度から42度の中、歩き回るそうでなかなか大変なご様子。そのため、狩りの前にできるだけ水を飲んで出発するんだとか。更に詳しいデータは以下のようだったとのこと。

  • 移動距離(km):時間、平均速度(km/h)
  • 31.0km:5時間05分:6.0km/h
  • 35.0km:3時間35分:10.0km/h
  • 25.5km:4時間06分:6.2km/h
  • 33.0km:4時間57分:6.6km/h
  • 17.3km:3時間40分:4.8km/h
  • 20.5km:4時間52分:4.2km/h
  • 35.2km:6時間38分:5.3km/h
  • 25.1km:3時間50分:6.3km/h

つまり、1日のうち平均3~5時間ほど狩り(運動)をしているみたい。更に移動速度は時速6kmぐらいみたいなんで、これを踏まえると会話が楽に出来るぐらいのランニングスピードで運動すれば良い感じですね。
また上記時間には移動以外にも狩りの獲物を観察し、静かに近づいていく時間とかも含まれているそうなんで実際は座らず立っている時間と言えるかもしれません。
因みに以前に紹介したようなランニングのデメリットは最大心拍数の約70%程度(息が上がりハァハァ言うくらい)を基準に実験が行われていることが多いので、思った以上にゆっくり走って良さそうな感じがしますね~。

因みにゆっくり走ると言えばスロージョギングが有名かと思います。例えば「90秒 スロージョギング・ダイエット」によれば、スロージョギングは時速7kmぐらいだそうで、これで心肺機能や脳細胞がアップするとのこと。
つまり、時速6~7km当たりのスピードを維持してランニングするのがベストなのかな~と思います。
ということで、まとめると、ランニングするなら思った以上にきつい状態でやらなくてOKっぽいです。ハードルが低くて良いですねー。
まぁ、個人的にはランニングよりも有酸素運動はメリハリのある方が良いような気がしていますんで、私はこれからもHIIT+ウォーキングで行くと思いますが…。



ジョギングはゆる~くやるのがベスト…!やり過ぎは座りっぱなしの人と同じぐらい寿命を縮める…!

2015年のコペンハーゲン市心臓研究前向きコホート研究によると、長期にわたるジョギングのペースや量、頻度が死亡率とどう関係しているのか調べてみたそうです。研究はコペンハーゲンに住む5,048人の男女を対象にしたそうで、そのうちの1,098人は普段からジョギングを行っている人、残りの3,950人は普段ジョギングをしない人だったとのこと。
んで、普段の運動レベルに応じて、以下の4グループに参加者を分けたそうな。

  1. ほぼ座りっぱなしグループ:読書、テレビ、映画鑑賞を行っており、運動は週2時間未満のウォーキングやサイクリングなどの軽い運動のみ
  2. 軽い運動グループ:週2〜4時間の軽い運動(ウォーキングやサイクリングなど)を行っている
  3. 普通運動グループ:週4時間以上の軽い運動、又は週2〜4時間の運動(早歩きやスピードを上げたサイクリング、本格的な園芸など汗をかいたり体力を消耗するスポーツ)を行っている
  4. 激しい運動グループ:週4時間以上の激しい運動、又は週に数回の定期的な激しい運動、競技スポーツ参加を行っている

また、1週間のジョギングの量や頻度、ペースについても合わせて質問したみたい。但し、この研究の参加者は20歳〜95歳と年齢層の幅が非常に広く、当然体力のレベルも大きく違うので、ペースの区分けは強度によって分けたそうです。
因みにペースは軽いジョギング、中程度のジョギング、激しいジョギングの3パターンに分けたそうで、それぞれの具体的な強度はこんな感じ。

  1. 軽いジョギング:時速約5マイル(時速約8km、約6METs)、週3回以下で週2.5時間未満
  2. 中程度のジョギング:時速約5マイル(時速約8km、約6METs)、週3回以下で週2.5時間以上・時速7マイル以上(時速約11.2km以上、12METs以上)、週3回以下で週4時間以下・時速約5マイル(時速約8km、約6METs)、週3回以上・時速7マイル以上(時速約11.2km以上、12METs以上)、週3回以上で週2.5時間未満
  3. 激しいジョギング:時速7マイル以上(時速約11.2km以上、12METs以上)、週4時間以上又は週3回以上で週2.5時間以上

上記内容で12年間追跡した結果が以下となります。

  • 全ての死亡率とジョギングの強度との関係はU字型だった…!
  • ほぼ座りっぱなしグループと比較すると、週1〜2.4時間のジョギングを行っている人が一番死亡率が低かった…!
  • ジョギングのベストな頻度は、週2〜3回か、週1回以下だった…!
  • ジョギングのベストなペースは、時速約5マイル(時速約8km、約6METs)だった…!
  • つまり、死亡率が最も低かったのは(ベストなジョギング方法は)、軽いジョギングだった…!
  • 中程度のジョギングは軽いジョギングの人と比較して死亡率が明らかに高かったが、それでもほぼ座りっぱなしグループよりも低かった…!
  • しかし、激しいジョギングの人はほぼ座りっぱなしグループと統計的に死亡率の差がなかった…!

やっぱりジョギングはゆる~くやるのがベストなんですねー。それとジョギングのやり過ぎは運動を全くしていない座りっぱなしの人と同じぐらい寿命を縮めるみたいなんで、この辺も気を付けていきたいところですね。
余談ですがこの研究はJACC(米国心臓病学会誌)に掲載された査読論文なんで、なかなかの信頼度となっております。
上記でご紹介した内容も踏まえると、やっぱスピードはゆっくりで良さそうな感じ。



個人的考察

是非、健康の為に運動をしたい…!走りたい…!って方は上記を参考にしてみてはいかがでしょうか…?
個人的にはこれを見るにやっぱり、HIITSITなどのように、有酸素運動は短時間で負荷を強めにして行うのが健康に良さそうだな~という印象でした。