昨日、外向性=社交性じゃないぞ…!って話をご紹介しました。
よく外向性は人との関わりがメインと思われがちですが実際は目立ちたいかどうかや報酬の反応度の方がポイントなんだ…!って話ですね。そして最後の方で、目立ちたいが裏目に出ると犯罪に走るかもしれないしね~みたいなことも書きました。
今回はその辺の話の研究でして、外向性が高いと本当に悪目立ちしたくなるのか調べた研究をご紹介します。



神経症的傾向と外向性が高いと犯罪する可能性が高い…!

2004年のジョンズ・ホプキンス大学の研究によると、性格と犯罪・逮捕の関係について調べてみたそうです。
先行研究で反社会性パーソナリティ障害の人は犯罪を犯しやすいってのは分かっていたんですが、そこまで極端な性格ではない一般的な性格の特徴の範囲内で犯罪・逮捕との関係性がどうなのかってのは分かっていなかったんですよね。
そこで研究者たちは、縦断研究の成人サンプルを使ってこの関係性をチェックしてみたそうな。具体的には、

  • 1993~1999年にかけて行われた疫学研究を用いた
  • 1981年にアメリカメリーランド州ボルチモアで最初にインタビューした参加者を再検査してみた
  • 1981~1993年までのメリーランド州における犯罪履歴は、州の刑事司法データベースを用いてチェックした
とのこと。
サンプル数は611名の男女でして、年齢は30~87歳、男性が230名(38%)、女性が381人(62%)って感じだったらしい。因みに性格はビッグファイブでチェックしたそうです。
最後に年齢や性別、人種、アルコールの有無、薬物の有無、極端な性格の有無などの変数を調整し、データを統計処理した結果、逮捕歴のある方の性格特徴はこんな感じとなっておりました。

  • 神経症的傾向(特に怒りと衝動性)が高かった…!
  • 外向性(興奮を求める)のスコアが高かった…!
  • 協調性(特に愛想の良さ、信頼感、率直さ、遵守、謙虚さ)が低かった…!
  • 誠実性(特に忠実さと深く考える)が低かった…!

つまりメンタルが不安定な目立ちたがり屋は犯罪を犯す可能性が高いと。またみんなと仲良くできず不真面目な方の場合が多いみたい。まぁ、納得の結果ですな。
更にこの研究では逮捕歴のない方の性格特徴も調べているんですが結果は、

  • 性格特性は全て平均の範囲に収まっていた…!

とのこと。特徴がなかったみたいですね。



個人的考察

外向性が高いデメリットとして犯罪を犯す可能性が高くなるって感じでした。
もちろんこれは外向性のダークな側面をフォーカスしていますんで外向性が高いイコール犯罪者では全くありません。ここで学びたいのは外向性の高さもしっかり良い方向に活かしていきたいよな~ってことですね(それと内向性も捨てたもんじゃないよ~ってことも)



参考文献