んで昨日の結果は、以前の研究結果とは違い、コーヒーをたくさん飲んでも認知機能低下や認知症のリスクを減らすことはできなかったんですよね(アルツハイマー病リスクは同じく低下していた)
では、ここが結局どっちなのか今回別の研究を見てみましょう…!



この観察研究のメタ分析ではカフェインと認知障害リスクは関係なかった…!

2015年の韓国国立がんセンターの研究によると、コーヒー・紅茶によるカフェイン摂取が認知障害リスクと関係あるのか調べてみたそうです。
そもそもコーヒー・カフェインと認知障害を調べた先行研究はいくつもありまして、例えば、


という感じで系統的レビューやメタ分析もいくつもございます。しかし観察研究の結果は一貫していなくてバラバラなんですよ。ってことで今回研究者たちは既存の研究結果をまとめてみよう…!となったみたいです。
具体的には、2014年9月までに発表された先行研究をPubMed&Embaseというデータベースで検索した感じでして、参考文献なんかも手動でチェックしていった結果、293件もの研究があったそうな。続きまして、この中から重複している研究や質の低い研究なんかを除外していったそうで、最終的には20件の研究が選ばれたとのこと。
因みにこの20件の研究の内訳は、


って感じ。
20件の研究のまとめとしては、

  • 総サンプル数:31,479名
  • 平均年齢:71.9歳(年齢範囲:45~108歳)
  • 女性の割合:51.8%
  • 平均追跡期間:平均8.4年

となっておりました。
また20件の研究ですが、中国、フィンランド、ポルトガル、アメリカ、オーストラリア、カナダ、フランス、ノルウェー、台湾、イギリス、日本、ヨルダンと割といろんな国・地域からピックアップされております。日本からも2件選ばれていたのが嬉しいですな。因みに2件の研究は2006年の東北大学の研究2014年の金沢大学の研究なので気になる方はリンク先をご覧ください。
ではこれらをメタ分析した結果を見てみましょう…!
まず大枠ですが、

  • カフェイン摂取と認知症やアルツハイマー病、認知障害、認知機能低下リスクに有意さはなかった…。

とのこと。う~む…。またしても残念な結果ですね…。
次にサブグループの内訳もチェックしておきます。カフェイン摂取量の効果サイズは、

  • 認知症=0.72
  • アルツハイマー病=0.78
  • 認知機能低下=0.99

となっておりました。認知症とアルツハイマー病に関しては希望が持てそうな様子ですね。
更にコーヒー摂取量の場合はどうか…?ってことで関係を見てみると0.83だったそう。但し、認知障害に対するコーヒー摂取量については、横断研究=0.70、症例対照研究=0.82、縦断研究=0.90って感じ。



個人的考察

このメタ分析ではコーヒーや紅茶から摂取するカフェインと認知障害リスクは関係ないという、おやまぁな結果だったってことですね。残念ですな…。
但し、この研究は観察研究のみを対象としておりますんでまだまだ確定とはいかないところ…。



参考文献