お気づきの方もおられるかもしれませんが、11月の毎週木曜日は知的障がいの方やダウン症の方の運動効果の研究をご紹介しております。
詳しくは、

をご覧いただきたいのですが、どうやら障がいがあろうがなかろうが運動効果は万人に適用されるっぽいんですよね。まことに嬉しい限りです。
そして今回は、知的障がいの方の運動による不安軽減効果の追試の話となっております。また、運動が不安感に効いた場合、期間が短期間でいいのかもチェックしていて参考になるんですよね。
ということで早速見ていきましょう…!



運動の不安軽減効果は短期間で出る…!時間の経過とともに効果はアップする…!

2012年のパドヴァ大学RCTによると、知的障がいの方を対象に運動で不安感が減るのか調べてみたそうです。
そもそも先行研究により知的障がいを持つ方は、高レベルの不安を抱えていることがよくあると報告されております。一方で運動は不安感の軽減に役立つ…!という研究結果もございます
んがしかし、知的障がいの方々に対して運動がもたらす不安軽減効果を調べた研究はこの時点で1件(以前紹介した2009年のネゲヴ・ベン=グリオン大学のRCT)しかなかったんですよね。しかもこの研究の実験期間は6ヶ月間だったので、ちょっと効果が出るまで時間がかかる可能性もございました。
そこで研究者たちは、知的障がい者が運動した場合の不安軽減効果が本当か確かめつつ、更に短い期間でも効果が出るのかも併せてチェックしてみたそうです。
ということでまず研究者たちは、イタリア北東部にある知的障がい者の施設に通う成人に協力を依頼したそうな。すると男性16名、女性11名の計27名が参加をしてくれることになったらしい。
この27名は全員、成人の知的障がいの方々でIQは軽度から中度ぐらいだったそうです。また、自閉症スペクトラム障害(ASD)や不安障害や抑うつ障害の診断を受けている方、運動をすることが禁止されている方は含まれていなかったみたい。
んで実験は参加者全員を以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. 運動グループ
  2. コントロールグループ

期間は12週間でして、併せて主観的な不安感などもスケールでチェックしたそうです。
結果、

  • 運動グループの人たちは、コントロールグループの人たちよりも、不安感のスコアが時間の経過とともに大幅に減少していた…!

とのこと。
つまり、先行研究の結果同様、やはり知的障がいの方も運動で不安感が減少、更に短期間で効果は出るみたいで、続ければ続けるほど効果がより大きく出たみたいです。



個人的考察

知的障がいをお持ちの方で不安になりがちな方がいましたら、ぜひ運動を進めてみてほしいな~と思いました。



参考文献