【加筆内容】知的障がいを持つ成人の運動効果はどうなのか?
先週ご紹介したゲント大学の研究は知的障がいを持つ14~22歳の若者を対象としておりましたが、実はゲント大学はほぼ同時期に成人を対象とした運動効果も調べているんですよね。
成人の知的障がいの方も週2日1日70分間の有酸素運動+筋トレで良さそう…!
2011年のゲント大学の研究によると、成人の知的障がいの方を対象に有酸素運動+筋トレの効果を調べてみたそうです。
この研究はベルギーにある2か所の知的障害センターに協力をお願いしたものでして、参加者は平均IQ56の知的障がいの成人45名とのこと。因みに平均年齢は42歳、平均BMIは24だったそうな。
この45名を以下の3グループのいずれかに振り分けたみたい(年齢や性別、IQなんかはグループ間で同じぐらいになるよう調整済み)
- 有酸素運動+筋トレグループ:15名
- 有酸素運動のみグループ:15名
- 運動なし(対照群)グループ:15名
有酸素運動+筋トレグループと有酸素運動のみグループに割り振られた人は、週2日、1日70分間で運動をしたとのこと。実験期間は20週間でして、代謝や体力に及ぼす影響を測定して違いが出るかチェックしたそうです。
まず有酸素運動+筋トレグループ・有酸素運動のみグループと運動なしグループを比べた結果はこんな感じ。
- 有酸素運動+筋トレグループは運動なしグループに比べ、コレステロールが改善した…!心肺機能がアップした…!筋力がアップした…!安静時の最高血圧が改善した…!
- 有酸素運動のみグループは運動なしグループに比べ、心肺機能がアップした…!安静時の最高血圧が改善した…!
運動していないよりも運動している方が良い結果が出たのはもちろん、やはり筋トレしている分、有酸素運動+筋トレグループの方が良い結果が出ていますな。
続いて有酸素運動+筋トレグループと有酸素運動のみグループを比べた結果を見てみましょう。
有酸素運動+筋トレグループは有酸素運動のみグループに比べて、
- コレステロール(-18vs-3mg/dl)が改善していた…!
- 上半身の1RM(+6vs+1kg)がアップしていた…!
- 下半身の1RM(+25vs+8kg)がアップしていた…!
- 腹筋の1RM(+15vs+1kg)がアップしていた…!
- 握力の1RM(+9vs+2kg)がアップしていた…!
- 筋肉の疲れにくさ(+11vs+5秒)がアップしていた…!
- 立ち上がりテスト(+5vs+2.3秒)の成績が良かった…!
- 最高血圧(-15vs-10mmHg)が改善していた…!
とのこと。
やっぱ、有酸素運動も無酸素運動も両方取り入れた方が良さそうですね。
個人的考察
前回ご紹介した研究は、週2日1日50分間の有酸素運動+筋トレでOKって感じで、今回ご紹介した研究は、週2日1日70分間の有酸素運動+筋トレでOKってことなんで、知的障がい児・者など年齢に関わらず、週2日運動すればOKっぽいですね。時間については多少違いはありますが1日1時間ほどで良いんじゃないかと。
こう考えると、別に知的障がいがあろうがなかろうが関係なく、運動はこれぐらいのラインが良さそう…!って結論に落ち着きそうですね。まぁ、一番は続くことですし。