【加筆内容】プチ断食の健康効果について調べた初のアンブレラレビューのお話
プチ断食の健康効果について調べた初のアンブレラレビュー
2021年のチュラロンコン大学の研究によると、プチ断食の健康効果についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
そもそも断食を行うことによって、血糖値の改善、ストレス耐性の向上、体内炎症の抑制、オートファジーの発動などのメリットが受けられそうと先行研究で出ております。但し、これらの話のエビデンスレベルは謎だったんですな。そこで今回RCTのメタ分析を用いて初のアンブレラレビューを行ってみることにしたんだとか。
まず研究者たちは2021年1月12日までに発表された該当するRCTのメタ分析をPubMed、EMBASE、コクランで検索してみたそうな。
因みにここで検索された断食(プチ断食)の種類は以下な感じ。
- ゼロカロリー隔日断食:1日何も食べない(カロリーゼロ)の日と自由に食べる日を交互に設ける断食法(日替わり断食に近い)
- 修正隔日断食:週3~5日間、1日の総カロリー摂取量が0%~40%又は0~600kcalの日と自由に食べる日を交互に設ける断食法(こちらも日替わり断食に近い)
- 5:2ダイエット:週1~2日間(連続又は非連続)の1日の総カロリー摂取量が0%~40%又は0~600kcalの日で、残りの5日間は自由に食べる断食法。
- 時間制限食:1日12~24時間の断食を行う断食法(リーンゲインズ・16:8ダイエットみたいな感じ)
んで、最初の検索で合計2,935件の研究がヒットしたとのこと。次に重複している物や質の低い物を除いていったそうで、最終的に11件のメタ分析が選ばれたんだとか。因みにこの中には104個の関連性があったみたい。
ということでまずは大枠の結果をチェックしていきますかー。
- 104個中75個の関連性(72%)は非常に低いエビデンスレベルだった。
- 104個中22個の関連性(21%)は低いエビデンスレベルだった。
- 104個中6個の関連性(6%)は中程度のエビデンスレベルだった。
- 104個中1個の関連性(1%)は高いエビデンスレベルだった。
- 104個中28個の関連性(27%)は統計的に有意だった。
- そのうち(上記の28個中)の17個の関連性(61%)は非常に低いエビデンスレベルだった。
- そのうち(上記の28個中)の5個の関連性(18%)は低いエビデンスレベルだった。
- そのうち(上記の28個中)の5個の関連性(18%)は中程度のエビデンスレベルだった。
- そのうち(上記の28個中)の1個の関連性(4%)は高いエビデンスレベルだった。
う~ん。はっきり言えるものはかなり少なかったみたいですね。
上記の通り、中~高いエビデンスによって裏付けられた関連性が7個あったんですが、この中で統計的に有意だったのは6個だったそうです。
続いてその6個を見ていきましょう。
まずは高いエビデンスレベルの関連性1個から。
- 普通の食事に比べて修正隔日断食を1~2ヶ月行うと健康な体型・過体重・肥満に関わらずBMIが-1.20低下していた…!
どうやらはっきり言えるのは、BMIが減る…!ってことみたい。
しかも体型に関係なく減るのはすごいですね~。
次に中程度のエビデンスレベルの関連性5個を見てみます。
- 毎日のカロリー制限ダイエットと比べて修正隔日断食を2~3ヶ月行うと過体重・肥満の成人の体重が-1.65kg減少していた…!
- 毎日のカロリー制限ダイエットと比べて修正隔日断食を2~6ヶ月行うと肥満の成人の体重が-1.42kg減少していた…!
- 普通の食事又は毎日のカロリー制限ダイエットと比べてゼロカロリー隔日断食を1~2ヶ月行うと過体重・肥満の成人の脂肪量が-1.99kg減少していた…!
- 毎日のカロリー制限ダイエットと比べて5:2ダイエットを3~6ヶ月行うと過体重・肥満の女性の空腹時インスリンが-1.00mIU/mL減少していた…!
- 毎日のカロリー制限ダイエットと比べて修正隔日断食を2~6ヶ月行うと肥満の成人の筋肉量が-0.70kg減少していた…!
プチ断食の実践はなかなか良い感じでダイエットが進みそうですね。
個人的考察
上記結果のポイントをまとめてみると、
- プチ断食は特に肥満の成人の減量や代謝改善に効果がありそう…!
- 特に修正隔日断食と5:2ダイエットが良さそう…!
って感じになりましょう。
但し研究を詳しく見てみると、
- 肥満の参加者が5:2ダイエットを3ヶ月間行ったら体重が1.67kgも減っていたが、その後、6~12ヶ月間は体重が維持していた
- プチ断食の最初の6ヶ月間で筋肉量がわずかに減少していた
って話なんで、減量から体重維持への移行、筋肉量もちょっと減っちゃうかもですね。まぁ、仕方ないですが。
とはいえアンブレラレビューでダイエット効果が実証されたのは大きいので、気になる方は実践してみてもよろしいのではないでしょうか。