ADHDの方は依存症になりやすい…!って話を聞いたことがございませんか…?
今回は、実際どうなのか調べた研究をチェックしておきます。



ADHDと物質使用障害の併存リスク(二次障害リスク)

2015年のオーフス大学の研究によると、ADHDと物質使用障害の関係について調べてみたそうです。
もう皆さん耳タコだと思いますが、ADHDと物質使用障害ってのは以下のことを言います。

  • ADHD:注意欠陥多動性障害とか注意欠如多動性障害と言われる。子ども時代に発症する発達障がいの一種。主な特徴は不注意・多動性・衝動性。
  • 物質使用障害(SUD):○○依存症とか○○中毒と言われる。精神障がいの一種。アルコールや薬物、タバコなどに依存する。

この2つの関連性を男女別でチェックしたのが今回の研究です。
具体的には、1990年から2003年にかけてデンマークで生まれた全ての子ども729,560人を対象にしたそうで、そこからデータを統計処理してチェックしてみたんだとか。
早速結果を見てみますと、ADHDの人は、そうでない人に比べて、

  • アルコールの乱用:女性1.72倍(HR1.72)、男性1.57倍(HR1.57)
  • 大麻の乱用:女性2.72倍(HR2.72)、男性2.24倍(HR2.24)
  • その他の違法薬物の乱用:女性2.05倍(HR2.05)、男性2.42倍(HR2.42)

だったそうです。
海外の研究とはいえ、ADHDの人は依存症率が格段に上がるみたいですね。因みに全体的な推定値では男女差はなかったとのこと。
またこの研究では、二次障害を持っている人におけるパターンについても調べておりまして、結果は以下な感じでした。

  • うつ病、双極性障害、統合失調症のいずれか+ADHDの人は、そうでない人に比べて、物質使用障害リスクが更に高かった…!
  • 自閉症スペクトラム障害+ADHDの男性は、そうでない男性に比べて、物質使用障害リスクが低かった…!

ADHDの方が二次障害として精神障がいを持っていると、物質使用障がいリスクも高まるんですね。また、男性の場合のみ自閉症スペクトラム障害+ADHDの場合、物質使用障害リスクが低くなるみたい。



個人的考察

これらを見ると、全体的には、男女差なくADHDの人は依存症や中毒の二次障害リスクが高いみたいですね。また一部の物質使用障害は女性の方が男性よりもリスクが高いと。



参考文献