【まとめ】睡眠障害と片頭痛って関係あるの?
睡眠障害と片頭痛の関係について先行研究を見直ししてみた…!
そもそも睡眠障害と片頭痛の関係は、複雑で十分に分かっていないところがございます。ただ、片頭痛持ちは、片頭痛前と片頭痛中に睡眠不足を訴えることが多いんですな。また睡眠は、片頭痛の痛みを和らげる効果があると報告されております。一方で、片頭痛の睡眠は疲労感を感じさせることもあるとのこと。
こんな感じで関係ありそうなんで、今回先行研究を見直ししてみることにしたらしい。
そもそも人間はなぜ眠るのか…?
そもそも人間はなぜ眠るのか…?
この疑問の答えは実はよく分かっていなかったりします。こんなに身近で毎日行う行為なのに…。
ただ、睡眠、特に深い睡眠は、昼間の活動を回復させている可能性が高いみたい。また、睡眠は日中に蓄積された脳内の老廃物(アミロイドβなど)を掃除する機能を持つと考えられています。
つまり疲労回復や脳のお掃除の役割が睡眠だと思われているってことですね。
不眠症と片頭痛の関係
続いて本題である睡眠障害と片頭痛の関係について見てみましょう。まずは睡眠障害の中で最も一般的な不眠症との関係からです。
そもそも不眠症とは、十分な寝る時間があるにも関わらず、寝れない、寝てもすぐ目が覚めちゃう状態のことを言いまして、日中活動に悪影響を及ぼす状態と定義されております。
そして一般人口の約3分の1が不眠症の症状を持っていると言われ、また、一般人口の6%が慢性不眠症(少なくとも週3回、3ヶ月以上続く不眠症のこと)なんだとか。
そんな不眠症ですが、片頭痛の方は訴えることが多いんですよね。実際、睡眠効率(実際に寝ている時間の割合)や徐波睡眠(レム睡眠は睡眠が浅く、ノンレム睡眠は深い。このノンレム睡眠の中で更に深い眠りのことを徐波睡眠という)の量など、睡眠の質が低くなっているとも先行研究で出ているんですな。また頭痛が起きることによって寝ていたのに目が覚める…!みたいなパターンもあるとのこと。
一方で、睡眠中や朝の頭痛は、入眠潜時(眠りにつくまでの時間)や総睡眠時間にはっきりとした影響がないらしい。そのため、早朝や寝る前の不眠症を訴えるケースもあるそうな。そして早朝の片頭痛は加齢とともに増加し、20代ではわずか16%なのが60歳を超えると58%になるんだとか。高齢者は徐波睡眠が少なく、夜間の覚醒(夜に目が覚めること)が多いんで、これが原因か、又は加齢による睡眠機能の低下の可能性もあるそう。
最後に、片頭痛持ちにおける不眠症ってのは病院でも十分に認識されず、十分な治療も行われないことが多いみたいです。確かにただしっかり寝ましょうみたいなことを言われるだけかもですな。
対策としては、片頭痛持ちの不眠症の方に認知行動療法を行うと睡眠効率が改善し、頭痛頻度も減少するみたいです。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)と片頭痛の関係
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA:いわゆる睡眠時無呼吸症候群)は、睡眠時の無呼吸の兆しや関連する症状(眠気、疲労、不眠、いびき、主観的な夜間呼吸障害、観察される無呼吸)や関連する疾患(高血圧、冠動脈疾患、心房細動、心不全、脳卒中、糖尿病、認知機能障害、気分障害)に加え、機械による測定で睡眠1時間あたり5回以上の無呼吸が起こる場合を言います。また、関連症状や疾患がない場合は、1時間あたり15回以上の無呼吸が起こる場合となるんだとか。そんな閉塞性睡眠時無呼吸症候群ですが、よく見られる症状の朝の頭痛と覚醒時の頭痛は、低酸素血症(血中の酸素が少ない)や高炭酸ガス血症(血中の二酸化炭素が多い)に直接関係しているので、治療により改善するとのこと。
そして片頭痛と睡眠時の無呼吸の発生率は一般人口と同程度であると報告されているそうな。因みに閉塞性睡眠時無呼吸症候群の重症度でも違いは見られなかったらしい。意外ですね~。
つまり、睡眠時無呼吸症候群は片頭痛と関係なし…!頭痛があればそれは体内の酸素が少なく、二酸化炭素が多くなっているから…!って感じですね。
夢遊病と片頭痛の関係
夢遊病(睡眠時遊行症)は、寝ている最中、無意識に歩き回ったりすることを言います。実は、片頭痛のある子供の研究と成人の回想法(昔の経験や思い出を話し合う心理療法)の研究の両方で、片頭痛持ちにおける子供・子供時代の夢遊病の割合が高かったらしい。
因みに親の報告によれば、前兆のある片頭痛の子供の夢遊病率は13%、前兆のない片頭痛の子供や片頭痛のない子供の夢遊病率は約3%だったそうな。また頭痛持ちの成人を対象にした研究によると、片頭痛持ち(33%)は他の種類の頭痛持ち(5%)と比較して、子供時代の夢遊病率が高かったみたい。
まだまだ分からないものの、もしかしたら子供時代の睡眠問題って子どもや大人の頭痛、片頭痛に影響があるのかもですね。
歯ぎしりと片頭痛の関係
歯ぎしりは、片頭痛と併発することが知られている顎関節症と相関関係があるそうです。そのため、片頭痛持ちは歯ぎしりを訴えるケースが多いんだとか。
但し、その根本的なメカニズムははっきりしていないみたい。睡眠時の歯ぎしりは、慢性片頭痛の診断や反復性の片頭痛と関連し、一方で緊張型の頭痛とは関連がなかったらしいので、頭痛の種類によっても違いがあるのかも。
むずむず脚症候群(RLS)と片頭痛の関係
むずむず脚症候群(RLS)は、脚を動かしたいという衝動を抑えきれない病気の事を言います。んで、むずむず脚症候群と片頭痛の関係を調べた研究はまぁまぁありまして、その大多数では片頭痛持ちはむずむず脚症候群リスクが高いと出ているんですな。その効果サイズは症例対照研究で4.2倍(OR4.2)、コホート研究で1.2倍(OR1.2)とのこと。
原因はドーパミンじゃないかな~?って感じ。上手くドーパミンが分泌・制御がされていなくてそれが原因になっていると考えられているんですな。
因みに片頭痛持ちは悪夢を見る頻度の増加も報告しているらしいんですが、詳しくは不明とのこと。
ナルコレプシーと片頭痛の関係
ナルコレプシーは日中に強い眠気が繰り返し起こり寝てしまう病気。話している最中に急に寝てしまうこともあったりします。
そんなナルコレプシーですが片頭痛と関係があると出ている研究は限られているそうな。ある研究ではナルコレプシーの方は片頭痛の発生率の増加は見られず緊張型の頭痛の発生率が増加したと報告されており、一方で別の研究ではナルコレプシーの方は片頭痛の発生率が一般人口より多いと出ております。
そのため、よく分かっていないのが実情みたい。
因果関係と原因ってどうなの…?
因果関係について、睡眠と片頭痛に関する先行研究をレビューした結果、どうやら双方向の関係が見られそうとのこと。
但し、より詳しく見てみると、片頭痛と睡眠問題の間には共通した原因がありそうなんだとか。
その原因は、
その原因は、
- 視床下部に問題が起きている
- 神経伝達物質、神経ペプチド、ホルモンに問題が起きている
- 脳の老廃物除去機能に問題が起きている
などがあやしいらしい。
現時点ではここまで分かっている感じだそうです。
睡眠不足は片頭痛を起こすのか…?
睡眠不足で片頭痛が起きるのか…?片頭痛により睡眠不足が起きるのか…?
この問題は、実は複雑でよく分かっていないのが実際の所みたいです。
但し、原因の可能性として高そうなのが、睡眠、ネガティブな気分(抑うつと不安)、食欲、性機能、痛みなど、多くのヒトの行動に影響を与えるセロトニンらしい。またドーパミンもあやしいそうな。
睡眠はどのように片頭痛を止めるの…?慢性片頭痛の場合、睡眠効果が持続しないのはなぜ…?
一般的でありながら、あんまりよく分かっていないものの一つに、睡眠が片頭痛を止めることがあると言うことです。そしてもうひとつよく分からないのが睡眠が慢性片頭痛にはあまり効果が続かないってことです。ほんと睡眠って分からないことだらけですよね。
とりあえず可能性があるのが脳の老廃物除去機能のおかげかも…?ってことです。
寝ている間にアミロイドβみたいな脳のゴミをお掃除しているので、逆に言えば、睡眠障害ってのは脳のゴミの蓄積につながるんじゃないか…?それが片頭痛が起きる原因なんじゃないか…?って感じです。
片頭痛と睡眠障害の関係と対策について系統的レビューを行ってみた…!
2020年のラクイラ大学の研究によると、片頭痛と睡眠障害の関係と対策について系統的レビューを行ってみたそうです。
そもそも片頭痛と睡眠障害ってのは、併存するパターンが結構多く、単なる偶然ってだけじゃなさそうな感じなんだとか。
実際、先行研究では、
- 片頭痛持ちは非片頭痛持ちよりも睡眠の質が悪い…!
- 自己申告による睡眠の質の悪さは、片頭痛の頻度の増加や慢性化と関係がある…!
- 片頭痛の治療により、睡眠の質を改善する可能性がある…!
っていう結果が得られているらしい。
んがしかし、ここが摩訶不思議なところでして、正確な関連性は謎のままなんだとか。
ただ可能性としては、
- 因果関係は双方向にありそう(片頭痛により睡眠障害が起こる、睡眠障害により片頭痛が起こる、の両方が考えられる)
- 共通の病態生理学的メカニズムがありそう
っていう2つが関係してそうな様子とのこと。
また、最近の研究により、睡眠に重要な中枢神経系と神経伝達物質が特定されており、これらが上手く機能しないのが原因かも…?となっているそうな。例えば、オレキシン、メラトニン、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)、セロトニン、ドーパミン、アデノシンの分泌なんかですね。
こんな感じで実は、まだまだよく分かっていない片頭痛と睡眠障害の関係と対策について、今回現時点での研究結果をまとめてみることにしたそうです。
まず研究者たちは、1990年1月1日から2018年11月30日までに発表された該当研究をPubMedとScopusで検索してみたそうな。次にヒットした研究の中で被っている物を除外しつつ、基準に照らし合わせて精査していったらしい。その後、ピックアップできた研究から、各睡眠障害と片頭痛の関係をまとめてみたんだとか。
それではじっくり見ていきましょう…!
不眠症と片頭痛
不眠症は、年齢や人種を問わず、多くの方で発症する一方で、しばしば見過ごされがちな睡眠障害となっております。その発症率は、研究デザインや不眠症の定義によって異なるものの、
- 成人の3分の1から3分の2が不眠症の症状がある
- 成人の約10%から15%が慢性不眠症と診断されている
とのこと。めちゃめちゃ多いですね~。
そして片頭痛持ちはそうでない人に比べ、不眠症を訴えるケースが有意に高いんだとか。また、不眠症のある人はない人に比べ、片頭痛持ちの可能性が高いとも出ているらしい。つまり不眠症と片頭痛は双方向に関係がある…!ってことですね。
実際にデータでもそのリスクは見られまして、
って感じだったみたい。
- 頭痛なし・不眠症ありの人は、頭痛なし・不眠症なしの人に比べて、11年後に片頭痛を発症するリスクが1.4倍(RR1.4)高かった…!
- 片頭痛ありの人は、片頭痛なしの人に比べて、11年後に不眠症を発症するリスクが1.7倍(OR1.7)高かった…!
- 月7日以上の片頭痛がある人は、11年後に不眠症を発症するリスクが2.1倍(OR2.1)高かった…!
- 月6日以下の片頭痛がある人はに比べて、11年後に不眠症を発症するリスクが1.7倍(OR1.7)高かった…!
って感じだったみたい。
また不眠症は、片頭痛の痛みの強さ、痛みの衝撃、頻度、慢性化の増加とも関係していたそうです。更に従来から言われてきた、不安やうつ病とも関係があったらしい。また不眠症と片頭痛は不安やうつ病とは独立した双方向の関係にあるとのこと。
但し、これら関係性は片頭痛限定の話じゃない可能性があるそうで、頭痛の種類に関係なく、頭痛全般に言えるかもしれないとのこと。
対策としては、2017年の不眠症の診断と治療に関する欧州ガイドラインが参考になるとのことで、これによれば、
のが良いそう。
これらは、不眠症とそれに伴う併存症状の両方に効果があるそうで、また、成人における慢性不眠症の最初の選択すべき治療法としてオススメとのこと。やっぱ睡眠問題の治療法はここら辺がゴールドスタンダードなんですね。
また最近の研究によれば、不眠症に認知行動療法を使うと、
- 片頭痛の頻度の減少、痛みの強さの減少が改善した…!
- 慢性片頭痛が対照群よりも6.2日も減少した…!
って話もあるらしい。
それと片頭痛と不眠症の関係におけるメカニズムってのは、まだ完全には分かっていないそうな。
但し、
- 片頭痛は概日リズム(体内時計)に従っており、早朝または深夜にピークを迎える
- 片頭痛は、レム睡眠の時間に関係している可能性がある
- 片頭痛による夜間の中途覚醒は、レム睡眠中に起こりやすい
- 片頭痛とレム睡眠の時間の関係は、脳幹(中枢神経系)の機能不全の可能性を示している
- 慢性的な睡眠不足は、痛みの敏感さをアップさせ、頭痛の慢性化を促進する可能性がある
とのこと。
これらから、視床下部や脳幹の機能不全は、片頭痛と不眠症に共通するメカニズムの可能性があるそうです。
睡眠関連呼吸障害(SRBDs)と片頭痛
睡眠関連呼吸障害(SRBDs)は、睡眠中に異常な呼吸を繰り返すというもので、細切れな睡眠、体内の酸素の低下を引き起こします。その有病率は、中年の成人だと20%と推定されるそうで、特に男性に多く、女性よりも2~3.7倍もいるそうな。
そんな睡眠関連呼吸障害(SRBDs)の代表的なものと言えば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA:いわゆる睡眠時無呼吸症候群)でしょう。ご存知の通り、睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に気道が部分的(低呼吸)、又は完全(無呼吸)に閉塞しまして、これにより、酸素の低下と睡眠障害が起こっちゃうんですよね。
原因として最もありがちなのが肥満でして、発症と進行に深く関わっております。例えば成人人口における睡眠時無呼吸症候群の有病率は約25%と推定されておりますが、肥満者のみで推定すると驚異の45%に達するそうな。
また、軽度の睡眠時無呼吸症候群の人が体重の10%増量しちゃうと、進行リスクは6倍にアップしてしまうらしい。対して、体重の10%減量に成功すると睡眠時無呼吸症候群の重症度を20%以上も改善できる可能性があるんだとか。
そして睡眠時無呼吸症候群と片頭痛の関係についてなんですが、先行研究によると因果関係は確認されていないとのこと。
因みに、睡眠時無呼吸症候群の治療の鉄板であるCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)が直接片頭痛に効くのかは謎なものの、睡眠の質は改善するので、傍証となる感じ。
以上から、対策としては、適正体重(BMIが18.5~25.0kg/m2未満)にすること(つまりダイエット)を強くオススメするとのことです。
睡眠関連運動障害と片頭痛
睡眠関連運動障害は、睡眠中や睡眠前後に比較的単純で定型的な運動を特徴とする感じでして、最もメジャーなのは、むずむず脚症候群(RLS)でしょう。むずむず脚症候群(RLS)とは、脚を動かしたいという衝動がありまして、- 安静時やゆったりと活動していないときに不快な感覚を伴う
- 脚を動かしている間はその不快感が一部、又は全部が軽減する
って特徴があります。
そして主に夕方や夜に発症し、周期性四肢運動障害(PLMD:睡眠中に脚や腕が周期的に勝手に動く症状)と密接に関係があるみたい。
むずむず脚症候群の有病率は5.0%~14.3%って感じでして、むずむず脚症候群における片頭痛の有病率は12.6%~53.2%の範囲らしく、これはむずむず脚症候群のない人に比べて有意に高いそうな。一方で別の研究によれば、むずむず脚症候群における片頭痛の有病率は、同じ集団における片頭痛の有病率と比較して高くなかったらしい。
また、むずむず脚症候群と様々な頭痛を比べた研究を見てみると、
- むずむず脚症候群ありの片頭痛の有病率は12.6%
- むずむず脚症候群なしの片頭痛の有病率は8.0%
- むずむず脚症候群ありの全頭痛の有病率は54.4%
- むずむず脚症候群なしの全頭痛の有病率は49.8%
- むずむず脚症候群ありの緊張型頭痛の有病率は19.5%
- むずむず脚症候群なしの緊張型頭痛の有病率は23.0%
って感じで、むずむず脚症候群は片頭痛のみ関係がありそうな様子。
また、片頭痛持ちにおける、むずむず脚症候群の有病率は13.7%~25%の範囲でして、片頭痛のない人よりも有意に高いらしい。
そのため、むずむず脚症候群が片頭痛に与える影響は、片頭痛がむずむず脚症候群に与える影響よりも大きい可能性があるそうです。因みに関連性はドーパミンの機能不全があやしいとのこと。
まとめると、現時点では、むずむず脚症候群と片頭痛は双方向に関係ありそう…!但し、まだまだよく分からん…!って感じでした。
過眠と片頭痛
過眠は、夜間の睡眠障害や概日リズムの異常によって引き起こされるのではなく、つまり夜、問題なく寝れているのに日中過度の眠気があるのが特徴です。日中の過度の眠気という主観的な訴えであり、これを抑えきれない睡眠欲求を毎日感じる、または実際に日中に眠ってしまうことと定義されているんだとか。代表的な障がいはナルコレプシーでして、その推定有病率は0.025%~0.05%とのこと。発症年齢は幼少期から50代までと幅広く、最初のピークは15歳、次のピークは35歳らしい。
そんなナルコレプシーですが片頭痛との併存疾患は割とよく知られているそうな。そして既存のエビデンスによると、その関連性や因果関係はまだ不明みたい。但し、なんとなく可能性として考えられるのはオレキシン系なんだとか。
概日リズムの乱れによる睡眠障害と片頭痛
概日リズム(体内時計)の乱れによる睡眠障害は、言葉の通りでして、その主な原因は内因性によるものと社会的・物理的環境によって起こるケースが多いそうな。そして睡眠覚醒リズムの乱れの慢性や再発の状態になるものを言うとのこと。因みに代表的な仕事はシフト制による勤務や夜勤、徹夜がある仕事ですな。そんな概日リズムの乱れによる睡眠障害と片頭痛は関係がありそうでして、例えばノルウェーで行われた横断研究によると、交代制勤務のある看護師とそうでない看護師を比べてみた結果、交代制勤務のある看護師は、月1日以上の頭痛、片頭痛、慢性頭痛の有病率が高かったそうな。またそれぞれのリスクは、月1日以上の頭痛が2.04倍、片頭痛が1.60倍、慢性頭痛が2.45倍って感じだったらしい。
但し、研究数が自体が少ないことや定義や方法論が様々ある事から、まだまだ片頭痛との関係はよく分からないんだとか。
睡眠時随伴症と片頭痛
睡眠時随伴症は、睡眠に入るとき、睡眠中、または睡眠から覚醒するときに起こる、望ましくない複雑な動きや知覚、行動、感情、夢、自律神経系の活動を特徴とする睡眠障害の一種とのこと。これは本人や一緒に寝ている家族の睡眠の質を下げる可能性があるそうな。代表的なのとしては、夢遊病(睡眠時遊行症)でして、これは寝ている最中に無意識に歩き回ったりするのを特徴としております。そして夢遊病と片頭痛の関係は割と一致しておりまして、関係性は高そうな感じなんだとか。
但し、睡眠時随伴症も研究数が少ない為、特に成人における関係性の強さと種類は良く分からないみたい。
個人的考察
睡眠自体、分かっていないことが多いんで、睡眠障害と片頭痛の関係も分からないことが多かったりします。
ただ、少ないながらも分かっている事、分かってきつつある事があるのもまた事実です。
そして上記を見ると対策もいくつか取れそうなんで、もしこれらに該当する方は医師と相談の上、セルフチェックして自分の効く対策を探すのがよろしいのかな~と思いました。