【まとめ】精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか?
先週まで毎週月曜日は「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」ってシリーズを見ていました。
実はこの記事を毎週書いていた時、もう一つ書きたい内容の記事があるんだよな~と思っていたものがありまして…。
それは精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか…?って研究のお話です。寿命の研究同様、あまり話題にしづらい内容なんですが、実は結構研究が行われているんですよね。そして支援で気になるシーンがあるのも事実でしょう。
大うつ病又は双極性障害を発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのかメタ分析を行ってみた…!
2014年のニューサウスウェールズ大学の研究によると、大うつ病又は双極性障害を発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのかメタ分析を行ってみたそうです。
そもそも先行研究により、大うつ病と双極性障害は、強い家族性を持つことが示唆されておりました。
例えば、大うつ病又は双極性障害のどちらかを発症した方がいた場合、一親等の家族は感情障害を発症する確率が高まるとのこと。
また、双子研究から遺伝要因も示唆されておりまして、
- 大うつ病:33~48%
- 双極性障害:79~83%
と推定されております。
これらが相加的に、又は環境要因も重なって、大うつ病又は双極性障害が発症していると考えられているんですな。ただ、今までメタ分析が行われていなかったんで、この度調べてみることにしたらしい。
まず研究者たちは、1977年から2011年7月までに発表された該当する研究をMEDLINEとEMBASEで検索してみたそうな。また手作業でも探してみたらしい。すると最初の検索で合計241件の研究がヒットしたそうな。また手作業でも2件見つかったらしい。次にこの中で被っている研究を除外しつつ、更に各研究の質をチェックしたそうです。
最終的に選ばれた研究は22件でして、これらを基にメタ分析を行ったんだとか。
気になる結果は以下のような感じでした。
- 一親等の家族に大うつ病患者さんが1人いた場合と健康な人を比較した場合の大うつ病発症リスクは2.14倍(OR2.14)だった。
- 一親等の家族に大うつ病患者さんが2人いた場合と健康な人を比較した場合の大うつ病発症リスクは3.23倍(OR3.23)だった。
- 一親等の家族に双極性障害患者さんが1人いた場合と健康な人を比較した場合の双極性障害発症リスクは7.92倍(OR7.92)だった。
- 一親等の家族に双極性障害患者さんが2人いた場合と健康な人を比較した場合の双極性障害発症リスクは6.58倍(OR6.58)だった。
つまり、大うつ病も双極性障害も強い家族性があるってことですね。
強迫性障害における二次障害リスク・家族のリスクについて調べてみた…!
2015年のカロリンスカ研究所の研究によると、強迫性障害における二次障害リスク・家族のリスクについて調べてみたそうです。
ではまず強迫性障害ってのがなんなのか軽く復習しておきましょう。
2013年のアメリカ国立衛生研究所のレビュー論文によると、強迫性障害(OCD)とは、ずーっと勝手に湧き出てくる無意味な思考(いわゆる強迫観念)と、何度も繰り返してしまう意図的な行動(いわゆる強迫行為)を特徴とした精神疾患です。
強迫性障害を持つ方は、一般的に自分の思考や行動がいきすぎで意味がないと分かっているんで、それに対抗しようと悪戦苦闘する傾向があります。また、強迫性障害を持つ方の家族は非常にストレスが溜まる事でも有名です。
因みに世界における強迫性障害の発症率は2~3%とされており、実は双極性障害(1.6%)と同程度だったり、統合失調症やパニック障害、自閉症(約1%)の2倍以上だったりと割と高めだったりします。
そんな強迫性障害ですが、他の精神疾患、例えば、うつ病や不安障害、統合失調症、双極性障害と併発することが多い様子なんですよ。そこで今回、詳しく調べてみることにしたそうです。
この研究は、1969年1月から2009年12月までにスウェーデンにおける患者登録をされた方を対象にしたもので、そこから強迫性障害と診断された人が後に二次障害を発症したのかをチェックしたと言うもの。更に家族におけるリスクなんかも見てみたんだとか。
んで、まずサンプル数なんですが、
って感じで、なかなかの規模だった様子。
この方々のデータを基に統計処理してその傾向を調べてみたそうです。
早速結果を見てみると、
- 強迫性障害の患者さんは、そうでない患者さんと比較して、統合失調症の二次障害リスクが12倍も高かった
- 強迫性障害の患者さんは、そうでない患者さんと比較して、双極性障害と統合失調感情障害の二次障害リスクが13~14倍も高かった
とのこと。非常に併発リスクが高いですね。
因みに入院患者で初めて強迫性障害と診断された方のみで見てみると、二次障害リスクが約2倍も高く、外来患者でも依然として高いリスクが見られたみたい。
続いて、追跡調査中に初めて強迫性障害だと診断された人が後に二次障害を発症するリスクなんですが、以下のようになっておりました。
- 統合失調症の二次障害リスクは3倍高かった。統合失調症と診断されるまでの期間の中央値は2.4年だった。
- 統合失調感情障害の二次障害リスクは約5倍高かった。統合失調症と診断されるまでの期間の中央値は1.8年だった。
- 双極性障害の二次障害リスクは12倍高かった。統合失調症と診断されるまでの期間の中央値は2.7年だった。
3年以内に二次障害ありと診断される場合が非常に高いみたいですね。特に双極性障害の12倍はかなり高いかと。
因みに、こちらも入院患者と外来患者のケースをチェックしているんですが、入院患者では特に統合失調症と統合失調感情障害が大幅に高かったらしく、外来患者では、全ての疾患においてリスクの大きさがわずかに減少したらしい。
そして因果関係なんですが、
- 最初に強迫性障害と診断された人は、後に他の全ての障害と診断されるリスクが高く、その逆も同様であった
とのこと。
つまり、強迫性障害から他の精神疾患を発症することも、他の精神疾患から強迫性障害を発症することもあると。矢印は両方向に向いているんですね。
またこの研究では、強迫性障害の方でSSRIを使用した場合を調整して調べてもいるんですが、
- その後に双極性障害と診断されるリスクは大幅に減少したものの、完全にはなくならなかった(RR8.8)
そうです。
12倍~14倍から8.8倍に減ったのは素晴らしいですが、それでも結構高いですよね。因みにSNRIやその他の抗うつ薬と比較したら、リスク減少は見られなかったそうです。
12倍~14倍から8.8倍に減ったのは素晴らしいですが、それでも結構高いですよね。因みにSNRIやその他の抗うつ薬と比較したら、リスク減少は見られなかったそうです。
更にこの研究では、他の精神疾患から強迫性障害を発症するリスクも詳しく調べておりまして、
- 追跡調査中に初めて統合失調症だと診断された人が、後に強迫性障害と診断されるリスクは7倍高かった。強迫性障害と診断されるまでの期間の中央値は3.7年だった
- 追跡調査中に初めて統合失調感情障害だと診断された人が、後に強迫性障害と診断されるリスクは5倍高かった。強迫性障害と診断されるまでの期間の中央値は2.5年だった
- 追跡調査中に初めて双極性障害だと診断された人が、後に強迫性障害と診断されるリスクは約1.2倍高かった。強迫性障害と診断されるまでの期間の中央値は1.1年だった
細かく見てみると、二次障害リスクの因果は若干違いますね。
では最後に強迫性障害の方の家族の障がい発症リスクなんですが、
とのこと。
- 一親等の家族の統合失調症・統合失調感情障害・双極性障害のリスクが有意に高かった
- 二親等の家族の統合失調症・統合失調感情障害・双極性障害のリスクが有意に高かった
- 三親等の家族の統合失調症・統合失調感情障害・双極性障害のリスクが有意に高かった
- 但し、統合失調症と双極性障害の二親等・三親等のリスクの大きさは、一親等のリスクより有意に低かった
- 特に統合失調症と双極性障害において、実兄弟のリスクは、異父兄弟のリスクよりも高かった
- 母方の異父兄弟と父方の異父兄弟は同様のリスクがあった
つまり、遺伝的距離が増すにつれてリスクの大きさが減少していたってことですね。
この前「最初にうつ病と診断されて後に双極性障害と診断されるパターンは多いのか?」って記事を紹介しましたが、強迫性障害はもっと二次障害リスクが高そうな感じですね。
因みに1994年のミシガン大学アナーバー校の研究によれば、アメリカにおける強迫性障害の二次障害リスクは2倍から8倍高いそうです。そのため、はっきり何倍高いかはまだ分かりませんが、リスクが高めなのは間違いなさそうです。
それと強迫性障害も家族のリスクが高そうでした。但し、遺伝的距離が遠くなればリスクは減るみたいです。
双極性障害の方の家族における精神疾患リスクについて調べてみた…!
2018年の台北栄民総医院の研究によると、双極性障害の方の家族における精神疾患リスクについて調べてみたそうです。
そもそも双極性障害は、遺伝性の高い精神疾患と言われておりまして、先行研究により、双極性障害の方の両親や子供、兄弟姉妹といった一親等の家族は、双極性障害の発症リスクが高いって出ているんですよね。
一方で、双極性障害の方の一親等の家族における、統合失調症発症リスク、うつ病発症リスク、自閉スペクトラム症(ASD)発症リスク、注意欠陥多動性障害(ADHD)発症リスクが高まるかは謎だったんですな。
そこで今回調べてみることにしたらしい。
この研究は、台湾に住む双極性障害を持つ方87,639名と双極性障害の方の一親等の家族188,290名を対象にしたというもの。この方々のデータから、双極性障害の方の家族における主要な精神疾患リスクを評価してみたんだとか。
早速結果を見てみますと、以下のようになっていたとのこと。
- 双極性障害の方の一親等の家族は精神疾患リスクが高かった。
- 全人口と比較して、双極性障害の発症リスクは6.12倍(RR6.12)高かった。
- 全人口と比較して、うつ病の発症リスクは2.89倍(RR2.89)高かった。
- 全人口と比較して、統合失調症の発症リスクは2.64倍(RR2.64)高かった。
- 全人口と比較して、注意欠陥多動性障害(ADHD)の発症リスクは2.21倍(RR2.21)高かった。
- 全人口と比較して、自閉スペクトラム症(ASD)の発症リスクは2.10倍(RR2.10)高かった。
- 上記の発症リスク増加は、両親や子供、兄弟姉妹、双子などの違いに関係なく一貫していた。
双極性障害の方が家族にいる場合、他の家族の精神疾患リスクが上がってしまうみたいですね。この結果に研究者曰く、
- 双極性障害の方の一親等の家族のメンタルヘルスにも注意を払うべきだろう
としています。
本人はもちろん、家族支援の重要性も大事だと言うことですね。
統合失調症又は双極性障害を持っている場合、その家族は統合失調症又は双極性障害を発症する可能性が約2倍高い
2009年のコロンビア大学の研究によると、統合失調症と双極性障害の家族リスクについてメタ分析を行ってみたそうです。
そもそも先行研究により、統合失調症と双極性障害は関係がありそう…!となっていたものの、それらの家族リスクについてまとめた研究はなかったそうな。そこで今回メタ分析を行ってみることにしたらしい。
まず研究者たちは、1980年1月1日から2006年12月31日までに発表された該当研究をMEDLINEとPsycINFOで検索してみたそうな。
すると全部で2,326件の研究がヒットしたとのこと。次にこれらの研究を適格基準と除外基準に従って精査、質の高い物をピックアップしていったみたい。
最終的に選ばれた研究は66件でして、これらを基にメタ分析を行ってみたんだとか。
結果、
- 統合失調症の方の一親等の家族における双極性障害リスクは0.99%だった
- 対照群の一親等の家族における双極性障害リスクは0.48%だった
- つまり、統合失調症の方の一親等の家族における双極性障害リスクは対照群よりも約2倍(OR2.08)高かった
- 双極性障害の方の一親等の家族における統合失調症リスクは1.77%だった
- 対照群の一親等の家族における統合失調症リスクは0.85%だった
- つまり、双極性障害の方の一親等の家族における統合失調症リスクは対照群よりも約2倍(OR2.10)高かった
とのこと。
つまり、統合失調症又は双極性障害を持っている場合、その家族は統合失調症又は双極性障害を発症する可能性が約2倍高いってことですね。
両親が双極性障害を持つ場合における子供の精神疾患率について
2017年のシドニー大学のメタ分析によると、両親が双極性障害を持つ場合における子供の精神疾患率について調べてみたそうです。
もうちょい詳しく言うと、両親のうち片方又は両方が双極性障害を持っている子供の精神疾患率と精神疾患のない両親を持つ子供の精神疾患率を比べた研究データをまとめてみたんだとか。
ということでまず研究者たちは、該当する先行研究をPsycInfo、Medline、Scopus、Embaseで検索してみたそうな。次にヒットした研究を適格基準と除外基準に照らし合わせて行ったらしい。
最終的に選ばれた研究は17件でしてこれらを基にメタ分析を行ってみたんだとか。
結果、両親のうち片方又は両方が双極性障害を持っている子供は、そうでない子どもに比べて、
- 双極性障害の発症率が9倍高かった…!
- 双極性障害以外の感情障害(うつ病など)の発症率がほぼ2.5倍高かった…!
- 最低1個以上の不安障害の発症率が2倍以上高かった…!
とのこと。
遺伝の影響なのか、生活環境の影響なのか、親が双極性障害を持つ場合、子供の精神疾患リスクは高くなるみたいですね。
因みにこの研究では他のリスクも有意に増えていたらしく、
- ADHD(注意欠陥多動性障害)
- 全般的な行動障害
- 物質使用障害
なんかが該当したとのこと。
ADHDの方の家族における精神疾患リスクについて調べてみた…!
2019年の台北栄民総医院の研究によると、ADHDの方の家族における精神疾患リスクについて調べてみたそうです。
そもそも先行研究で分かっている事として以下のことが挙げられます。
そもそも先行研究で分かっている事として以下のことが挙げられます。
- ADHDは遺伝的要因が非常に高い。
- ADHDの一親等の家族(父親、母親、子供、兄弟姉妹)はADHDの発症リスクが高い。
んがしかし、未だによく分かっていなかったのが、他の精神障がい(精神疾患)や発達障がいリスクとの関係です。例えば、統合失調症、双極性障害、大うつ病、自閉スペクトラム症(ASD)なんかですね。そこで今回調べてみることにしたんだとか。
この研究は「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」の記事に度々登場した台湾の国民健康保険のデータベースを使ったというもの。まず2010年のデータを使い、そこからADHDの方をピックアップしていったそうな。
すると、
- ADHDの子供を持つ父親・母親:220,966人
- ADHDの子供の兄弟姉妹:174,460人
- ADHDの親の子供:5,875人
が見つかったとのこと。
この方々と一親等の家族にADHDを持つ方がいない対照群を比較して追跡調査を行ってみたらしい。
結果、ADHDと診断された方の一親等の家族(父親、母親、子供、兄弟姉妹)は対照群よりも、精神障害リスクが高かったそうです。
ちょっと詳しく見てみると、
- 統合失調症:1.69倍(RR1.69)
- 双極性障害:2.21倍(RR2.21)
- 大うつ病:2.08倍(RR2.08)
- 自閉スペクトラム症(ASD):4.14倍(RR4.14)
- ADHD:6.87倍(RR6.87)
って感じだったそうです。
先行研究の結果を踏まえると、一番高いのがADHDの約7倍ってのは納得ですね。また近しい障がいであるASDが次に高い約4倍ってのも納得かと。それと精神障がいリスクも高くなるみたいで大体2倍ぐらいみたいですね。
これらを見る限り、ADHDの方の支援って本人だけでなく、近しい家族の支援もセットでしていくことが重要だと言えますね。
台湾における強迫性障害の方の家族における精神疾患リスクについて調べてみた…!
2020年の台北栄民総医院の研究によると、強迫性障害の方の家族における精神疾患リスクについて調べてみたそうです。
具体的には、強迫性障害(OCD)の患者さんにおける一親等の家族の統合失調症リスクや双極性障害リスク、強迫性障害リスク、うつ病リスク、自閉スペクトラム症(ASD)リスク、注意欠陥多動性障害(ADHD)がどうなのかチェックしてみたとのこと。
この研究は「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」で何度も登場した台湾の国民健康保険のデータベースを使ったもので、サンプル数は全人口23,258,175人となっております。このデータを使って、強迫性障害の患者さんを探し出し、その後、その方の両親や子供、兄弟姉妹(双子)なんかをピックアップしていったらしい。
すると一親等の家族が89,500人見つかったそうな。ここから上記で挙げた精神疾患リスクとの関係をチェックしたみたい。
気になる結果について、まず大枠は以下のようになっておりました。
- 強迫性障害(OCD)の患者さんにおける一親等の家族の精神疾患リスクは高かった。
残念ながら、身近な家族の精神疾患リスクは高まっちゃうみたいですね。
では具体的にどんな感じだったのか見てみると、
- 統合失調症リスク:約2倍(RR1.97)
- 双極性障害リスク:約2.9倍(RR2.85)
- 強迫性障害リスク:約8倍(RR8.11)
- うつ病リスク:約2.7倍(RR2.67)
- 自閉スペクトラム症(ASD)リスク:約2.4倍(RR2.38)
- 注意欠陥多動性障害(ADHD):約2.2倍(RR2.19)
って感じ。
因みに一親等の家族の種類、つまり両親や子供、兄弟姉妹(双子)でも一貫してリスクが高かったそうな。
これを見た研究者は、強迫性障害の患者さん本人だけでなく、その家族のメンタル面の健康状態もちゃんと見ておいた方が良さそうだよねーとおっしゃっておりました。
統合失調症患者の家族における統合失調症発症リスクについてメタ分析を行ってみた…!
2020年のニューサウスウェールズ大学の研究によると、統合失調症患者の家族における統合失調症発症リスクについてメタ分析を行ってみたそうです。
そもそも統合失調症の発症リスクを高める要因ってのは数多く存在しておりまして、その中でも、家族歴は最も重要なリスク要因の一つなんだとか。
というのも先行研究により、
- 双子研究のメタ分析では、統合失調症の遺伝率は81%と推定された
- 統合失調症の家族歴がある人はない人に比べて、一貫して発症リスクが高かった
- 統合失調症における生涯発症リスクは診断された家族の数に応じて増加し、より近い家族は遠い親族よりもリスクが高かった
- 片方の親が統合失調症と診断された場合、子供1人あたりのリスクは10~15%と推定された
- 両親が統合失調症と診断された場合、子供1人あたりのリスクは35~46%と推定された
ってことが分かっているからとのこと。
ただ、メタ分析がされていなかったらしく、そのため今回行ってみることにしたらしい。具体的には、統合失調症と診断された患者の一親等の家族(親、子供、兄弟姉妹、双子)における統合失調症の発症率をチェックしてみたんだとか。
まず研究者たちは、2018年5月までに発表された該当研究をEMBASE、MEDLINEで検索してみたそうな。すると5,755件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で被っている研究を除外、その後、質の低い物も除外していったらしい。
最終的に基準を満たした研究は19件でして、ケース・コントロール研究とコホート研究だったそうです。また、統合失調症の患者さんの一親等の家族は合計4,875人だったそうな。
それでは結果を見てみますかー。
- 統合失調症患者1名における一親等の家族の統合失調症発症リスクは7.69倍だった…!
- 統合失調症患者2名における一親等の家族の統合失調症発症リスクは11.11倍だった…!
ということで、家族に統合失調症の方が1名いると統合失調症発症リスクが約8倍、2名だと約11倍も高くなるみたい。他の精神疾患同様、統合失調症も家族リスクが高まるみたいですね。
精神障がいの親を持つ子供のうつ病と不安障害リスクについて調べてみた…!
2020年のアムステルダム自由大学の研究によると、うつ病と不安障害の家族リスクについて調べてみたそうです。
そもそもうつ病と不安障害のおいて最も強い危険因子の1つは家族歴なんですよね。例えば、2005年のペンシルベニア大学のメタ分析や2009年のマサチューセッツ総合病院のメタ分析、2013年のダルハウジー大学のメタ分析なんかを見てみると、患者さんの一親等の家族では対照群と比較して2倍もリスクが高くなると出ているんですな。但し、遺伝的、臨床的、心理的社会的脆弱性との関連性は結果が一貫していなかったらしい。そこで今回、この辺についてチェックしてみることにしたんだとか。
この研究は、オランダのうつ病・不安症研究(NESDA)というデータセットを使ったというもの。これは当時18~65歳だった成人2,981名(うつ病又は不安障害、あるいはその両方の診断を受けた参加者2,319名と対照群652名)を対象とした前向きコホート研究となっております。んで参加者はスタート時、1年後、2年後、4年後、6年後、9年後と追跡調査されているんですな。そして今回は9年間の追跡調査データを使ったとのこと。
サンプル数は、うつ病又は不安障害、あるいはその両方と診断された1,425名でして、年齢は26~75歳、女性の割合は66.6%だったそうな。また59.8%の方が一親等の家族のうち一人以上がうつ病又は不安障害、あるいはその両方と診断されていたそう。
これらのデータから分かったことは、精神障がいの親を持つ子供の負荷スコアが高い人ほど、
残念ながら、精神障がいの親を持つ子供のうつ病と不安障害リスクは高まってしまうみたいですねー。しかもそれに付随した様々なリスクも高まっちゃうみたいです。
自閉症スペクトラム障害・自閉症スペクトラム障害+知的障害を持つ人の一親等の家族における精神疾患リスクについて
2020年の台北栄民総医院の研究によると、自閉症スペクトラム障害・自閉症スペクトラム障害+知的障害を持つ人の一親等の家族における精神疾患リスクについて調べてみたそうです。
なんでも先行研究により、
- 注意欠陥多動性障害(ADHD:注意欠如多動性障害)
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)
- 双極性障害
- うつ病
- 統合失調症
における家族のリスクについては報告があるものの、精神疾患に共通する遺伝要因と環境要因は依然として不明なままなんだそうな。そこで今回、自閉症スペクトラム障害を持つ人の一親等の家族における精神疾患リスクをチェックし、この辺がどうなのか調べてみたらしい。
この研究は、当ブログで何度も登場している台湾の国民健康保険のデータベースを使ったもので、まずはここから自閉症スペクトラム障害を持つ方26,667人と、その一親等の家族67,998人をピックアップしたそうな。次に上記の各精神疾患との相対リスク(RR)を見てみたらしい。
その結果、自閉症スペクトラム障害を持つ人の一親等の家族は、対照群と比較して精神疾患の相対リスクが高かったとのこと。
具体的には、
- 注意欠陥多動性障害リスク:3.94倍
- 自閉症スペクトラム障害リスク:17.46倍
- 双極性障害リスク:2.22倍
- うつ病リスク:1.88倍
- 統合失調症リスク:3.05倍
って感じ。
ASDを持つ人の親もASDを持っている場合が17.5倍多いってのはすごい数値ですね。やっぱ遺伝の影響や環境の影響が強いのかしら…。
更にこの研究では、自閉症スペクトラム障害+知的障害を持つ人の一親等の家族における精神疾患リスクもチェックしているんですが、結果、自閉症スペクトラム障害を持つ人の一親等の家族に比べて、
だったとのこと。
- 自閉症スペクトラム障害リスク:18.54倍
- 統合失調症リスク:4.47倍
だったとのこと。
つまり、発達障がい+知的障がいを持つ人の親は、発達障がいを持っていることが更に多く18.5倍、また統合失調症を持つ場合も4.5倍と多いみたいですね。
この結果に研究者は、リスクのある家族へのメンタルヘルスケアと早期診断、介入がポイントだよねーとおっしゃっておりました。まさにその通りですね。
双極性障害Ⅰ型・双極性障害Ⅱ型の患者さんの家族における精神疾患リスク
2021年の台北栄民総医院の研究によると、双極性障害Ⅰ型・双極性障害Ⅱ型の患者さんの家族における精神疾患リスクについて調べてみたそうです。
双極性障害(躁うつ病)は、気分がハイな状態とうつな状態がジェットコースターのように上がったり下がったりするものでして、この気分の波にさらわれると様々な状態に陥ります(詳しくは「双極性障害の方はクリエイティブ性(創造性)が高いのか?」の記事の冒頭を参照)。そんな双極性障害ですが、実は2つの種類があるんですよね。
双極性障害(躁うつ病)は、気分がハイな状態とうつな状態がジェットコースターのように上がったり下がったりするものでして、この気分の波にさらわれると様々な状態に陥ります(詳しくは「双極性障害の方はクリエイティブ性(創造性)が高いのか?」の記事の冒頭を参照)。そんな双極性障害ですが、実は2つの種類があるんですよね。
- 双極性障害Ⅰ型:日常生活に支障を来たすほどの激しい躁状態がある。
- 双極性障害Ⅱ型:日常生活に支障を来たすほどの躁状態はない。但し、うつ状態が長く重たい場合が多い。
上記からも分かる通り、どっちが軽い、重たい精神疾患という訳ではなく、それぞれ難しい精神障がいとなっております。今回は双極性障害をこの2種類に分けて、家族の精神疾患リスクをチェックしてみたんだとか。
この研究は「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」で登場した、台湾における国民健康保険のデータベースを使ったというもの。サンプル数は当時の台湾の全人口となる23,258,175人でして、まずはこの中から双極性障害の患者さんをピックアップしていったそうな。
この研究は「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」で登場した、台湾における国民健康保険のデータベースを使ったというもの。サンプル数は当時の台湾の全人口となる23,258,175人でして、まずはこの中から双極性障害の患者さんをピックアップしていったそうな。
続いて双極性障害Ⅰ型又は双極性障害Ⅱ型に分類していったらしい。併せて、双極性障害Ⅰ型と双極性障害Ⅱ型の患者さんの一親等の家族もピックアップしたそうで、184,958人が見つかったんだとか。
最後に主な精神疾患リスクを推定したそうで、結果、以下のような傾向がみられたとのこと。
- 双極性障害Ⅰ型の患者さんの一親等の家族は、双極性障害Ⅰ型リスクが約16倍(RR15.80)高かった。
- 双極性障害Ⅱ型の患者さんの一親等の家族は、双極性障害Ⅰ型リスクが約5.7倍(RR5.68)高かった。
- つまり、双極性障害Ⅰ型の患者さんの一親等の家族は、双極性障害Ⅱ型の患者さんの一親等の家族に比べて、双極性障害Ⅰ型リスクが有意に高かった。
- 双極性障害Ⅰ型の患者さんの一親等の家族は、双極性障害Ⅱ型リスクが約6.5倍(RR6.48)高かった。
- 双極性障害Ⅱ型の患者さんの一親等の家族は、双極性障害Ⅱ型リスクが約6倍(RR5.89)高かった。
- つまり、双極性障害Ⅰ型の患者さんの一親等の家族と双極性障害Ⅱ型の患者さんの一親等の家族の双極性障害Ⅱ型リスクは同程度だった。
- 双極性障害Ⅰ型の患者さんの一親等の家族は、統合失調症リスクが約5.8倍(RR5.83)高かった。
- 双極性障害Ⅱ型の患者さんの一親等の家族は、統合失調症リスクが約2.7倍(RR2.72)高かった。
- つまり、双極性障害Ⅰ型の患者さんの一親等の家族は、双極性障害Ⅱ型の患者さんの一親等の家族に比べて、統合失調症リスクが高かった。
- 双極性障害Ⅰ型の患者さんの一親等の家族は、注意欠陥多動性障害(ADHD)リスクが約2倍(RR1.93)高かった。
- 双極性障害Ⅱ型の患者さんの一親等の家族は、注意欠陥多動性障害(ADHD)リスクが約2.3倍(RR2.36)高かった。
- つまり、双極性障害Ⅱ型の患者さんの一親等の家族は、双極性障害Ⅰ型の患者さんの一親等の家族に比べて、注意欠陥多動性障害(ADHD)リスクが高かった。
双極性障害を持つ人の家族は、双極性障害Ⅰ型、双極性障害Ⅱ型、統合失調症、ADHDを持つ可能性が高かったみたいですね。また、双極性障害Ⅰ型と双極性障害Ⅱ型のどちらを持つ人の家族かによって、影響も変わるみたい。
親の精神疾患と子どもの自閉スペクトラム症(ASD)の関係
2022年の国立台湾大学医学部附属病院の研究によると、親の精神疾患と子どもの自閉スペクトラム症(ASD)の関係について調べてみたそうです。
自閉スペクトラム症(ASD)は発達障害の一種でして、世界人口のおよそ100人に1人が持っていると言われております。ただ近年では44人に1人が持っているという研究結果もありまして、増加傾向にあるんだとか。
そして自閉スペクトラム症の遺伝率は50%~90%の範囲だと報告されておりまして、その遺伝的な原因はまだ完全に解明されておりません。
そんな自閉スペクトラム症は親の精神疾患と関係がありそうな感じなんですな。そこでこの辺を詳しく知るために親が、統合失調症、双極性障害、うつ病、不安障害、強迫性障害、適応障害、物質使用障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症を持っている場合における子どもの自閉スペクトラム症リスクについて調べてみることにしたんだとか。
この研究は、近年この分野の研究に非常に力を入れており、当ブログでもたびたび登場している台湾の国民健康保険のデータベース(NHIRD)を使ったというもの。このデータセットは2009年以降における台湾の人口の約99.8%をカバーしており、ここから様々な関係性を調べることが出来るんですよね。
このデータセットから2004~2017年に出生し、2007年1月1日から2017年12月31日までに登録された子どもたちを検索してみたそうな。次にその子どものデータから親たちを検索していったらしい。
その結果、121,994人の子どもたちのデータが集まったそうです。因みにデータの概要についてはこんな感じ。
- 自閉スペクトラム症を持つ子ども:24,279人
- 自閉スペクトラム症を持たない子ども:97,715人
- 自閉スペクトラム症を持つ子どもの男女比:82.6%が男の子
- 自閉スペクトラム症の診断年齢:81.9%が6歳になる前に診断、18.1%が6歳を過ぎてから診断されていた
約20%、つまり5人に1人の子どもがASDを持っているんですね。また男の子の方が圧倒的に多く、大体小学校入学前後でASDかどうか診断を受けているケースが多いみたい。
それでは統計処理した結果を見てみましょう。
- 母親が精神疾患と診断されていた場合、子どもの自閉スペクトラム症リスクは1.45倍だった。
- 父親が精神疾患と診断されていた場合、子どもの自閉スペクトラム症リスクは1.12倍だった。
- 両親の統合失調症、うつ病、強迫性障害、適応障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症と、子どもの自閉スペクトラム症は関係があった。
- 母親の双極性スペクトラム障害(≒双極性障害)と、子どもの自閉スペクトラム症は関係があった。
- 両親の不安障害、物質使用障害と、子どもの自閉スペクトラム症は関係がなかった。
- 親の精神疾患のタイミング(子どもの生まれる前、生まれてから子どもが自閉スペクトラム症と診断を受けるまで、子どもが自閉スペクトラム症と診断を受けた後)と子どもの自閉スペクトラム症の関係は、親の精神疾患の種類によって異なっていた。
- 母親の双極性スペクトラム障害とうつ病は、全てのタイミングで、子どもの自閉スペクトラム症と関係があった。
- 母親の不安障害と適応障害は、子どもの生まれる前、子どもが自閉スペクトラム症と診断を受けた後のタイミングで、子どもの自閉スペクトラム症と関係があった。
- 両親の統合失調症は、子どもの生まれる前、子どもが自閉スペクトラム症と診断を受けた後のタイミングで、子どもの自閉スペクトラム症と関係があった。
- 父親の適応障害は、生まれてから子どもが自閉スペクトラム症と診断を受けるまで、子どもが自閉スペクトラム症と診断を受けた後のタイミングで、子どもの自閉スペクトラム症と関係があった。
- 母親の物質使用障害は、子どもの生まれる前のタイミングで、子どもの自閉スペクトラム症と関係があった。
- 父親の物質使用障害は、子どもが自閉スペクトラム症と診断を受けた後のタイミングで、子どもの自閉スペクトラム症と逆相関の関係があった。
ざっくりまとめると、親が精神疾患を持つ場合、子どもが自閉スペクトラム症を持つ場合が多いってことですね。
また、研究者によれば、親の精神疾患のタイミングと子どもの自閉スペクトラム症の関係は、親の精神疾患の種類によって異なっていたので、遺伝要因と環境要因の両方の影響を受けている可能性があるとのこと。
う~ん。やっぱり要素が複雑に絡み合った結果、子どもが自閉スペクトラム症を持つみたいですね。この辺は精神疾患を持つ場合と同じ流れですな。
細かい数字に関しては研究の表をご覧いただきたいのですが、個人的に特に気になったのは、
- 母親がADHDを持つ場合、子どもがASDを持つ可能性は3倍(2.98倍)
- 母親がASDを持つ場合、子どもがASDを持つ可能性は21倍(20.98倍)
- 父親がADHDを持つ場合、子どもがASDを持つ可能性は3倍(2.96倍)
- 父親がASDを持つ場合、子どもがASDを持つ可能性は15倍(15.35倍)
他はざっくり1.5倍ぐらいだったんで、ADHD、特にASDはかなり両親の影響を受けるみたいなんですよね。
統合失調症・強迫性障害の患者さんにおける親の精神疾患リスク
2024年の義守大学の研究によると、統合失調症・強迫性障害の患者さんにおける親の精神疾患リスクについて調べてみたそうです。
そもそも2019年のアンリモンドール大学病院のレビュー論文によれば、統合失調症は強迫性障害との併存率が高いそうな。
もうちょい細かいデータを見てみると、
- 2013年のアムステルダム自由大学のメタ分析:統合失調症の患者さんにおける強迫性障害の有病率は12.3%
- 2019年のケープタウン大学の研究:一般人口における強迫性障害の有病率は2~3%
だったみたい。
つまり4~6倍程高そうな感じですね。
んで、この原因についてなんですが、脳の構造があやしいそうな。例えば2003年のゲハメンタルヘルスセンターの研究や2017年のCAMHの研究では、脳をスキャンした結果、尾状核、眼窩前頭皮質(腹内側前頭前野)、前帯状皮質、視床背内側核などで機能的・構造的な類似性が見つかったとのこと。また2018年のステレンボッシュ大学の研究によると、統合失調症と強迫性障害の遺伝子研究で、ドーパミンやセロトニンなんかも調節機能の遺伝子が共通していたんだとか。更に2019年のトロント小児病院の研究では、ゲノムデータを照らし合わせた結果、統合失調症と強迫性障害にはいくつかの共通変異があったみたい。
そして注意しなければいけないのは、特定の統合失調症の治療薬です。2014年のキャンベルファミリーメンタルヘルス研究所の研究や2009年のソウル大学校の研究によると、第二世代抗精神病薬(SGA・非定型抗精神病薬)は統合失調症の患者さんにおける強迫性障害の発症誘発因子と考えられているそうで、そのメカニズムは遺伝子配列の変異によるものとのこと。つまりクロザピン(クロザリル)なんかは、強迫性障害が二次障害として発症しやすいってことですね。
一方で2011年のティラトカーメルメンタルヘルスセンターの研究によると、強迫性障害は、統合失調症の前症状っぽいんですよね。
…っとこんな感じで、かなり密接な関係がありそうなんで、この度、詳しく調べてみることにしたそうです。
この研究は、何度も登場している台湾の国民健康保険のデータベース(NHIRD)を使ったと言うもの。そもそも台湾の国民健康保険は強制加入とのことで、全ての台湾に住む人(2,300万人以上)のデータが入っているんだとか。
今回使用したデータセットの期間は2001年1月1日~2011年12月31日の間でして、この間に統合失調症のみ、強迫性障害のみ、統合失調症+強迫性障害と診断された12歳~17歳の子供と18歳~64歳の人をピックアップしたらしい。
すると、
- 統合失調症のみの患者さん48,201名
- 強迫性障害のみの患者さん17,809名
- 統合失調症+強迫性障害の患者さん3,803名
- 主要な精神疾患のない対照群の人698,130名
が見つかったそうです。
次にこの方々の特徴なんですが以下のようになっておりました。
- 統合失調症のみの平均年齢:35.5歳
- 強迫性障害のみの平均年齢:30.69歳
- 統合失調症+強迫性障害の平均年齢:31.63歳
- 主要な精神疾患のない対照群の平均年齢:34.06歳
- 統合失調症のみの男性:56.2%
- 強迫性障害のみの男性:57.1%
- 統合失調症+強迫性障害の男性:63.1%
- 主要な精神疾患のない対照群の男性:56.8%
- 統合失調症のみの診断時の年齢:27.81歳
- 統合失調症が二次障害として診断された時の年齢:24.17歳
- 強迫性障害のみの診断時の年齢:25.21歳
- 強迫性障害が二次障害として診断された時の年齢:25.03歳
- 統合失調症と強迫性障害が同時に診断された割合:43.8%
- 統合失調症→強迫性障害の順に診断された割合:36.5%
- 強迫性障害→統合失調症の順に診断された割合:19.7%
それではこれらのデータを統計処理した結果を見てみましょう。
- 統合失調症のみ、強迫性障害のみ、統合失調症+強迫性障害の全てにおいて、対照群よりも主要な精神障害リスクが高かった(OR範囲1.50〜7.83)
- 強迫性障害リスクが最も高かったのは、強迫性障害のみの親だった(OR7.83)
- 次に強迫性障害リスクが最も高かったのは、うつ病(OR2.56)の親で、その次が双極性障害(OR2.45)だった。
- 統合失調症リスクが最も高かったのは、統合失調症のみの親だった(OR5.61)
- 次に統合失調症リスクが最も高かったのは、双極性障害(OR3.20)の親で、その次がうつ病(OR1.96)だった。
- 統合失調症+強迫性障害の患者さんでは、親の強迫性障害リスクが最も高く(OR6.01)、次が統合失調症(OR4.06)の親で、その次が双極性障害(OR3.48)だった。
統合失調症のみ、強迫性障害のみ、統合失調症+強迫性障害の患者さんの全てで、親の統合失調症リスク、双極性障害リスク、うつ病リスク、物質使用障害リスク、アルコール依存症リスク、強迫性障害リスクが高かったみたいですね。
それとこの研究では他にも分かったことがありまして、
- 統合失調症と強迫性障害の診断順を踏まえると、統合失調症→強迫性障害の順に診断された、強迫性障害→統合失調症の順に診断された、統合失調症と強迫性障害が同時に診断された、に関係なく、親の統合失調症リスク、双極性障害リスク、うつ病リスク、強迫性障害リスクは高かった
とのこと。
この辺を見ても、統合失調症と強迫性障害はかなり関係が深く、そして家族歴に於いても関係が深そうですね。
因みに研究者によれば、
- われわれの知る限り、本研究は、統合失調症の患者さんの親は強迫性障害リスクが高く、強迫性障害の患者さんの親は統合失調症リスクが高いという双方向の因果関係を示した初のコホート研究である
そうです。
統合失調症や強迫性障害を持つ方の親の精神疾患リスクも高いんですね。
片頭痛を持つ親の子供における精神疾患リスク
2024年の美和科技大学の研究によると、片頭痛を持つ親の子供における精神疾患リスクについて調べてみたそうです。
先行研究により、片頭痛は、うつ病、不安障害、双極性障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、パーソナリティ障害、自傷行為(自殺未遂)といったものと関係があると出ております。また2007年のカルガリー大学の研究によると、片頭痛持ちは対照グループと比較して、うつ病、双極性障害、不安障害の有病率が少なくとも2倍高かったんだとか。
そんな片頭痛とメンタルの関係ですが、意外にも家族との関係を調べたものはなかったらしい。具体的には親が片頭痛持ちの場合、子どもや孫なんかの精神疾患リスクがどうなのか分かっていなかったってことですな。そこで今回調べてみることにしたそうです。
この研究は「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」などで何度も登場している台湾国民健康保険データベース(NHIRD)を用いたもので、このデータセットから片頭痛のある両親とその子どもをピックアップし、片頭痛のない両親と子どもを対照グループとして比較したものとなっております。
んで、サンプル数なんですが、
- 片頭痛のある親の子ども:22,747人、平均年齢8.88歳
- 片頭痛のない親の子ども:227,470人、平均年齢8.89歳
って感じでした。
この子ども達の、統合失調症リスク、うつ病リスク、双極性障害リスク、自閉スペクトラム症(ASD)リスク、注意欠陥多動性障害(ADHD)リスクを推定したとのこと。
それでは統計処理した結果を見てみましょう。
- 片頭痛のある親の統合失調症率は1.1%だった。
- 片頭痛のない親の統合失調症率は0.7%だった。
- 片頭痛のある親の双極性障害率は1.8%だった。
- 片頭痛のない親の双極性障害率は0.7%だった。
- 片頭痛のある親のうつ病率は7.1%だった。
- 片頭痛のない親のうつ病率は2.6%だった。
- つまり、片頭痛のある親は、片頭痛のない親と比較して、精神疾患率が高かった。
- 片頭痛のある親の子どもにおけるADHD率は2.4%だった。
- 片頭痛のない親の子どもにおけるADHD率は1.7%だった。
- 片頭痛のある親の子どもにおける双極性障害率は0.4%だった。
- 片頭痛のない親の子どもにおける双極性障害率は0.2%だった。
- 片頭痛のある親の子どもにおけるうつ病率は2.0%だった。
- 片頭痛のない親の子どもにおけるうつ病率は1.4%だった。
- つまり、片頭痛のある親の子どもは、片頭痛のない親の子どもと比較して、精神疾患率が高かった。
片頭痛持ちの親、片頭痛持ちの親の子はどちらも精神疾患率が高かったみたいですね。
次に、年齢や性別、住んでいる場所、収入、親の精神疾患などの変数を調整した場合を見てみます。
片頭痛のある親の子どもは、片頭痛のない親の子どもと比較して、
- ADHDリスクが1.37倍
- 双極性障害リスクが1.35倍
- うつ病リスクが1.33倍
と有意に高かったそうです。
一方で、
- ASDリスク
- 統合失調症リスク
については有意差がなかったんだとか。
更にこの研究では、父親と母親のどちらが片頭痛持ちかによって違いがあるのかも見てみたんですが、片頭痛のある母親の子どもは、片頭痛のない母親の子どもと比較して、
- ADHDリスクが1.43倍
- 双極性障害リスクが1.41倍
- うつ病リスクが1.46倍
って感じで有意に高かったらしい。
そしてこちらでも、
- ASDリスク
- 統合失調症リスク
に有意差はなかったんだとか。
そして興味深いことに、
- 片頭痛のある父親の子どもは、片頭痛のない父親の子どもと比較しても、どの精神疾患リスクについても有意差がなかった
とのこと。
つまり、特に母親が片頭痛持ちかどうかがポイントということですね。
片頭痛は睡眠問題から食事、ストレスなど様々な要因で起こるんで改善が難しいのも事実。セルフチェックして原因を突き止めていくしかないんですよね~。難しい…。
一応、
の記事が役立つかもしれませんので、気になる方はご覧ください。
うつ病を持つ親の子どもにおける発達障害リスク
2024年の台北栄民総医院の研究によると、うつ病を持つ親の子どもにおける発達障害リスクについて調べてみたそうです。
先行研究では、うつ病を持つ親と子どもの発達障害リスクは関係性がありそうと出ておりました。但し、
- 親がうつ病になると、子どもの発達障害リスクが高まるのか…?
- 子どもが発達障がいを持っていると、親のうつ病リスクが高まるのか…?
っていう、因果関係はよく分かっていなかったんですな。
そこで今回チェックしてみることにしたとのこと。
この研究は「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」など、当ブログで何度も登場している台湾国民健康保険データベース(NHIRD)を使ったと言うもの。余談ですが、台湾はここ数年、NHIRDを使ってあらゆる障害リスクを調べていて本当に勉強になります。
…話を戻しまして、このNHIRDってデータセットを使って、まずは1996年から2010年の間に生まれた子どもの中から、親が精神科医によるうつ病と診断された人をピックアップしていったそうな。またこの際、重複障害(統合失調症や双極性障害など他の主要な精神疾患)を持つ親は除外したらしい。
すると、
- 重度のうつ病を持つ親の子ども:7,593人
- 重度の精神疾患を持たない親の子ども(対象グループ):75,930人
の2グループを作る事が出来たんだとか。
次に1996年又は出生時から2011年末までこの2グループを追跡調査してみたそう。最後に集まったデータを統計処理したとのこと。
それでは結果です。
- 発達障害名:重度のうつ病を持つ親の子ども:重度の精神疾患を持たない親の子ども
- 自閉スペクトラム症:0.9%:0.5%
- 注意欠陥多動性障害:6.5%:3.2%
- チック症(思わず起こる素早い体の動き・声):0.9%:0.6%
- あらゆる発達の遅れ(知的障害など):6.2%:4.4%
つまりあらゆる発達障害の発症率が高かったってことですね。
また、
- 早産・低出生体重:3.3%:2.6%
- 呼吸問題:3.6%:3.0%
- 新生児黄疸:8.5%:7.5%
も高かったみたい。
続いて比較したリスク(ハザード比:HR)を見てみます。
重度のうつ病を持つ親の子どもは、重度の精神疾患を持たない親の子どもに比べて、
重度のうつ病を持つ親の子どもは、重度の精神疾患を持たない親の子どもに比べて、
- 自閉スペクトラム症:1.52倍
- 注意欠陥多動性障害:1.98倍
- チック症:1.40倍
- あらゆる発達の遅れ:1.32倍
- 発達性言語障害:1.17倍
- 発達性協調運動障害(神経疾患や練習不足じゃないのに運動スキルの獲得・使用が困難で学校生活や遊び、日常生活活動に支障が出る状態):1.76倍
- 知的障害:1.26倍
となっておりました。
では、因果関係はどうなのか…?ってことで、見てみたところ、出生前から親がうつ病を持っていた子どもは、そうでない子どもに比べて、
- 自閉スペクトラム症:1.76倍
- 注意欠陥多動性障害:1.95倍
- チック症:1.52倍
- あらゆる発達の遅れ:1.40倍
- 発達性言語障害:1.29倍
- 発達性協調運動障害:1.73倍
といった感じで診断リスクが高かったみたい。
一方で、出生後の親のうつ病は、子どもの
- 注意欠陥多動性障害:2.00倍
- あらゆる発達の遅れ:1.24倍
- 発達性協調運動障害:1.78倍
しか関係がなかったんだとか。
因みに早産又は低出生体重と、
- 注意欠陥多動性障害:1.35倍
- あらゆる発達の遅れ:1.75〜2.38倍
- 知的障害:2.18倍
- 新生児黄疸と自閉スペクトラム症:1.39倍
- 新生児黄疸と注意欠陥多動性障害:1.21倍
と関係があったようです。
ということでこの結果を踏まえてまとめてみると、
となりましょう。
この結果から研究者は、うつ病の親を持つ子どもの発達状態を綿密にモニタリングする必要がある、としています。
- 親のうつ病は、子どもの発達障害と関係があり、特に注意欠陥多動性障害(ADHD)リスクが最も高かった(2倍)
- 出生前の親のうつ病は、出生後の親のうつ病と比較して、子どもの発達障害と関係があった
- 出生後の親のうつ病は、子どもの注意欠陥多動性障害と発達性協調運動障害のみ関係があった
- つまり、うつ病を持つ親と子どもの発達障害リスクは、遺伝的要因(遺伝要因)の可能性が高そう
- そのため、因果関係は、親→子どもの流れっぽい
となりましょう。
この結果から研究者は、うつ病の親を持つ子どもの発達状態を綿密にモニタリングする必要がある、としています。
こういった細かい事を調べる研究の積み重ねで徐々に見えてきているところがありますよね。
親の精神疾患は子どもの重度精神疾患の発症年齢と関係あるのか…?
2024年の台北栄民総医院の研究によると、親の精神疾患は子どもの重度精神疾患の発症年齢と関係あるのか後ろ向きコホート研究を行ってみたそうです。
重度精神疾患ってのは、言葉からも想像がつく通り、本人、家族、社会生活を含む生活など、あらゆる環境・場面に悪影響を及ぼす可能性のある精神障害のことでして、具体的には、
- 統合失調症
- 双極性障害
- 大うつ病
が該当します。
今回は、これらの精神障がいを持つ子どもの発症年齢によって親の精神疾患が変わるのかチェックしてみることにしたそう。ちょっと新しい視点での研究ですね。
この研究は、毎度おなじみ台湾の国民健康保険データベース(NHIRD)を使ったもので、まずはここから、統合失調症、双極性障害、大うつ病の患者さんデータを探してみたそうな。併せて対照群となる方たちも探してみたらしい。
すると、
- 重度精神疾患を持つ方:212,333人
- 対照群:2,123,329人
をピックアップできたんだとか。
次にこの方々の重度精神疾患の発症時期に基づき、小児発症群、青年発症群、成人発症群に分類したそうです。
結果、
- 小児発症群:4,259人
- 青年発症群:63,227人
- 成人発症群:144,847人
となったとのこと。
最後にオッズ比(OR)を出してみたところ、
そうです。
つまり、
- 子どもの重度精神疾患がいつ、どの段階で発症したかに関係なく、親は統合失調症、双極性障害、大うつ病、アルコール依存症、物質使用障害と診断されるケースが多かった…!
って感じになります。
因果関係が見えますね。
親の精神疾患と子の大うつ病リスクについて
2025年のトゥルク大学の研究によると、親の精神疾患と子の大うつ病リスクについて調べてみたそうです。
大うつ病は一般的な精神疾患であり、その生涯有病率は15~18%と推定されております。また遺伝率は40%とのことです。そして発症には、遺伝要因と環境要因の相互作用によって引き起こされると言われております。
そんな大うつ病ですが、先行研究により強い家族性がみられております。但し、研究者によれば、親の精神疾患について、たくさんの種類を挙げつつ、子どもの大うつ病との関連性をチェックしたものはこれまでなかったそうな。また、親の精神疾患が子どもの発達段階によってどのように影響するかもほとんど分かっていなかったらしい。
更に出生前に親が精神疾患を診断されていたかもチェックすることで、逆因果関係によるバイアスを防ぐことができる可能性があったそうな。因みに逆因果関係ってのは子どもの結果が親の精神疾患に及ぼす影響のことであり、こちらもこれまでの研究ではほとんど取り上げられてこなかったみたい。
そのため、今回は以上を踏まえた形で調べてみることにしたんだとか。
この研究は、フィンランドの国家登録簿(CRHC)を使用したもので、対象となった人達は、1987年1月から2007年12月の間にフィンランドで生まれたすべての子ども達1,240,062人となっております。
この中から、大うつ病になった子どもと対象グループとなる子どもをピックアップしていったらしい。すると、
- 大うつ病の子ども:37,677人
- 対照グループの子ども:145,068人
となったそうです。
次にこの子ども達の親の精神疾患についての情報を入手、更に両親の最初の精神疾患の診断のタイミング(子どもが生まれる前・生まれた後)もチェックしたんだとか。
最後に集まったデータを統計処理してその傾向を見てみたそうです。
んでまず大うつ病の子ども達の情報なんですが、以下のようになっておりました。
んでまず大うつ病の子ども達の情報なんですが、以下のようになっておりました。
- 大うつ病診断時の平均年齢:16.23歳(範囲5~25歳)
- 男女比:65.52%が女の子だった。
- 両親ともに精神疾患と診断された子どもの割合:12.43%
- 母親のみ、精神疾患と診断された子どもの割合:21.72%
- 父親のみ、精神疾患と診断された子どもの割合:15.99%
続いて親の精神疾患診断と子の大うつ病の関係を見てみます。
- 両親ともに精神疾患を持つ場合の子どもの大うつ病リスク:OR4.50
- 母親のみ精神疾患を持つ場合の子どもの大うつ病リスク:OR2.66
- 父親のみ精神疾患を持つ場合の子どもの大うつ病リスク:OR1.95
つまり、両親ともに精神疾患を持つ場合の子どもの大うつ病リスクが最も高く、また、母親の方が父親よりも影響が強かったってことですね。
次に男の子と女の子で違いがあるのかですが、両親とも・母親のみ・父親のみの全ての場合に於いて、
- 男の子の方が女の子よりも大うつ病リスクが高かった
とのこと。
つまり、親が精神疾患を持っていた場合、うつ病になりやすいのは男の子の方が高いと…。
続いて精神疾患別の影響を見てみます。
まずは大きな結論なんですが、
- 母親と父親における全ての精神疾患カテゴリーで、子どもの大うつ病リスクが増加していた
とのこと。
因みに精神疾患のカテゴリーは、統合失調症および統合失調感情障害、その他の精神病、双極性障害、単極性うつ病およびその他の気分障害、不安障害、強迫性障害のない不安障害、強迫性障害、摂食障害、パーソナリティ障害、アルコールや薬物依存症・乱用、ADHD、ASD(自閉症スペクトラム障害)、素行症、限局性学習症(LCD、旧学習障害:LD)、知的障害って感じで、主要な精神障がいから発達障がい、知的障がいと多岐にわたっておりました。
んで父母による違いの上位トップ3は以下な感じとのこと。
【母親の診断】
- 統合失調症・統合失調感情障害:OR2.51
- 単極性うつ病:OR2.19
- ASD:OR1.92
【父親の診断】
- 統合失調症・統合失調感情障害:OR2.0
- 素行症:OR1.90
- 単極性うつ病:OR1.57
これらの診断を受けていると、子どもの大うつ病リスクは特に高かったみたい。
次は、両親が何らかの精神疾患診断を受けている場合、子どもの年齢で大うつ病発症リスクが違うのかの結果です。
- 5~12歳:OR7.66
- 13~18歳:OR4.13
- 19~25歳:OR3.37
つまり、子どもはより幼い時に大うつ病を発症することが多いようです。因みに男の子・女の子別に見ても同様の結果だったらしい。
続いて子どもが生まれる前に精神疾患の診断を受けた場合の子どもの大うつ病リスクの結果です。
- 子どもが生まれる前に母親が精神疾患の診断を受けていた場合:OR2.31
- 子どもが生まれる前に父親が精神疾患の診断を受けていた場合:OR1.89
- 子どもが生まれる前に両親が精神疾患の診断を受けていた場合:OR3.50
つまり、子どもが生まれる前に精神疾患の診断を受けた場合、子どもの大うつ病リスクは高まる感じですね。
もうちょい情報を見てみると、
- 子どもが生まれる前に両親・母親のみ・父親のみが精神疾患と診断された場合、子どもの全年齢層において、大うつ病リスクが有意に高かった
- 5~12歳で初めて診断された年齢層は、13~18歳・19~25歳よりも高かった
とのこと。
ということで色々書いてきましたが、まとめると、
- 母親と父親、両親の精神疾患診断は、子どもの大うつ病と関係があった(生まれる前の診断を含む)
- 母親の方が父親よりも影響が強かった
- 男の子の方が女の子よりも大うつ病リスクが高かった
- 親の精神疾患カテゴリーに関わらず、子どもの大うつ病と関係があった
- 親の精神疾患は、大うつ病の早期発症とより強く関係があった
のようになりましょう。
この結果に研究者曰く、
- 本研究は子どもの大うつ病が、これまで知られていたよりも、もっと広範囲の親の精神疾患と関連があることを示している
としています。
大うつ病の発症は、遺伝的要因と環境的要因が複雑に絡み合い、相互作用によって発症しているのがこれらを見ても分かりますね。
個人的考察
以上「精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか?」でした。
これらを見ると、やっぱり家族のリスクは高いと言えますね。