先週まで毎週月曜日は「精神障がいの方の平均寿命は本当に短いのか?」ってシリーズを見ていました。
実はこの記事を毎週書いていた時、もう一つ書きたい内容の記事があるんだよな~と思っていたものがありまして…。
それは精神障がいや発達障がいを発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのか…?って研究のお話です。寿命の研究同様、あまり話題にしづらい内容なんですが、実は結構研究が行われているんですよね。そして支援で気になるシーンがあるのも事実でしょう。
そこで、今回からこの辺の研究も見て行こうかと思います。



大うつ病又は双極性障害を発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのかメタ分析を行ってみた…!

2014年のニューサウスウェールズ大学の研究によると、大うつ病又は双極性障害を発症した方がいた場合、その家族のリスクはどうなのかメタ分析を行ってみたそうです。
そもそも先行研究により、大うつ病と双極性障害は、強い家族性を持つことが示唆されておりました。
例えば、大うつ病又は双極性障害のどちらかを発症した方がいた場合、一親等の家族は感情障害を発症する確率が高まるとのこと。
また、双子研究から遺伝要因も示唆されておりまして、

  • 大うつ病:33~48%
  • 双極性障害:79~83%

と推定されております。
これらが相加的に、又は環境要因も重なって、大うつ病又は双極性障害が発症していると考えられているんですな。ただ、今までメタ分析が行われていなかったんで、この度調べてみることにしたらしい。
まず研究者たちは、1977年から2011年7月までに発表された該当する研究をMEDLINEとEMBASEで検索してみたそうな。また手作業でも探してみたらしい。すると最初の検索で合計241件の研究がヒットしたそうな。また手作業でも2件見つかったらしい。次にこの中で被っている研究を除外しつつ、更に各研究の質をチェックしたそうです。
最終的に選ばれた研究は22件でして、これらを基にメタ分析を行ったんだとか。
気になる結果は以下のような感じでした。

  • 一親等の家族に大うつ病患者さんが1人いた場合と健康な人を比較した場合の大うつ病発症リスクは2.14倍(OR2.14)だった。
  • 一親等の家族に大うつ病患者さんが2人いた場合と健康な人を比較した場合の大うつ病発症リスクは3.23倍(OR3.23)だった。
  • 一親等の家族に双極性障害患者さんが1人いた場合と健康な人を比較した場合の双極性障害発症リスクは7.92倍(OR7.92)だった。
  • 一親等の家族に双極性障害患者さんが2人いた場合と健康な人を比較した場合の双極性障害発症リスクは6.58倍(OR6.58)だった。

つまり、大うつ病も双極性障害も強い家族性があるってことですね。



個人的考察




参考文献