腸内環境のところで、プロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクスが大事…!ってことを書きました。
今回は、この当たりについて軽くまとめておきます。



プロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクスってなに…?

まずは、そもそもプロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクスってなに…?って話から。プロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクスは腸内細菌そのものや腸内細菌のエサになるもののことで、それぞれを簡単にまとめると以下な感じ。

  • プロバイオティクス:腸内細菌のこと。サプリメントや発酵食品を食べることで補給可能。例としては、納豆、ぬか漬け、キムチ、ザワークラウト、ヨーグルトなど。
  • プレバイオティクス:腸内細菌のエサのこと。サプリメントやレジスタントスターチ・イヌリンのような難消化性の糖類が多く含まれる食品を食べることで補給可能。例としては、冷やした白米、冷やした茹でじゃがいもサツマイモグリーンバナナニンニク、長ネギ、アスパラガスなど。
  • シンバイオティクス:腸内細菌+腸内細菌のエサのこと。サプリメントや上記の食べ合わせで補給可能。

では、これらを意識し、食べることによってどのようなメリットがあるのか見てみましょう…!



感情と感覚の脳領域が活性化した…!

2013年のカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究によると、胃や腸に問題がなく、また精神症状のない健康な女性を対象にプロバイオティクスの効果を調べてみたそうです。具体的には、実験の参加者を以下の3グループにランダムに振り分けたとのこと。

  1. プロバイオティクスグループ(12名)
  2. 非発酵乳製品グループ(11名)
  3. 介入なし(13名)

因みにプロバイオティクスには

  • ビフィズス菌
  • サーモフィラス菌
  • ラクトバチルス ブルガリクス
  • ラクトコッカス ラクチス

なんかが含まれていたそうな。
これを1日2回飲んでもらったらしい。同様に非発酵乳製品グループも1日2回食べたそうです。合わせて、実験開始前後に参加者全員の感情と感覚、安静時の脳活動の反応を測定しておいたとのこと。
上記を4週間続けた結果、プロバイオティクスで

  • 感情と感覚の脳領域が活性化した…!

そうです。
腸内環境のところで書いた通り、やっぱ脳にも影響があったみたいですねー。



うつ症状が改善する可能性が…!

2007年のウェールズ大学スウォンジー校RCTの二重盲検によると、プロバイオティクスが気分や記憶にどのような影響を及ぼすのかを調べてみたそうです。実験は健康な124人(平均年齢は61.8歳)を対象にしたそうで、参加者を以下の2つのグループに分けたとのこと。

  1. プロバイオティクスドリンクを飲むグループ
  2. プラセボドリンクを飲むグループ

期間は3週間で、その間、毎日飲んでもらったそうな。気分と認知については、スタート時、10日後、20日後に計測したとのこと。因みにこの計測3回の時は研究室へ来てもらったそうですが、それ以外は普通に生活してもらったそうです。
んで、結果、

  • プロバイオティクスドリンクを飲んだグループで、最初、気分が落ち込んでいた人の症状が改善した…!

とのこと。
つまり、プロバイオティクスを飲むことによって、うつ症状が改善するケースがあるってことですね。これは素晴らしい…!



自閉スペクトラム症(ASD)の問題行動改善に役立つかも…!

2013年のカリフォルニア工科大学の研究によると、自閉スペクトラム症(ASD)の方って行動障害を伴うことがあるけど、これってプロバイオティクスで改善するのか…?について調べてみたそうです。実験はマウスを用いて行われたのですが、どうやら、プロバイオティクスで行動障害が改善するっぽいんですよね。
また、2011年のカリフォルニア大学デービス校の研究では、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもを対象に調べておりまして、やはり、結果は同じで自閉スペクトラム症(ASD)の問題行動が改善する可能性があったとのこと。
これらをみると、自閉スペクトラム症(ASD)の問題行動改善に役立つ可能性は十分ありそうですよねー。



プロバイオティクスで反芻思考や攻撃的な思考が減った…!

2015年のライデン大学RCTによると、プロバイオティクスがうつ病を改善または予防するための補助戦略として使える可能性があるけど、悲しい気分や落ち込みが本当に減少するのか調べてみたそうです。
今回実験に参加したのは、気分障害のない健康な男女40名で、以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. プロバイオティクスグループ:参加者20名に複数種のプロバイオティクスサプリを4週間飲んでもらった。
  2. プラセボグループ:参加者20名に4週間普通通り過ごしてもらった。

合わせて、実験開始前後に悲しい気分に対する反応度をテストしておいたとのこと。
結果、プロバイオティクスグループはプラセボグループよりも悲しい気分になった時、

  • 反芻思考が減少した…!
  • 攻撃的な思考も減少した…!
  • 悲しい気分に対するネガティブな反応が明らかに減っていた…!

そうです。
悲しい気分というネガティブがあっても、そこからずるずるとハマっていくことを回避できるのは、なかなかうれしいですね~。
この結果に研究者曰く、プロバイオティクスが悲しい気分に関係するネガティブ思考を減らすのに役立つ可能性があることを示している。プロバイオティクスを摂ることによって、うつ病の潜在的な予防対策として使える可能性がある、としています。
因みになぜプロバイオティクスが効くのかと言いますと研究者によれば、

  • 腸内細菌慢性炎症などの腸内環境を改善し、迷走神経を使って脳へ適切な指令を出せるようになったから
  • 腸内細菌がトリプトファンレベルを増やし、セロトニンの合成量(セロトニンはトリプトファンから作られる)が上がったから

の可能性を考えているみたい。
やっぱりメンタル安定に腸内細菌や腸内環境は関係がありそうですねー。



個人的考察

ということで、腸内環境の為にも納豆やキムチ、ぬか漬け、じゃがいもサツマイモグリーンバナナを積極的に食べて行こうと改めて思いました。



参考文献