当ブログではたまに慢性炎症ってのが出てくるんですが、まだしっかり書いていなかったんでご紹介しておきます。



慢性炎症ってなに…?

まず炎症ってなに…?って話から始めたいと思います。炎症とは体を守るための防御機能でして、主に免疫が自分を守ろうとする働きのことを言います。例えば、やけどをした場合に赤くなりますがあれは炎症が原因となります。
そして、炎症=皮膚の表面で起こるもの、というイメージがありますが、決してそんなことはなく、炎症は体内でも起きます。これを体内炎症なんていったりします。つまり、胃や腸なんかでも炎症は起きる…!ってことですね。
んで、炎症状態が長期間ずっと続くことを慢性炎症と呼びますが、これが非常にまずいんですよね。例えばあまり知られていませんが肥満、特にお腹周りの脂肪(内臓脂肪)は慢性炎症が起きている証拠だったりします。お腹周りの脂肪の蓄積により、免疫が24時間活動中となりますが、一方で、生死にかかわる大きな問題ではない為、特に意識しない(できない)程度の炎症がずっと続くんですよ。その結果、体全体に炎症が発生してしまいます。表面に出てくるのはかなり後で、例えばアレルギー反応なんかがその代表例だったりします。



慢性炎症によるバッドステータスが起きる仕組みとバッドステータスの種類

慢性炎症は免疫の過剰反応が原因だと思われております。
どういうことかというと、

  1. 体内炎症が起きる
  2. 免疫が炎症を鎮めようと活動する
  3. でも、ずっと炎症が起き続けるので(慢性炎症のため)、免疫もずっと活動し続ける
  4. そのうち、守るはずの体内(血管など)にも流れ弾が当たってしまう
  5. 体がダメージを受け不調が起きる…!
  6. 放っておくと、更に深刻になる…!
  7. 最後は炎症が脳まで行く…!
  8. 病気になったり、脳機能の低下、精神病が発症する…!

という嫌~なステップを踏むことになるんですよね。
いや、ほんと踏みたくないわ~。
次に具体的にどのようなバッドステータスを喰らうのかですが、慢性炎症状態になると、

  • 肥満
  • 糖尿病の発症・悪化
  • 心血管疾患などの発症・悪化
  • アレルギーの発症・悪化
  • 脳機能の低下
  • うつ病などの精神病、精神障害の発症・悪化

と、こんな感じであらゆる不調が起こったりするんですよね。
怖すぎ…。
特に、うつ症状と炎症性サイトカインの関係については以下の研究を見てみると良いです。



炎症性サイトカインでマウスがみるみるうつ状態に…。

2011年のプリンスエドワードアイランド大学の研究によると、大うつ病の患者さんやうつ病の動物は、炎症性サイトカインの濃度が高いと報告されているけど、実際関係があるのかレビューしてみたそうです。このレビューに出てくる炎症性サイトカインとうつ病の関係を調べた動物実験によると、マウスに炎症性サイトカインを投与してうつ病との関係を調べたみたい。すると、マウスはみるみるうつ状態に陥っていったそうな。
具体的には、

  • 食欲減退
  • 無気力
  • マウスの集団に入らない

のような症状が出たとのこと。
う~ん。怖いですねー。



抑うつ症状がある人は、炎症レベルが高く、体内の酸化レベル・抗酸化レベルのバランスが崩れていた…。

2014年のポンセ健康科学大学の研究によると、うつ病は炎症性サイトカインレベルの上昇と体内の酸化レベル、抗酸化レベルのバランスによって変化するのではないか…?ということを調べてみたそうです。
研究は21歳以上の男女を対象に、まずはそれぞれのうつ病の度合いをアンケートでチェック、続いて参加者全員の血液を採取したそうな。最後にアンケート結果と炎症性サイトカインレベルや体内の酸化レベルなんかを比べてみたらしい。
アンケート結果で抑うつ症状があると評価された参加者たちは、

  • 炎症レベルが高かった…。
  • 体内の酸化レベルと抗酸化レベルのバランスが変化していた…。

とのこと。
やはり人を対象にした研究でも炎症が進んでいる人ほど、うつ病の発症、症状の悪化が進んでいたみたいですね。
特に慢性炎症と腸内環境は切っても切れない関係なんでぜひメンタル安定のためにも意識していきたいですねー。



慢性炎症の原因色々

慢性炎症が起きる原因は様々なんですが、ここでは代表的なものをピックアップしてご紹介していこうと思います。


慢性ストレス

まず、最初に挙げて起きたいのが慢性ストレスです。ストレスは大きく分けて慢性ストレスと急性ストレスがあります。そしてストレスホルモンであるコルチゾールは短時間専用のシステムとして構築されておりますので、これが常に分泌し続けてしまうと慢性炎症にまっしぐらとなってしまいます。
ストレスが体に良くないってのは常識ですが、意外となんでストレスって悪いのか…?とか、実は良いストレスもあるって話はされないので、その当たりも押さえておくと上手く慢性炎症を回避できるのではないかと…。
余談ですが、運動は急性ストレスを与えるのでストレス発散効果がありますが、長時間行ってしまうと慢性ストレスとなって逆にストレスが溜まってしまいます。結果、慢性炎症になってしまうので注意が必要です。何度かご紹介している通り長時間の有酸素運動をおすすめしない理由はこれが原因となっております。


加工食品

加工食品は、オメガ6脂肪酸トランス脂肪酸などがたんま~り含まれております。そのため、腸内細菌にダメージを与え、ひいては腸内環境・腸内フローラが悪化してしまいます。こうなると、リーキーガットが起きて体内に毒素がわんさか入ってくるわ、それによる炎症が一気に加速するわで慢性炎症にまっしぐらってな感じです。


糖質を摂りまくる

何事も過ぎるは良くないってことで、極端な糖質制限も問題ですが、かといって、糖質を摂りまくるのも問題です。糖質の過剰摂取は悪玉コレステロールを増やす原因になりますし、炎症マーカー・炎症性サイトカインの分泌により血管などを傷つけ炎症を起こさせます。
そのため、糖質についてはマイルドな糖質制限に抑えるか、1日の摂取量の目安を基準に食べて行くとよろしいかと思います。また糖質はオススメな食材と避けるべき食材がありますんで合わせて意識しておくと良さげです。
因みに炎症マーカー・炎症性サイトカインには、


などがあります。また、抗炎症性サイトカイン(例:インターロイキン10(IL-10)など)もあるので、気になる方は検索をかけてみると良いかもしれません。


グルテンを摂りまくる

上記とかなり近い内容ですが、グルテンを摂りまくるのもやめておいた方がよろしいかと思います。以前に書いた通り、グルテンは、人体にとって異物として認識され免疫が暴走、メンタル悪化や体調悪化を引き起こす可能性があったりします。特にグルテン不耐性の方は注意が必要です。


脂肪を摂りまくる

上記で糖質を摂りまくると慢性炎症になる…!って話を書きましたが、どうやら脂肪を摂りすぎても慢性炎症になるみたい。
ここらへんについては、

と、様々な研究でみられたとのこと。
これらによれば、高脂肪食は急性炎症と慢性炎症の双方のリスクを高めるみたいです。
理由については糖質の時と仕組みが似ていて、脂肪を大量に摂取すると、リーキーガットが起きてしまい、結果、血中の毒素量が増えてしまうからみたい。気を付けたいですね~。

特に注意が必要なのが高脂肪食ダイエットや糖質制限ダイエットを行っている方々。高脂肪食ダイエットはそのまんまなんですが、糖質制限ダイエットを行っている方も糖質の代わりに脂肪を多く摂取していることが多いんですよね。どちらのダイエット効果も大きくはなさそうですし、それよりも上記のデメリットの方が上回るんじゃないかな~と思います。


睡眠不足

睡眠不足もかなり注意が必要です。2010年のエモリー大学の研究によると、睡眠の質が低いと、フィブリノーゲン、IL-6(インターロイキン6)、CRP(C反応性タンパク)のレベルが高かったとのこと。また、睡眠時間が6時間未満だと体内炎症レベルが大幅にアップしたみたいなんで、6時間以上の睡眠は死守するのが得策。


運動不足

運動不足も同様に注意が必要です。2010年のコペンハーゲン大学病院の研究によれば、日頃から運動不足な人は、全身に軽度の炎症が起きてしまうらしいんですよね。
ということで、慢性炎症対策にも運動はやっておいた方が良さそうです。



やっぱり慢性炎症には抗炎症食・抗酸化食が効くみたい…!

2014年のマサチューセッツ大学の研究によると、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎とクローン病)の患者さん40名を対象にして、抗炎症食・抗酸化食の効果を調べてみたそうです。
4週間以上、抗炎症食を試した結果、

  • 全ての患者さんは少なくとも炎症性腸疾患の薬が1種類以上減った…!
  • 全ての患者さんは排便回数など症状が改善した…!

とのこと。
やっぱり日々の食事で積極的に抗炎症作用・抗酸化作用のものを摂取すると腸内環境が改善し、慢性炎症が改善するみたいですね。



では具体的にどのような物を積極的に食べれば良いのか…?

基本的には抗炎症作用・抗酸化作用があるものなら何でも積極的に取り入れていきたいんですが、具体的に何を食べれば良いのでしょうか…?
そこで、おすすめのものをバーッと挙げていきます…!


ざっくりとまとめるなら、地中海式ダイエットと、カロリーの質が高い食事を基準に食べると良い感じ…!ってことですね。



個人的考察

慢性炎症対策は一朝一夕とはいかないので、なかなか大変なんですが出来るところから行っていくとよろしいかと思います。
…。
自分も頑張ろう…。