【まとめ】肉と野菜はどちらを食べるべきか食べないべきか?メリットとデメリットをじっくり考えてみる!
あっという間に正月からもう10日も経ちまして、皆様も普段の生活に戻りつつあるのではないでしょうか…?
んがしかし、ここで簡単に戻ってくれないのが年末年始で暴飲暴食したツケです(笑)
体はそう簡単に戻ってくれないんですよね。チクチョー。
そこで皆さんこれぐらいの時期から始めるのがダイエットです。そして巷には○○ダイエットってのがいっぱいありますが、人気且つ有名なのがベジタリアン系のダイエットでしょう。
これにはいくつか種類がありまして、
って感じです。
いずれも共通しているのが野菜をメインにしていく代わりに肉を避けていく傾向があります。確かに肉にはメリットもありますがデメリットもありますし、それが飼育環境や調理法、加工品かどうかなんかで変わるんですよね。まぁ、どんな食品にも必ずメリット・デメリットはあるんですが…。
筋トレするなら肉を食べた方が良い…!
今回研究に参加したのは、高齢の男性19名(年齢51~69歳、BMI27~33)でして、まず最初の一週間はベースラインを作るため、座りっぱなしの生活を送ってもらったそうです。
続いて12週間、以下のグループの食事と筋トレを行ってもらったそうな。
因みに筋トレメニューは全員同じだったそうで、どのような感じだったかと言いますと、
って感じだったらしい。
体組成と代謝を測定しつつ、最後にデータを統計処理した結果がこちらとなりました。
- 食事と関係なしに筋トレで筋力が10~38%アップしていた…!
- 但し、肉メイン食事+筋トレグループは筋肉量がアップしていたが、ラクト・オボ・ベジタリアン+筋トレグループは減っていた…!
- 外側広筋(太ももの筋肉)の筋線維タイプII(筋力・筋瞬発力)は、全員筋トレでアップしていたが、肉メイン食事+筋トレグループは16.2±4.4%アップしたのに対し、ラクト・オボ・ベジタリアン+筋トレグループは7.3±5.1%アップだった…!
つまり、筋トレするなら、肉からタンパク質をしっかり摂った方が、他からタンパク質を補給するよりも筋肉が成長する…!ってことですね。
この研究は、ケニアのエンブ(エンブー)の農村地域に住む6〜14歳(中央値7.4歳)の子ども達を対象に行われたそうで、肉の摂取によって、体の成長や認知機能の向上、行動力に違いが出るのかを調査してみたとのこと。
まず今回の実験がなぜケニアかと言いますとケニアに住む人々は、
- ヤギや鶏は飼っているけど牛を飼っている人はほとんどいない
- 動物の肉が食べられることはめったにない
- 牛乳や卵もほとんど食べられない
って感じのため、肉を摂取する場合とそうでない場合を比較できるんですよね。
実験の内容はケニアにある12の小学校の学校給食(午前中の学校のおやつ)を以下の4グループのうちの1つにランダムに振り分けて食べてもらったそうです。
- 肉グループ:10~12%の脂肪を含む細かく挽いた牛肉+ギゼリを食べてもらう。
- 牛乳グループ:牛乳を飲みつつ、ギゼリを食べてもらう。
- ギゼリグループ:ギゼリ+油を食べてもらう。
- おやつなしグループ:コントロール群。
更に実験の補足はこんな感じ。
- 上記に出てくるギゼリ(Githeri)ってのは、ケニアの豆ベースの料理らしく、トウモロコシや豆、野菜なんかが入っているらしい(詳しくはこちらをご覧ください)
- 肉グループ、牛乳グループ、ギゼリグループのカロリー量は全て同じになるよう調整済み(そのため、ギゼリグループは油を足した)
- おやつは開校中のみの提供で、休校中はなかったとのこと。
以上の条件で、実験に参加した子ども達は全員、ベースライン+その後、定期的にデータを収集されたそうです。
また、実験期間は3か月×7学期(2.25年)だったそうでサンプル数は、
- 1つ目のコホート研究:525名
- 2つ目のコホート研究:375名
だったそうな。
では結果を見てみましょう。
- 肉グループは他の3グループに比べて、期末テストの点数の合計が高かった…!特に算数のテストの点数の伸びがすさまじかった…!
- 肉グループとギゼリグループは、牛乳グループとおやつなしグループに比べて、時間が経てば経つほど、算数のテストで良い成績を出していた…!
- 肉グループは他の3グループに比べて、活発になり、率先して行動し、リーダーシップを発揮することが多くなっていた…!
- 実験に参加した子どもの中でも特に幼く発育不全の子どもだけが、牛乳を飲むと身長が高くなる傾向にあった…!
- 肉グループは上腕二頭筋(力こぶ)が大きくなっていた…!牛乳グループは肉グループよりも小さいが上腕二頭筋が大きくなっていた…!
つまり、肉を食べると、認知機能が向上し、更に行動も変わって体も成長する…!ってことですね。
肉を食べないと男性機能・女性機能が落ちる…!
まずは男性への影響から。
2014年のロマリンダ大学の後ろ向きコホート研究によると、菜食主義者の男性機能の関係について調べてみたそうです。
この研究は2009~2013年にかけて474人の男性を
- ラクト・オボ・ベジタリアン:26人
- ビーガン:5人
- 非ベジタリアン:443人
に分けて、チェックしたとのこと。
結果、
- ラクト・オボ・ベジタリアンやビーガンは、不妊とまではいかないが少なからず影響があった…!
そうです。
どうやら野菜のみ食べていると男性機能が低下してしまうみたいですねー。
続いて女性への影響についてです。
1986年のマックス・プランク精神医学研究所の研究によると、ベジタリアンと非ベジタリアンの女性機能の関係について調べてみたそうです。
この研究は19~27歳までの健康な女性18人を対象に行ったそうで、ベジタリアンと非ベジタリアンに分かれて食事をしてもらったそうな。
- ベジタリアングループ:9人
- 非ベジタリアングループ:9人
合わせて、月水金曜日に採血を行ったとのこと。
実験期間は6週間で結果は、
- 両グループとも週に平均1kgのダイエットに成功していた…!
- ベジタリアングループ9人のうち7人が月経周期が乱れ、無排卵になってしまった…!
- エストロゲン(エストラジオール・プロゲステロン)などのホルモンバランスも崩れてしまった…!
そうです。
男性同様、女性も野菜のみ食べていると女性機能が低下してしまうみたいですねー。
ということで、肉を食べずに野菜のみ食べていると、男性らしさや女性らしさに関わる機能が落ちていくみたいです。
何かのみを食べる…!ってのはやめておいた方が良さそうですね…。
糖尿病患者さんを対象にビーガン食と米国糖尿病協会の食事法を比べてみた…!
2006年のジョージ・ワシントン大学のRCTによると、2型糖尿病患者さんがビーガン食を実践したら症状が改善するのか調べてみたそうです。
今回実験に参加したのは2型糖尿病患者さん99名でして、以下の2グループにランダムに分かれてもらい各食事法を実践してもらったそうな。
- ビーガン食:49名
- 2003年版の米国糖尿病協会(ADA)ガイドラインによる食事法:50名
余談ですが、最新版である2023年版の米国糖尿病協会(ADA)ガイドラインはこちらになります。気になる方はご覧ください。
話しを戻しまして…。上記食事法を22週間続けてもらい、スタート時と違いが出たか比べてみたそうです。
結果は、
- ビーガングループは、49人中21人、つまり43%が減薬に成功した…!
- ADAガイドライン食事グループは、50人中13人、つまり26%が減薬に成功した…!
- ビーガングループは、HbA1cが0.96ポイント減少した…!薬を変更した人を除くと1.23ポイント減少した…!
- ADAガイドライン食事グループは、HbA1cが0.56ポイント減少した…!薬を変更した人を除くと0.38ポイント減少した…!
- ビーガングループは、体重が6.5kg減っていた…!
- ADAガイドライン食事グループは、体重が3.1kg減っていた…!
- ビーガングループは、悪玉コレステロールが21.2%減少していた…!
- ADAガイドライン食事グループは、悪玉コレステロールが10.7%減少していた…!
って感じでした。ビーガン食の圧勝ですね。
これをみると糖尿病にはビーガン食だ…!となりたくなりますな。
また同研究チームは上記の研究を続けた結果も発表しておりまして、2009年のジョージ・ワシントン大学の研究によれば、74週間続けた結果、
- ビーガングループの体重は-4.4kg、HbA1cは-0.34、総コレステロールは20.4mg/dL、悪玉コレステロールは13.5mg/dL
- ADAガイドライン食事グループの体重は-3.0kg、HbA1cは-0.14、総コレステロールは6.8mg/dL、悪玉コレステロールは3.4mg/dL
って感じで、やはりビーガン食の方がADAガイドラインの食事よりも成績が良かったんですよね。
ベジタリアン系と普通の食事を比べてBMIや2型糖尿病の発症率に違いが出るのか調べてみた…!
2009年のロマリンダ大学の研究によると、セミベジタリアン、ペスクタリアン、ラクト・オボ・ベジタリアン、ビーガンと普通の食事を比べてBMIや2型糖尿病の発症率に違いが出るのか調べてみたそうです。
この研究は2002年~2006年にアメリカ&カナダを対象に行われたAdventist Health Study-2という縦断研究のデータセットを用いたそうで、参加者は男性22,434人、女性38,469人とのこと。この6万人以上の方々の体重や病歴、普段の食事データなんかは自己申告アンケートで収集したそうな。
次にアンケートからセミベジタリアン、ペスクタリアン、ラクト・オボ・ベジタリアン、ビーガンのどれに該当するかチェックしつつ、合わせて統計処理をしてBMIや糖尿病なんかとの関係性について見てみたそうです。
まず平均BMIの結果から見てみましょうか。
低い順から並べていきますと、
- ビーガン(23.6)
- ラクト・オボ・ベジタリアン(25.7)
- ペスクタリアン(26.3)
- セミベジタリアン(27.3)
- 普通の食事(28.8)
とのこと。
続いて2型糖尿病の発症率ですがこちらも低い順から並べていきますと、
- ビーガン:2.9%
- ラクト・オボ・ベジタリアン:3.2%
- ペスクタリアン:4.8%
- セミベジタリアン:6.1%
- 普通の食事:7.6%
って感じでした。
またこの研究には続きがございまして、年齢や性別、人種、教育、年収、普段の運動量、テレビの視聴時間、睡眠の質、飲酒、BMIといった変数を調整し再度比べてみたんだそうな。
すると、普通の食事よりも、
- ビーガン0.51
- ラクト・オボ・ベジタリアン0.54
- ペスクタリアン0.70
- セミベジタリアン0.76
という感じで、ベジタリアン系の方が2型糖尿病のリスクが低かったみたい。
これをみると、肉を食べると糖尿病に…!ってのも有り得そうですよね。逆に野菜を食べると糖尿病予防に…!ってのも思えてきます。
ということで上記の内容を見るだけだと、肉は糖尿病の原因になるから食べない方が良い…!って結論になりそうです。合わせて野菜を食べることは糖尿病の予防・改善に効果的と言えましょう。
んがしかし、ここで終わらないところが面白いんですよね…!
肉を食べても糖尿病は改善した…!
2007年のルンド大学のRCTによると、糖代謝に問題がある人に肉を食べる食事法を行ってもらったそうです。
今回実験に参加したのは虚血性心疾患と耐糖能異常又は2型糖尿病を持っている患者さん29名でして、参加者を以下の2つの食事法グループにランダムに振り分けてみたそうです。
つまり、パレオダイエット(=肉をガッツリ食べる)と地中海式ダイエット(=肉をたまに食べる)を行って糖代謝への影響をみてみたってことですね。
実験期間は12週間で結果、
- パレオダイエットで糖代謝が26%も改善した…!
- 地中海式ダイエットで糖代謝が7%改善した…!
- 上記の結果は腹囲と関係なかった(パレオダイエットで-5.6cm、地中海式ダイエットで-2.9cmだった)
- 参加者全員でみても糖代謝の改善と体重、腹囲との変化に関係はなかった…!
つまりここから言えることは、
- 肉を食べても糖尿病は改善した…!
- 肉を多く食べるほど、糖尿病が大きく改善していた…!
ということになりますね。
あらま、全く真逆の結果ですな…。
3ヶ月間試しても肉を食べたら糖尿病リスクが低下した…!
2009年のルンド大学の研究によると、2型糖尿病の患者さんを対象に2つの食事法を試してもらい、血糖値のコントロールや心血管疾患リスクへの影響について調べてみたそうです。この研究はRCT・クロスオーバー試験のパイロット研究となっておりまして、参加者はインスリン治療を受けていない2型糖尿病の患者さん13名(女性3名、男性10名、糖尿病歴平均9年)となっております。
まず参加者には以下の2種類の食事法のどちらかをランダムな順番で試してもらったそうです。
- パレオダイエット
- 糖尿病食
それぞれの食事法の詳細についてはこのようになっておりました。
パレオダイエット
パレオダイエットとは、旧石器時代におそらく普段から食べられていただろうと思われる食品をメインに食べる食事法のこと。
具体的には、
って感じとなっております。
また実際の実験では、以下の内容が推奨されたそう。
上記以外の部分に関しては特に制限を設けなかったそうで、例えば食事法・ダイエットに良くある、炭水化物・タンパク質・脂質の割合や動物性食品と植物性食品の割合なんかは気にしなかったそうです。
因みに2002年のエモリー大学の研究によると、パレオダイエットは人類の進化的根拠を基にした食生活なんでメリットがあるぞ…!とのことです。
糖尿病食
糖尿病食は2004年のオタゴ大学の研究を基にしたみたいで、ポイントとしてはこんな感じ。
実験期間は、最初の食事法を3ヶ月間実践し切り替えて、また3ヶ月間食事法を試すという感じとなっておりました。つまり3ヶ月間×2で参加者全員に両方の食事法を試してもらったってことですね。
結果、パレオダイエットは糖尿病食よりも
- HbA1cが-0.4%も低くなっていた…!
- 脂肪酸が-0.4mmol/Lも低くなっていた…!
- 拡張期血圧(下の血圧)が-4mmHgも低くなっていた…!
- 体重が-3kgも落ちていた…!
- BMIが-1kg/m^2も減っていた…!
- 腹囲(ウエスト)が-4cmも落ちていた…!
- 善玉コレステロールがより高い平均値(+0.08mmol/L)になっていた…!
とのこと。
また、パレオダイエットは糖尿病食に比べ、
- 穀物と乳製品が少なかった
- 果物や野菜、肉、卵が多かった
- 総摂取カロリーが少なかった
- カロリー密度が低かった
- 炭水化物が少なかった
- 食事による血糖値への負荷が低かった
- 飽和脂肪酸が少なかった
- カルシウムが少なかった
- 不飽和脂肪酸が多かった
- コレステロールが多かった
- いくつかのビタミンが多かった
って特徴があったらしい。
更に、
そうで、若干パレオダイエットの方がGI値が低かったそうです。
以上を踏まえると、パレオダイエットは糖尿病食よりも血糖コントロールや心血管疾患リスクの低下に役立つ…!ってことですね。言い換えれば、3ヶ月間試しても肉を食べたら糖尿病リスクが低下したと…。
未加工の赤身肉と加工肉における冠状動脈性心疾患(CHD)と2型糖尿病のリスクについてレビューしてみた…!
これまでの経過をみてみると、
- 肉なし野菜ありだと糖尿病リスクが減った…!
って結果が出た一方で、
- 肉あり野菜ありでも糖尿病リスクが減った…!
- 肉をガッツリ食べるともっと糖尿病リスクが減った…!
って結果も出ております。つまり、矛盾が生じているってことですね。この矛盾はなぜ起こったのかについて考えていきたいと思います。
2012年のハーバード公衆衛生大学院のレビュー論文によると、未加工の赤身肉と加工肉における冠状動脈性心疾患(CHD)と2型糖尿病のリスクについて調べてみたそうです。
まず今回の研究の肉の種類の定義はこんな感じとなっております。
- 赤身肉:牛肉や豚肉、ラム肉など。
- 白身肉:鶏肉、七面鳥肉、ウサギなど。
- 加工肉:たくさんの塩や保存料・防腐剤を使った肉のこと。例としてはベーコンやホットドッグ、ソーセージ、サラミ、ランチョンミートなど。
- 未加工肉:保存料・防腐剤を使っていない新鮮な生の肉や冷凍してある肉。
では、未加工の赤身肉と加工肉が及ぼす冠状動脈性心疾患(CHD)の影響についてバーッとレビューのポイントを並べていきます。
- 2010年のハーバード公衆衛生大学院の系統的レビュー・メタ分析では未加工の赤身肉と加工肉と心疾患の発症について調べている。結果、未加工の赤身肉の摂取と冠状動脈性心疾患(CHD)リスクとの間に有意な関係性は見られなかった。また6つの観察研究で加工肉の摂取量と冠状動脈性心疾患(CHD)の発症率をチェックしたが、加工肉を1日50g摂取するごとに冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが42%もアップしていた。また前向きコホート研究に限定した場合は、冠状動脈性心疾患(CHD)リスクが44%もアップしていた。
- 2010年のハーバード公衆衛生大学院の前向きコホート研究では魚以外のタンパク源と冠状動脈性心疾患(CHD)の関係について調べている。結果、未加工の赤身肉を1日100g食べるごとに冠状動脈性心疾患(CHD)のリスクが19%アップ、加工肉を1日50g食べるごとに冠状動脈性心疾患(CHD)のリスクが20%アップしていた。また加工肉を1日100g食べるごとに冠状動脈性心疾患(CHD)のリスクが44%(約2倍)アップしていた。
- 2012年のハーバード公衆衛生大学院の研究では2つの前向きコホート研究の結果を使い未加工の赤身肉と加工肉の心血管疾患(CVD)による死亡リスクを調べている。結果、未加工の赤身肉を1日1食分食べると心血管疾患(CVD)による死亡リスクが18%アップ、加工肉を1日1食分食べると心血管疾患(CVD)による死亡リスクが21%アップしていた。また加工肉を1日100g食べると心血管疾患(CVD)による死亡リスクが46%(未加工の赤身肉と比較して約2倍)アップしていた。
以上をまとめると、
- 加工肉を1日100g食べると心疾患(冠状動脈性心疾患、心血管疾患)リスクが上がる
- 未加工の赤身肉を食べても心疾患のリスクは少しアップするか、全く関係ない
という形とのことです。
次に、未加工の赤身肉と加工肉が及ぼす2型糖尿病の影響についてバーッとレビューのポイントを並べていきます。
- 2010年のハーバード公衆衛生大学院の系統的レビュー・メタ分析では未加工の赤身肉と加工肉と2型糖尿病の発症について調べている。結果、加工肉を1日50g摂取している人は糖尿病の発症率が19%もアップしていた。未加工の赤身肉と糖尿病には関係性が見当たらなかった。5つの前向きコホート研究を見てみると1日1食のベーコン(2枚)で糖尿病の発症リスクが2倍高くなっていた。ホットドッグも同じく2倍高くなっていた。その他の加工肉は66%高くなっていた。
- 2011年のハーバード公衆衛生大学院の研究では未加工の赤身肉と加工肉の2型糖尿病リスクについて3つの前向きコホート研究を使ってメタ分析して調べている。結果、未加工の赤身肉を1日100g食べると2型糖尿病リスクが19%アップ、加工肉を1日50g食べると2型糖尿病リスクが51%アップした。また加工肉を1日100g食べると2型糖尿病リスクが2倍以上アップした。
- 2012年のワシントン大学の前向きコホート研究ではアメリカ先住民を対象に未加工の赤身肉と加工肉と糖尿病の関係について調べている。結果、加工肉の摂取量が多い場合と少ない場合を比べると糖尿病リスクが35%も高かった。しかし、未加工の赤身肉の摂取量が多い場合と少ない場合を比べても糖尿病リスクは関係なかった。
- 2002年のハーバード公衆衛生大学院の研究、2003年のハーバード公衆衛生大学院の研究、2004年のハーバード公衆衛生大学院の研究でも未加工の赤身肉の糖尿病リスクは低リスク~リスクなし、加工肉の2型糖尿病リスクは中~高リスクだった。
ということで心疾患リスク同様、2型糖尿病リスクにおいても、加工肉が問題で未加工の赤身肉は問題があっても小さそうな感じだったそうです。
ではなぜ未加工の赤身肉と加工肉でここまで違いが出たのかと言いますと、保存料・ナトリウムの含有量にあったみたい。
なんでも加工肉には1グラム当たり平均で、
- ナトリウム:約400%も多く入っていた…!
- 硝酸塩(保存料):約50%も多く入っていた…!
そうなんですよね。
そしてナトリウム約400%の違いだけで、冠状動脈性心疾患(CHD)リスクの約3分の2を占めるらしい。それに対して、未加工肉の平均ナトリウム含有量はかなり少ないことも冠状動脈性心疾患(CHD)リスクの小ささを説明していることになりそうということでした。
また硝酸塩などの保存料はアテローム性動脈硬化やインスリン抵抗性をアップさせるので、当然硝酸塩の多い加工肉は冠状動脈性心疾患(CHD)と2型糖尿病のリスクを高めるということです。
肉なし野菜ありで糖尿病が減った…!肉あり野菜ありでも糖尿病リスクが減った…!っていう矛盾がありましたが、上記の研究をみていると見えてくるものがありましたね。
元々野菜は糖尿病リスクを減らす作用がありますが、肉については糖尿病リスクをはっきりと増やしているのは加工肉で、微妙に増やしているかどうかぐらいが未加工の赤身肉って感じみたいです。つまり、肉全てが糖尿病リスクをガッツリ上げる…!ではなく、加工肉が糖尿病リスクをガッツリ上げる…!が正解だったってことですね。
この結果や野菜だけのデメリット、肉のメリットも踏まえると、やはり野菜をメインにしつつも肉も食べた方が良いと言えそうです。
2型糖尿病リスクのポイントは脂肪の摂取量よりも肥満(BMI)・加工肉…!そしてオメガ3脂肪酸は糖尿病リスクと関係ない…!
2002年のハーバード公衆衛生大学院の前向きコホート研究によると、脂肪と肉の摂取量が2型糖尿病のリスクに関係するのか調べてみたそうです。
まず研究者たちは、1986年に男性医療関係者51,529人に病歴や食事、主要な疾患などについての詳細なアンケートを実施・回答してもらったそうな。次にこの中から糖尿病や心血管疾患、がんと診断されていない方たちをピックアップ、結果、42,504人(年齢40~75歳)の方が選ばれたとのこと。
この選ばれた方たちを12年間(1986~1998年)追いかけ、2型糖尿病の発症率を追跡調査してみたそうです。合わせて参加者には過去1年間に平均でどれぐらいの頻度で各食品を食べたか聞いたらしい。因みに全く食べない又は月1回未満から1日6回以上食べるまでの9通りから選択して回答してもらったみたいです。
結果、
そうです。
つまり、脂肪の摂取量よりも肥満かどうか(BMIが高いか低いか)、加工肉の食べることが多いかどうかが大事ってことですね。また、脂肪でもオメガ3脂肪酸(魚)は糖尿病リスクと関係ないみたいです。
赤身肉・加工赤身肉は糖尿病リスクと関係がありそう…。それに比べて鶏肉は問題なし…!加工鶏肉も糖尿病リスクはかなり低そう…!
2011年のハワイ大学の前向きコホート研究によると、様々な人種と肉の消費、2型糖尿病の関係について調べてみたそうです。
この研究は、白人29,759人、日系アメリカ人35,244人、ネイティブハワイアン10,509人の計75,512人(男性36,256人、女性39,256人)が参加したもので、スタート時の年齢は45~75歳だったとのこと。この方々に、普段の食事とライフスタイルについてアンケートを行いつつ、その後、糖尿病が発症したかどうか追跡調査をしたそうです。
因みに肉の種類については以下の4つに分類し、糖尿病との関係をチェックしたそうな。
追跡調査期間の中央値は13.5年ということで、結果はこのようになったとのこと。
- 追跡期間中に糖尿病を発症した方は8,587人だった。
- 男性における赤身肉の摂取と糖尿病リスクの関係は1.43だった…!
- 男性における加工赤身肉の摂取と糖尿病リスクの関係は1.57だった…!
- 男性における新鮮な鶏肉の摂取と糖尿病リスクは関係がなかった…!
- 男性における加工鶏肉の摂取と糖尿病リスクの関係は加工赤身肉よりも低かった…!
- 女性における赤身肉の摂取と糖尿病リスクの関係は1.30だった…!
- 女性における加工赤身肉の摂取と糖尿病リスクの関係は1.45だった…!
- 女性における新鮮な鶏肉の摂取と糖尿病リスクは関係がなかった…!
- 女性における加工鶏肉の摂取と糖尿病リスクの関係は加工赤身肉よりも低かった…!
男女で多少の違いはあれど、赤身肉・加工赤身肉は糖尿病リスクと関係があったみたいですねー。それに比べて鶏肉は問題なし、加工鶏肉も糖尿病リスクはあってもかなり低そうです。
糖尿病とC反応性タンパク(CRP)は関係ない…!加工肉はやっぱり糖尿病リスクを高める…!赤身肉も糖尿病リスクを高めそうだけど肥満(BMI)の方が糖尿病リスクを高めそう…!鶏肉は糖尿病リスクと関係なし…!
この研究は、スタート時、糖尿病でなかったオランダ人4,366名を対象に行われたそうで、自宅で自己記入式のアンケートに答えてもらったらしい。このアンケートは去年に少なくとも月2回以上摂取した食べ物や飲み物をチェックするものだったそうな。更にラボにきてもらい、より正確な食べ物と飲み物の量についてチェックしたそうです。因みにこの時のアンケートは13の食品グループ、170の食品から選ぶと言うものだったとのこと。
肉製品については、赤身肉(牛肉や豚肉など)、加工肉(ソーセージやコールドカット(スライスした冷凍赤身肉)、燻製、塩漬け、保存料を使った肉など)、鶏肉の1日当たりの摂取量をグラム数で計算することができたそうです。
追跡期間の中央値は12.4年で結果、
- 456名の方が糖尿病を発症した。
- 加工肉の摂取量を50g増やすとC反応性タンパク(CRP)の値がアップした…!
- 赤身肉と鶏肉の摂取量を増やしてもC反応性タンパク(CRP)の値に変化はなかった…!
とのこと。
また、肉の摂取量の最も高いカテゴリーと最も低いカテゴリーを比べてみると糖尿病リスクは、
- 赤身肉:1.42
- 加工肉:1.87
- 鶏肉:0.95
ってことでした。
因みにC反応性タンパク(CRP)との関係性を調べたけどあまり影響がなかったそうで、影響があったのはBMIだったそうです。なんでもBMIの調整後、赤身肉のリスクが1.18に減ったそうなんですよね。
ということでまとめると、
- どうやら糖尿病とC反応性タンパク(CRP)は関係なさそう。
- 加工肉はやっぱり糖尿病リスクを高める…!
- 赤身肉も糖尿病リスクを高めそうだけど、肥満(BMI)の方が糖尿病リスクを高めそう…!
- 鶏肉は糖尿病リスクと関係なし…!
って感じでしょうか。
肉と野菜と糖尿病の関係まとめ
色々見てきましたがまとめると、
- 野菜は糖尿病リスクを下げるのは間違いなさそう
- 加工肉は糖尿病リスクをかなり上げるのは間違いなさそう
- 赤身肉(牛肉や豚肉など)は糖尿病リスクをちょい上げるか、関係なしっぽい
- 肥満(BMIが高い)が糖尿病リスクを上げるのは間違いなさそう
- 魚と鶏肉は糖尿病リスクと関係なさそう
って感じです。
つまり、野菜・魚・鶏肉を食べつつ、赤身肉はたまに食べる程度、加工肉は排除、そして肥満であれば減量する…!が対策となりそうです。
フェリチン濃度(≒体内鉄分濃度)と糖尿病はどうなのか…?
上記までは肉の種類に焦点を当てて糖尿病リスクを見てきましたが、体内の鉄分量と糖尿病リスクの関係はどうなのでしょうか…?皆さん知っての通り、肉には鉄分(ヘム鉄)が含まれておりまして、特にレッドミートと呼ばれる赤身肉(牛肉やラム肉など)に多く含まれているんですよ。
つまり、肉を食べると体内の鉄分量が増えて糖尿病に…!って可能性があるんですよね。
ここんところがどうなのか見ていきたいと思います。
フェリチン濃度(≒体内鉄分濃度)が高くなると糖尿病リスクも高くなる…!
1999年のCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の研究によると、糖尿病リスクとフェリチン濃度(≒体内鉄分濃度)の関係について調べてみたそうです。
この研究は、1988年~1994年にかけて行われた第3回アメリカ国民健康栄養調査(NHANES=アメリカ国民の代表的な健康調査)のデータセットを用いたもので、サンプルは20歳以上のアメリカ人9,486人とのこと。
この方々を対象に、フェリチン濃度や耐糖能状態、インスリンやグルコースなんかをチェックしたそうな。
年齢や性別、人種、教育、BMI、アルコール摂取量などの変数を調整した結果、
- フェリチン濃度が300micrograms/l未満の男性と300micrograms/l以上の男性を比べてみると、糖尿病リスクが4.94倍も高かった…!
- フェリチン濃度が150micrograms/l未満の女性と150micrograms/l以上の女性を比べてみると、糖尿病リスクが3.61倍も高かった…!
とのこと。
つまりフェリチン濃度が高くなると、糖尿病リスクも高くなる…!ってことですね。
体内の鉄分量を定期的な採血によって減らすと糖尿病の症状が改善する…!
2002年のジローナ大学病院の研究によると、フェリチン濃度が高い2型糖尿病患者さんを採血して、症状がどう変わるのか調べてみたそうです。
具体的には、参加者28名を以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。
- 採血グループ:参加者13名には実験開始時、2週間目、4週間目と2週間間隔で3回の採血(500ml)を行った。つまり、採血でフェリチン濃度(≒体内鉄分濃度)を下げてみた。
- 観察グループ:参加者15名には特に何もしなかった(コントロール群)
んで早速結果を見てみると2週間ごとの採血で、
- フェリチン濃度(≒体内鉄分濃度)が下がっていた。
- HbA1c(血糖値)が平均で-0.61も下がっていた…!
- 4ヶ月後の時点でスタート時よりもインスリン感受性が改善していた(採血グループ80.6±43.2%に対して観察グループ-8.6±-9.9%)
- 12ヶ月後の時点で更にインスリン感受性の改善差が開いていた(採血グループ55.5±24.8%に対して観察グループ-26.8±-9.9%)
とのこと。
どうやら体内の鉄分量を定期的な採血によって減らすと糖尿病の症状が改善するみたいですねー。
ということでまとめると、体内の鉄分量(フェリチン濃度)と糖尿病は関係があり、鉄分量が多くなればなるほど糖尿病リスクもアップする…!って感じでした。
これらを見ると、やはりレッドミートはたまに食べるぐらいに抑えて、メインは鶏肉や魚で行った方が良さそうですねー。
ヘム鉄を多く摂取する人は少なく摂取する人よりも結腸がんリスクが18%高い…!
2011年のトゥールーズ大学の研究によると、肉の鉄分であるヘム鉄と結腸がん・直腸がん(大腸がん)の関係について前向きコホート研究のメタ分析をしてみたそうです。
そもそも結腸がん・直腸がん(大腸がん)は、
- 世界で3番目に多いがん
- 裕福な国(≒先進国)の癌による死亡リスクが2番目に多いがん
なんだそうな。
んで、この結腸がん・直腸がん(大腸がん)は食事の改善で最大70%も減少する可能性があるらしい。
では具体的に食事の何を気を付ければ良いのか…?ってことで研究者たちが目を付けたのがヘム鉄です。というのも赤身肉はがんと関係がありそう…みたいな研究があったりするのに対し、白身肉は関係なさそうな結果が出ていることが多いんですよね。そして赤身肉の含まれるヘム鉄の量は白身肉のおよそ10倍なんで、ここがあやしい…!ってなったみたい。
ってことで、早速メタ分析をしてヘム鉄と結腸がん・直腸がん(大腸がん)の関係をチェックしようとしたのですが、ほとんどの研究は直腸がん(大腸がん)に関するデータを報告していなかったそうで、今回は仕方なく、ヘム鉄と結腸がんの関係のみに絞ってがんリスクを見てみたそうです。
まず研究者たちはヘム鉄と結腸がんの関係を調べた先行研究をチェック、結果、5件の前向きコホート研究をピックアップできたそうです。
この5件の研究の総サンプル数は566,607人で、結腸がんの症例は4,734件だったとのこと。
まずそれぞれの研究のヘム鉄と結腸がんリスクを見てみると、
- 1件の前向きコホート研究:ヘム鉄と結腸がんに関係はなかった…!
- 3件の前向きコホート研究:ヘム鉄の摂取量が多いと結腸がんのリスクが高くなっていた…!
- 1件の前向きコホート研究:ヘム鉄と結腸がんとの間に有意ではないが正の相関関係があった…!
そうな。
次に5つの研究のヘム鉄と結腸がんのリスクをメタ分析した結果がこちら。
- 最もヘム鉄を多く摂取していたカテゴリーの人たちは、最もヘム鉄を少なく摂取していたカテゴリーの人たちに比べて、結腸がんリスクが18%高かった…!
つまり、ヘム鉄の摂取と結腸がんのリスクには関係がある…!ってことですね。
これを見るに、やはり鉄分の観点から見ると、レッドミートは不利な感じですねー。
肉や魚を食べる人とベジタリアン系の人のBMIを比べてみた…!
2003年のオックスフォード大学の研究によると、EPIC-Oxfordを用いて肉や魚を食べる人とベジタリアン系の人のBMIを調べてみたそうです。
EPIC-Oxfordってのはヨーロッパの食事や栄養に関する自己アンケートをまとめた前向きコホート研究のデータでして、この研究では20~97歳という幅広い年齢層の健康な男女37,875人のデータが使われたそうな。
んで、このデータから以下の4つの食事グループに分けてみたとのこと。
- 肉を食べる人
- 魚を食べる人
- ベジタリアン
- ビーガン
その後、それぞれのグループのBMIを比較して肉と野菜のどちらを食べていると痩せているのかチェックしたらしい。
年齢などを調整しつつ平均BMIを見た結果がこちら。
- 肉を食べる人:BMI=24.5(男性24.41、女性23.52)
- 魚を食べる人:BMI=23.3(標準的なBMI)
- ベジタリアン:BMI=23.3(標準的なBMI)
- ビーガン:BMI=22.4(男性22.49、21.98)
上記を見ると、明らかに肉を食べるよりも野菜、特に野菜のみを食べた方が痩せているみたいですね~。
まぁ、ベジタリアン系の人ってのは、健康意識が高く、他の部分(睡眠とか運動とかストレス対策など)を気を付けていることも多いですし、逆に肉を食べる人はその辺を気にしない人が多いですからね。また、肉も加工肉か未加工肉かで結構変わっちゃいますし…。
あと、前向きコホート研究っていうのもありますんで、この結果だけでビーガン最高…!とか考えず慎重にみていく必要がありますが、スリムな体型を目指すのに野菜が重要なのは間違いないでしょうな。
カロリー制限ダイエットとラクト・オボ・ベジタリアンを長期的に比較してみた…!
2008年のピッツバーグ大学の研究によると、カロリー制限ダイエットとラクト・オボ・ベジタリアンを長期的に比較し、減量効果に違いが出るのか調べてみたそうです。
この研究は、普段座りがちな生活を送っている成人176名を対象にしておりまして、平均BMIが34.0だったそうな。つまりかなりの肥満な方々だったってことですね。
この研究は、普段座りがちな生活を送っている成人176名を対象にしておりまして、平均BMIが34.0だったそうな。つまりかなりの肥満な方々だったってことですね。
この参加者たちを以下の3グループにランダムに振り分けたそうです。
- 普通に食事(コントロール群)
- カロリー制限ダイエット
- ラクト・オボ・ベジタリアン
また毎日の食事と運動の目標を決めたり、実験開始から6か月の時点で大学の体重管理プログラムを受けたりなんかもしたらしい。
結果、
- 実験を完走できたのは132人(75%)だった。
- カロリー制限ダイエットの平均減量率は8.0%だった…!
- ラクト・オボ・ベジタリアンの平均減量率は7.9%だった…!
- つまり、カロリー制限ダイエットもラクト・オボ・ベジタリアンも減量効果は同じだった…!
とのこと。
どのようなダイエットでも1年続ければ結果は同じって感じですね。
つまり、肉を食べなければ痩せる…!って訳ではなく、単に肉と野菜のカロリー量を比べたら野菜の方が低いので痩せたという、当たり前な理屈っぽいです。
こうなるとやっぱりポイントなのは肉と野菜のどちらを食べるかではなく、カロリーの質になりそうですねー。
ほぼ肉しか食べないと太るのか…?糖尿病はどうなのか…?
ベジタリアンやビーガンは確かにダイエット効果がある…!って感じでしたが、その逆、つまり肉だけ食べたらどうなるのか…?
この答えを探る際に非常に参考になるのが1973年のアメリカ合衆国保健福祉省の研究などになります。理由はエスキモーの方々を調べてくれているからなんですよ。
エスキモーってのは、アラスカやカナダ北部、グリーンランドなんかに住んでいる先住民族のことでして、イヌイット族などと言うと分かりやすいかと思います。そしてエスキモー(イヌイット)の方たちはほとんど肉しか食べない(というかツンドラ地域なんで食べ物がアザラシの肉とかしかない)んですよね。
そんなエスキモー(イヌイット)の肥満率は男性が約4%、女性が約10%と非常に少なく、年齢を重ねるごとに肥満率はさらに下がっていくみたいです。ということでほぼ肉しか食べていないのに肥満と無縁な暮らしをしているらしい。
更に糖尿病についてなんですが1957年のアメリカ合衆国保健福祉省の研究によると、1957年にアラスカのエスキモーの方16,000人を対象に、糖尿病の発症率をチェックしております。
すると、糖尿病の発症者はわずか3~6人だったそうです。つまり、糖尿病何それ…?レベルですね。有病率が1,000分の0.2~0.4って感じなんで、野菜と同じく実は肉だけ食べても糖尿病になりづらいみたいです。
しかし、ここでポイントなのがエスキモー(イヌイット)の方たちが特別な種族という訳ではない点です。
というのも1988年の研究や1993年の研究なんかをみてみますと、近代化が進むにつれ、徐々に加工食品を使う西洋スタイルの食事を食べることが増え、結果として、糖尿病の発症率も増えてきているみたいなんですよ。
つまりまとめると、
- 確かに野菜を中心に食べるとダイエット効果はあるし糖尿病も予防できる…!
- しかし肉を中心に食べてもダイエット効果はあるし糖尿病も予防できる…!
- ポイントなのは野菜だけ、肉だけではなく、カロリーの質っぽい…!
って感じです。
サン人研究の第一人者である人類学者リチャード・ボルシャイ・リー教授の1979年の書籍には、リー教授がサン人を3年以上追いかけ続けた記録が書かれております。ボツワナ北部に住む狩猟採集民(古代の生活を今も続けている人たちのこと)であるサン人1,000人程を1973年から1986年の近代化が入る手前まで調べ続けた貴重なデータでして、なんでも、1日の摂取カロリーのうちの約40%が肉(ジビエ肉などの動物の肉)だったそうなんですよ。
にもかかわらず、平均BMIが約18.5ってな話なんでびっくりです。超スマート。
ということで、一番良さそうなのはやっぱり加工度の少ない肉と野菜を食べるに落ち着くんじゃないでしょうか…?
個人的考察
肉と野菜を比べていない研究でのそれぞれのメリット・デメリットは以下からご覧ください。
以上を踏まえると、やはり加工品を避け未加工を選ぶ、カロリーの質を気にしつつ、肉も野菜も食べた方が良いのかな~と思います。
- 赤身肉(レッドミート)、白身肉(ホワイトミート)、加工肉はどれだけヤバいのか?
- 牛肉(赤身肉)・豚肉・鶏肉の各メリット・デメリット・肉の質・AGEs
- 野菜(サラダ・食物繊維)って本当にダイエットに良いの?
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17374691
https://kenyatea.jimdofree.com/%E3%82%B1%E3%83%8B%E3%82%A2%E6%96%99%E7%90%86etc/%E3%82%AE%E3%82%BC%E3%83%AA/
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16873779
https://diabetesjournals.org/care/article/26/suppl_1/s51/21731/Evidence-Based-Nutrition-Principles-and
https://diabetesjournals.org/care/article/46/Supplement_1/S1/148054/Introduction-and-Methodology-Standards-of-Care-in
https://diabetesjournals.org/care/article/26/suppl_1/s51/21731/Evidence-Based-Nutrition-Principles-and
https://diabetesjournals.org/care/article/46/Supplement_1/S1/148054/Introduction-and-Methodology-Standards-of-Care-in
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