1月に書いた肉と野菜はどっちを食べた方が良いのか…?って話の続きです。
前回は高齢者を対象とした実験でしたが、今回は子どもだとどうなのか…?を調べた研究をご紹介します。



肉の摂取と子どもの成長について調べてみた…!

2007年のカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究によると、肉の摂取と子どもの成長について調べてみたそうです。
この研究は、ケニアのエンブ(エンブー)の農村地域に住む6〜14歳(中央値7.4歳)の子ども達を対象に行われたそうで、肉の摂取によって、体の成長や認知機能の向上、行動力に違いが出るのかを調査してみたとのこと。
まず今回の実験がなぜケニアかと言いますとケニアに住む人々は、

  • ヤギや鶏は飼っているけど牛を飼っている人はほとんどいない
  • 動物の肉が食べられることはめったにない
  • 牛乳や卵もほとんど食べられない

って感じのため、肉を摂取する場合とそうでない場合を比較できるんですよね。
実験の内容はケニアにある12の小学校の学校給食(午前中の学校のおやつ)を以下の4グループのうちの1つにランダムに振り分けて食べてもらったそうです。

  1. 肉グループ:10~12%の脂肪を含む細かく挽いた牛肉+ギゼリを食べてもらう。
  2. 牛乳グループ:牛乳を飲みつつ、ギゼリを食べてもらう。
  3. ギゼリグループ:ギゼリ+油を食べてもらう。
  4. おやつなしグループ:コントロール群。

更に実験の補足はこんな感じ。

  • 上記に出てくるギゼリ(Githeri)ってのは、ケニアの豆ベースの料理らしく、トウモロコシや豆、野菜なんかが入っているらしい(詳しくはこちらをご覧ください
  • 肉グループ、牛乳グループ、ギゼリグループのカロリー量は全て同じになるよう調整済み(そのため、ギゼリグループは油を足した)
  • おやつは開校中のみの提供で、休校中はなかったとのこと。

以上の条件で、実験に参加した子ども達は全員、ベースライン+その後、定期的にデータを収集されたそうです。
また、実験期間は3か月×7学期(2.25年)だったそうでサンプル数は、

  • 1つ目のコホート研究:525名
  • 2つ目のコホート研究:375名

だったそうな。
では結果を見てみましょう。

  • 肉グループは他の3グループに比べて、期末テストの点数の合計が高かった…!特に算数のテストの点数の伸びがすさまじかった…!
  • 肉グループとギゼリグループは、牛乳グループとおやつなしグループに比べて、時間が経てば経つほど、算数のテストで良い成績を出していた…!
  • 肉グループは他の3グループに比べて、活発になり、率先して行動し、リーダーシップを発揮することが多くなっていた…!
  • 実験に参加した子どもの中でも特に幼く発育不全の子どもだけが、牛乳を飲むと身長が高くなる傾向にあった…!
  • 肉グループは上腕二頭筋(力こぶ)が大きくなっていた…!牛乳グループは肉グループよりも小さいが上腕二頭筋が大きくなっていた…!

つまり、肉を食べると、認知機能が向上し、更に行動も変わって体も成長する…!ってことですね。