【加筆内容】タバコで認知症・認知機能低下は起こるのか?
ということで今回はその辺を見ておきます。
併せて実験期間が最低でも12ヶ月のものをピックアップしていったらしい。すると6,455件もの前向きコホート研究が見つかったそうです。その後、ここから質の高い研究を精査していったそうで、最終的に基準を満たした研究は19件だったとのことでした。因みに日本の研究も1件入っておりました(1995年の九州大学の研究)
現在タバコを吸っている人は今まで吸ったことがない人に比べ認知症リスク・認知機能低下リスクが40~80%も高い…!
2007年のオーストラリア国立大学の研究によると、タバコと認知症・認知機能低下の関係を前向きコホート研究のメタ分析で調べてみたそうです。まず研究者たちは、該当する先行研究を以下の3つのデータベースで検索してみたそうな。
- 1950年~2005年6月までの範囲でPubMedで検索
- 1872年~2005年6月までの範囲でPsycINFOで検索
- 1800年~2005年6月までの範囲でCochrane Central Register of Controlled Trialsで検索
併せて実験期間が最低でも12ヶ月のものをピックアップしていったらしい。すると6,455件もの前向きコホート研究が見つかったそうです。その後、ここから質の高い研究を精査していったそうで、最終的に基準を満たした研究は19件だったとのことでした。因みに日本の研究も1件入っておりました(1995年の九州大学の研究)
これらの研究のサンプル数と期間は、
- 認知症:総サンプル数26,374人。実験期間2~30年
- 認知機能低下:総サンプル数17,023人。実験期間2~7年
って感じで、参加者の平均年齢は74歳だったそうです。
この19件の研究をメタ分析にかけてみた結果、以下のことが分かったんだとか。
- 現在タバコを吸っている人は今まで吸ったことがない人に比べ、アルツハイマー病の発症リスク(1.79)や血管性認知症の発症リスク(1.78)が80%程高かった…!
- また全ての認知症の発症リスクは27%(1.27)高かった…!
- 現在タバコを吸っている人は今まで吸ったことがない人に比べ、時間の経過とともに認知テストの結果が悪くなっていた…!
- 過去タバコを吸っていた人と今まで吸ったことがない人は、アルツハイマー病や認知症、認知障害リスクが変わらなかった。但し、過去タバコを吸っていた人は認知機能低下率が高かった…!
- 現在タバコを吸っている人は過去タバコを吸っていた人に比べ、アルツハイマー病リスクが70%(1.70)高く、時間の経過とともに認知テストの結果も悪くなっていた…!
- 現在タバコを吸っている人と過去タバコを吸っていた人の血管性認知症の発症リスクやその他の認知症リスクに差はなかった。
この結果をざっくりまとめると、
- 現在タバコを吸っている人は今まで吸ったことがない人に比べ認知症リスク・認知機能低下リスクが40~80%も高い…!
ってことになります。嫌ですね~。
救いなのが禁煙に成功した元喫煙者は、一度も吸ったことがない人と認知症リスクが変わらなかったことですかね。まぁ、それでも認知機能低下スピードは高いみたいですが、被害を最小限に食い止めることはできるみたいです。
個人的考察
ということで、現在タバコを吸っている方も禁煙に成功すれば脳のダメージを最小限に食い止められそうな感じ。
誰しも認知症にはなりたくないと思いますんで、是非禁煙をおすすめ致します。