運動すると自信(自己効力感)がアップする…!って話を聞いたことがございませんか…?
運動は見た目が変わったりするんで、自分に自信が持てるようになるんですよ。
しかしこれらを調べた研究は障がいのない方を対象としている場合がほとんどなんで障がいのある方にも同様の効果があるのか不明だったんですな。
ってことでそこん所を調べた研究があるんで見てみましょう…!



知的障がいの方が運動すると体力や自信(自己効力感)、身体活動レベルがアップするのか…?

2018年のソウル大学校の研究によると、知的障がいのある成人が運動することによって体力や自信(自己効力感)、身体活動レベルが変化するのか調べてみたそうです。
この研究は韓国にある障がい者施設から募集された成人23名が参加したものでして、IQが45~70の軽度~中度の方が対象となったそうな。まず実験開始前に参加者全員の体力や自己効力感をテストしてスタート時のスコアを確認、続いて以下の2グループに振り分けたんだとか。

  1. 運動グループ:12名が参加したがドロップアウトが2名おり最終的なサンプル数は10名となった。10名のうち男性が7名、女性が3名で、年齢は30.60±11.00歳とのこと。またBMIは23.02±5.46だったそう。
  2. コントロールグループ:11名が参加したがドロップアウトが1名おり最終的なサンプル数は10名となった。10名のうち男性が3名、女性が7名で、年齢は31.80±11.32歳とのこと。またBMIは24.97±5.91だったそう。

ではここで運動グループのエクササイズ内容の詳細について見ておきましょうか。
今回の研究の運動プログラムは参加者の特性を考慮してデザインされた物なんだそうで、バンド筋トレ+リズミカルな有酸素運動って構成だったらしい。んで、運動プログラムは週2日1回90分間とのことで、12週間行ってもらったんだとか。
気になる流れはこんな感じ。

  1. ウォームアップ:5分
  2. リズミカルな有酸素運動:30分
  3. 小休憩:10分
  4. バンド筋トレ:30分
  5. クールダウン:5分

では更に運動メニューの詳細を見ていきましょう。
まずはリズミカルな有酸素運動から。

  • BGMを使用したリズミカルな有酸素運動で要はエアロビ。
  • BGMは童謡からK-POPまで参加者の好みや運動テンポを考慮して選定。
  • 強度は1~4週目がRPE9~11(主観的な辛さがとても軽め~軽め)、4~8週目がRPE11~13(主観的な辛さが軽め~ややきつめ)、8~12週目がRPE12~14(主観的な辛さがややきつめ)

次にバンド筋トレはこんな感じ。


因みにコントロールグループは運動プログラムには参加せず普通に過ごしてもらったそうです。
12週間後の運動プログラム終了後に、再度参加者全員の体力や自己効力感をテストして実験終了となりました。但し、運動グループ2名とコントロールグループ4名の身体活動レベルを測定するための機器の装着時間の妥当性を満たしていないため最終分析から除外されたとのことです。
結局、サンプル数は運動グループ8名、コントロールグループ6名とかなり少なくなってしまったのですが、そこから出た結果は、運動グループの方がコントロールグループよりも、

  • 筋持久力が有意にアップしていた…!
  • 筋肉量が有意ではないがアップしていた(コントロールグループは逆にダウンしていた)
  • 自己効力感が有意にアップしていた…!
  • 身体活動レベルが大幅に改善していた…!

とのこと。
因みに自己効力感については、自分自身で感じる身体能力アップについて有意差があったものの、身体的自己表現は変わらなかったってことなんで、おそらく、

  1. 運動する
  2. 身体機能がアップする
  3. 身体機能がアップしたことを自覚する
  4. そこに自己効力感を持てるようになる…!

って流れだと思われます。
運動で自信が持てるようになる仕組みは実際に見た目が変わるからってのが大きいですが、身体機能アップを自覚するのもポイントみたいですねー。



個人的考察

この研究で個人的に思ったことが、

  • 音楽を聴いてエアロビってのは、楽しく有酸素運動をできるから知的障がいの方の運動におすすめかもな~
  • 運動で自信(自己効力感)が持てるようになるのは良いよな~
  • この自信がつくのが不安感の減少にも役立っているのかもな~

って感じです。
やっぱり定期的な運動はメリットが多そうですねー。



参考文献