【加筆内容】この冬は様々な食品でメンタル改善だ! その2「続基本編」
引き続き、食品でメンタルを改善するための基本を押さえていきます。
腸脳軸(GBA)について
2015年のローマ・ラ・サピエンツァ大学の研究によると、腸脳軸についてレビューしてみたそうです。
そもそも腸と脳はコミュニケーションをとっておりまして、感情やモチベーション、高次の認知機能などに影響を与えております。このような腸と脳の相互作用を腸脳軸(GBA)って言うんですよね(2009年のカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究)。
んでこの腸と脳のコミュニケーションは、中枢神経系(CNS)や脳と脊髄、自律神経系(ANS)、腸神経系(ENS)、視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸も含まれており、健康を支える上で抑えておきたいポイントとなっております。
そしてこの腸脳軸を支える上で大事なのが腸内細菌です。様々な研究から腸内細菌が腸脳軸に重要な影響を及ぼしていることが分かっておりまして、特に最近はメンタルへの影響が注目されているんだとか。
例えば、
- 不安障害
- うつ病
- 発達障害(自閉症スペクトラム障害(ASD))
などですね。
特に気分障害(躁うつ病)と関連性が高い感じで、腸脳軸の乱れが深く関係していそうなんですな。また過敏性腸症候群(IBS)なんかもかなり怪しいなんて話も出ております。
更に記憶障害も報告されておりまして、原因はおそらくBDNFの発現変化なんじゃないかと言われております。
そんな腸内細菌は、
- GABA:γ-アミノ酪酸。ストレス低減、興奮した神経を落ち着かせる効果がある
- セロトニン:幸せホルモン。ドーパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(ノルエピネフリン)をコントロールする働きがある
- メラトニン:睡眠ホルモン。夕方から夜に向けて増え始め眠気を誘う効果がある
- ヒスタミン:食中毒を引き起こす原因物質。蕁麻疹やアレルギー反応、頭痛なんかが起きることがある
- アセチルコリン:神経伝達物質の一つ。記憶力や認知機能を調節する機能を持つ
などの神経伝達物質の生成に関わっているからが理由で、他にもカテコールアミンや硝酸塩と亜硝酸塩からの一酸化窒素の生成も関係がありそうな感じとのこと。そして腸内細菌は免疫の活性化にも寄与しているんだからすごいもんです。
そんな腸内細菌ですが、食事の影響をモロに受けます。
その話は次回からとして、ここではストレスに注目しておきましょう。様々な種類のストレスは腸内細菌に大きな影響を与えます。そして結構、敏感に反応してしまうみたいなんですよー。
例えば、
- 2014年のオハイオ州立大学の研究:社会的ストレスにわずか2時間さらされるだけで腸内細菌が変化し、乳酸菌の数が減っちゃった
- 1992年のカロリンスカ研究所の研究:ラットに長期的なストレス(慢性ストレス)を与えてみたそうなんですが、腸の粘液分泌が減ってしまった
- 1989年のINRA(INRAE)の研究:犬に食後1~3時間、80~90dBの騒音(騒々しい工場の中や地下鉄の車内、電車の車内ぐらいの音)を聞かせてストレスを与えたら、胃や腸の働きが大幅に遅くなった
ってことなんで、やっぱりストレス対策は必須ですねー。