昨日の続きです
引き続きカフェインのデメリットを見ていきます。



カフェインで骨密度が減少するのか…?

2001年のワシントン州立大学の研究によると、カフェインは高齢者の骨密度減少の原因なのか調べてみたそうです。
なんでも食事中のカフェイン摂取はカルシウムの減少を増加させるとのことで、若者の場合はカルシウムの吸収を高めることができるから問題ないけど、高齢者の場合、問題になるかもしれないんだとか。
ここについては矛盾した結果が出ているそうで、例えば、

  • 112人の閉経後の女性を対象とした2年間の研究ではカフェインと骨密度の減少に関係がなかった。
  • 2000年の研究でもカフェインとカルシウム摂取との関係性は見られなかった。
  • 一方で、1994年の研究ではカフェイン摂取によりカルシウムの減少による骨密度減少があった。

って感じで、どうにも分からん感じ。
一応、閉経後の女性は、カルシウム摂取量が低くなりがちで1日440~744mgになるのに対し、逆にカフェイン摂取量は1日450~1,120mgと多くなりがちみたいなんで、この辺も関係していそうなんですよね。


そして、この辺を更に深掘りして調べたのが2001年のクレイトン大学の研究になります。
この研究は二重盲検のランダム化臨床試験でして、参加者は66~77歳の健康な女性489人(ほとんどが白人)の方々。
んで、実験は以下の3つを行ったそうな。

  1. 横断研究:分析に該当しないデータを除外した結果、サンプル数は443人となった。研究は骨密度を測定し、カフェイン摂取量が少ないグループ(1日300mg未満)と多いグループ(1日300mgを超える)で違いがあるか見たと言うもの。
  2. 縦断研究:96人のデータを使い、低カフェイングループと高カフェイングループで骨密度の変化率が違うのか見たと言うもの。因みに追跡期間は3年間。
  3. 遺伝子型研究:ビタミンD受容体(VDR)の遺伝子型とカフェイン摂取量に関係があるか縦断研究のデータで分析してみたと言うもの。

結果は以下のようになったそうです。

  • 横断研究では、特に目立った結果はなかった。
  • 縦断研究では、カフェインの摂取量が多い女性(-1.90±0.97%)はカフェインの摂取量が少ない女性(1.19±1.08%)よりも、脊椎の骨密度が有意に低かった…!

どうやらカフェインをたくさん摂取していると骨粗しょう症リスクがアップしてしまうみたいですね~。
更にビタミンD受容体(VDR)の遺伝子型とカフェイン摂取量を調べてみた結果、1日300mgを超えるカフェインを摂取していた場合、

  • tt遺伝子型の女性(-1.98±1.22%)はTT遺伝子型(-0.34±1.42%)の女性よりも、脊椎の骨密度が有意に低かった…!
  • tt遺伝子型の女性(-0.40±1.56%)はTT遺伝子型(0.79±1.49%)の女性よりも、大腿骨頸部の骨密度が有意に低かった…!

そうです。
対して、1日300mg未満のカフェインを摂取していた場合では、tt遺伝子型とTT遺伝子型に有意差はなかったそうな。
カフェイン量が少ない場合は個人差は関係なさそうだけど、多くなると遺伝子的に骨粗しょう症リスクが高まるタイプがいるっぽいですね。



個人的考察

ということで若者は気にしなくてOKですが高齢女性でカフェインをとりまくる人は注意した方が良いかも。特に骨粗しょう症リスクが高いと言われたことがある方は要注意っすな。
因みに骨密度を踏まえた適度なカフェイン摂取量は1日300mgまでってことになるんですが、目安としては、

  • 淹れたてのコーヒーだと473mlまで
  • 淹れたての紅茶だと946mlまで

ってことなんで、コーヒーだと大体2,3杯までということになります。
やっぱここでも1日2,3杯がベストなんですね~。



参考文献