私も使っておりますが、スマホアプリの歩数計とか、スマートウォッチみたいなウェアラブルデバイスを使ったトラッカーってあるじゃないですか。
当ブログでも、


なんかの研究をご紹介していますよね。
でも上記の通り、アプリの研究が多いんですよね。
じゃあ、アップルウォッチFitbitなどは運動に効果的なのか…?ってことで、その辺も踏まえた研究を見てみます。



1日1,850歩(=小さい~中程度のプラスの効果)も増える…!

2020年のシドニー大学などの研究によると、スマホアプリやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスの身体活動トラッカーで運動量が増えたり、維持したりできるのか系統的レビュー・メタ分析を行ってみたそうです。
まず研究者たちは、2017年1月から2020年1月までに発表された該当研究をPubMed、Embase、CINAHL、PsycInfo、SciELO、ACM Digital Library、Cochrane Central Register of Controlled Trials、ClinicalTrials.govといったデータベースを用いて検索してみたそうな。またこの時、慢性疾患のない成人(18~65歳)を対象にした研究だけを選んだりしたらしい。
続いてデータベースで検索にヒットした研究の中で重複した2,662件を除いたんだとか。結果、10,548件の研究があったとのこと。更にこの中で質の低い研究を除外していったそうで、最終的には35件の研究(うち28件の研究がメタ分析に含まれた)をピックアップできたそうです。
この28件の研究の特徴は、

  • 発表時期:2014年~2019年の間
  • 発表した国:アメリカが多かった(20件)
  • 実験期間:2週間~40週間の間(平均期間13週間)
  • 総サンプル数:7,454人(うち2,107人(28%)が女性)
  • サンプル幅:14件の研究が100人未満、17件の研究が50人未満。
  • 対象者:12件の研究が活動的ではない人又は運動不足の人、6件の研究が過体重又は肥満の人
  • 測定方法:11件の研究が研究用の加速度計、3件の研究が自己申告(質問票)、14件の研究がスマホアプリ又はスマートウォッチなどのウェアラブルデバイス
  • 測定項目:21件の研究が1日の歩数、4件の研究が中~激しい身体活動量、3件の研究が週の運動日数・総身体活動量(分/週)・週のMETs

って感じ。
それでは結果を見てみましょう。

  • スマホアプリやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを使うと、1日当たり1,850歩に相当する身体活動量(=小さい~中程度のプラスの効果)が増えていた…!

やっぱり運動量を増やすのにアプリやウェアラブルデバイスを使うと良いみたいですね~。



歩数計アプリを使うと子どもは学校外でも体を動かすようになるのか…?

2023年のカトリカサンアントニオデムルシア大学RCTによると、歩数計アプリを使うと子どもは学校外でも体を動かすようになるのか調べてみたそうです。
この研究は12~16歳(平均年齢13.96±1.21歳)の子ども達400人(男性210人、女性190人)を対象にしたもので、全員を以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. 歩数計アプリグループ:240人
  2. コントロールグループ:160人(いつも通り過ごしてもらう)

更に歩数計アプリグループは以下の4グループにランダムに振り分けられたとのこと。

  1. Strava:74人
  2. ポケモンGO:59人
  3. Pacer:60人
  4. MapMyWalk:47人

一つのアプリじゃないってのは面白いですね~。
歩数計アプリグループは、最低週3回使ってもらったそうで、第1週目は1日7,000歩を目標にしつつ、その後、徐々に歩数を増やしていき、第10週目には1日12,500歩を目標にしたとのこと。また10週間の実験期間中に2回、運動量なんかを測定したみたい。
実験終了後、歩数計アプリグループの人たちはその歩数量に応じて4グループに分けたそうです。

  1. 歩数量0~25%:129人
  2. 歩数量25~50%:39人
  3. 歩数量50~75%:33人
  4. 歩数量75~100%:39人

これで運動量によっての効果も見れるわけですな。細かいですね~。
それでは結果を見てみますかー。

  • 歩数計アプリグループは歩数量グループに関係なく、身体活動レベルが増加していた…!
  • コントロールグループは身体活動レベルが変わらなかった。
  • 歩数量75~100%の人たちは、脂肪量と皮下脂肪が有意に減少していた…!
  • 歩数計アプリグループは歩数量のグループに関係なく、筋肉量の増加、ウエストの減少、VO2max(体力)の改善も見られた…!
  • 一部の歩数量グループは、筋力が増加していた…!
  • 上記の効果に男女差はなかった…!

いや~やっぱアプリを使った運動って良いんですねー。
しかも子どもにも効果があるってのはすごいですな。
因みに研究者も、子どもの太りすぎや肥満を防ぐためにアプリが使える可能性があるよねーとおっしゃっておりました。
今回研究で使われたアプリはいずれも日本語版があるんで、気になる方はリンク先からインストールしてみるとよろしいかと思います。



体型やアプリの種類の違いで運動の続きやすさに違いはあるのか…?

2024年のカトリカサンアントニオデムルシア大学準実験によると、体型やアプリの種類の違いで運動の続きやすさに違いはあるのか調べてみたそうです。
そもそも2022年にWHOが発表したヨーロッパ地域における肥満報告書によれば、10歳から19歳の青少年の24.9%が過体重であり、7.1%が肥満であるそうな。そしてスペインは過体重や肥満率が最も高い国の一つらしく、2歳から17歳の子供と青少年の200万人以上が過体重、約100万人が肥満とのこと。
そんな過体重や肥満に悩んでいる人が多い中で、アプリを使った運動介入は、この流れを変える可能性があるそうな。但し、体重の違い(標準体重と過体重・肥満)やアプリの違いでドロップアウト率が変わるのか謎だったんですよね。そこで今回研究者たちはここんところを調べてみたんだとか。
この研究は、スペインの義務教育中の子どもを対象にしたもので、まずは全員にスマホに関するアンケートに答えてもらったそうな。このアンケートは10個の質問からなりまして、スマホで勉強や睡眠に問題が起きていないか、スマホ依存度はどれぐらいか、メンタルに悪影響が出ていないかなどを見てみたそう。
次に参加した子ども達を標準体重グループと過体重・肥満グループにわけつつ、更にそれぞれのグループを4種類のスマホアプリグループ(スマホアプリはStravaPacerMapMyWalkポケモンGOを使用)にランダムに振り分けたみたい。
それと参加した子供たちの年齢は12歳から16歳の間でして、最初は合計88人が参加しておりました。その後、続けたくない、転校したなどの理由でドロップアウトした方がおります。最後までやりきった子ども達は、70人(男性31人、女性39人)でして、そのうち標準体重の方が38人、過体重・肥満の方が32人ってことでした。
ちょっと情報が多く、ごちゃごちゃしちゃうんで、以下に各グループと各人数をまとめておきます。

  1. 標準体重でStravaアプリ使用グループ:10人
  2. 標準体重でPacerアプリ使用グループ:9人
  3. 標準体重でMapMyWalkアプリ使用グループ:9人
  4. 標準体重でポケモンGOアプリ使用グループ:10人
  5. 過体重・肥満でStravaアプリ使用グループ:7人
  6. 過体重・肥満でPacerアプリ使用グループ:7人
  7. 過体重・肥満でMapMyWalkアプリ使用グループ:7人
  8. 過体重・肥満でポケモンGOアプリ使用グループ:11人

この8グループで違いを見てみたってことですね。
続いて具体的なアプリの使用方法を見てみましょう。
まず参加者全員にそれぞれのアプリを10週間使用してもらったそうです。そして期間中、最低週3回は一定の距離を歩いてもらったとのこと。
因みにStravaPacerMapMyWalkの3つは運動を促すメッセージやリマインダーがある歩数計アプリとなっております(詳しくは下記リンクからご覧ください。日本語版があるので入れて使ってみても良いかも)。ポケモンGOは、歩くと画面にポケモンが出てきて捕まえたり、たくさん歩くと報酬がもらえたりする、位置情報ゲームとなっております(詳しくはポケモンGO研究の記事をご覧ください)
話しを戻しまして、参加者全員には学校の時間外で10週間アプリを使ってもらったんですが、最初の週の目標は1日7,152歩(4.5km)だったそうです。ここから毎週595歩ずつ歩数を増やす形だったらしく、10週目の目標は12,520歩(8km)だったみたい。
それとアプリの品質評価アンケートも答えてもらったそうで、最後に集まったデータを統計処理してグループ間の違いを見てみたんだとか。
それでは結果を見てみましょう。

  • アプリの種類の違いによってドロップアウト率に有意差はなかった…!
  • 体型の違いによってドロップアウト率に有意差はなかった…!
  • 8グループのアプリの評価に有意差はなかった…!
  • 標準体重の人で見てみるとPacerの方がポケモンGOよりも一部のアプリの評価が高かった…!
  • アプリの種類の違いによってアンケート結果に有意差はなかった…!
  • 標準体重で運動量が多かった人ほど、スマホの使用率が高くなる傾向があった…!
  • 過体重・肥満にそのような傾向はみられなかった…!
  • 運動量が多かった人ほどアプリの評価が低くなる傾向があった…!

上記を見ると、体型やアプリの種類の違いによる運動の続きやすさに違いはなさそうですね。つまり、どのような人・アプリでも効果はありそうだと…。しかもどのアプリを使うことも子ども達には好評だったらしく、楽しく運動を促せた様子。大変よろしいですな。
気になるのは、歩数計アプリ(StravaPacerMapMyWalk)とゲーミフィケーションアプリ(ポケモンGO)の効果が同じだったってこと。
これについて研究者曰く、

  • ポケモンGOをゲーミフィケーションアプリとして今回選んだのが原因の可能性がある。ポケモンGOは子供たちにとって、ニーズに合わない古いアプリゲームであると認識されており、最適なゲーミフィケーションアプリではない可能性があったからだ

とのこと。ガーン。ポケモンGO研究の記事を長らく書いてきた身として悲しい言葉…。
ただ、確かに言われてみれば、ポケモンGOリリースが2016年なんで、この研究の時点(2024年)で見ても、8年前のリリースなんですよね。2024年時点で12歳から16歳の子どもたちにとっては古いゲームでニーズに合わないってのは有り得そうですな。
時代や年代に即した、ゲーミフィケーションアプリを使う、もっといえば、自分に合った、気に入った歩数計アプリや位置情報ゲームを選ぶのがベストなのかもしれませんね。



AR機能のアプリは健康改善に有効なのか系統的レビューを行ってみた…!

2024年のビルヘン・デ・ラス・ニエベス大学病院の研究によると、AR機能のアプリは健康改善に有効なのか系統的レビューを行ってみたそうです。
まず研究者たちは、2024年6月までに発表された該当研究をSCOPUS、PubMed、Web of Science、コクランで検索してみたそうな。すると102件の研究がヒットしたとのこと。次にこれらの研究の中で被っている物、質の低い物を除外していったらしい。
最終的に残った研究は12件でして、ザザーッとそれらを見てみると、半分ぐらいがポケモンGOを使った研究でした。因みに総サンプル数は5,534,661人みたい。
さて、これらの研究結果を見てみたところ、以下のことが分かったんだとか。

  • 身体的健康・社会的健康にプラスの影響をもたらしそう…!
  • メンタルにプラスの影響をもたらしそう…!
  • 上記が長期的に続くきっかけになりそう…!
  • 普段運動不足だった人のモチベアップに役立ちそう…!
  • 青少年・若年者の運動参加のモチベアップに役立ちそう…!
  • 社会貢献や環境保全活動にも貢献できるかも…?
  • 意外と怪我のリスクが少なく運動が出来そう…!
  • 子どもやアスリートの運動にも役立ちそう…!

まとめると、身体的健康・社会的健康・精神的健康に効果アリ…!って感じですね。
但し残念ながら注意点もありまして、各研究のサンプル数が少なかったり、短期の効果ばっかで長期の効果は不明だったりしております。またゲーム依存症などのリスクもありそうな感じとのこと。
なんで、その辺は今後の研究に期待…!って感じでした。



普段の運動頻度と、歩数計アプリのドロップアウト率・アプリ評価・デメリットについて調べてみた…!

2025年のカトリカサンアントニオデムルシア大学準実験によると、普段の運動頻度と、歩数計アプリのドロップアウト率・アプリ評価・デメリットについて調べてみたそうです。
これまで散々見てきたように、運動は大事であり、それは青少年にとっても変わりません。んがしかし、これまた今まで散々見てきたように分かっちゃいるけど出来ないんですな。
例えば2019年のWHOの研究によると、146の国と地域における298の学校調査のデータを使用し、11歳から17歳までの生徒160万人を対象に運動頻度を調べてみた結果、2016年の時点で、WHOが定めた最低限の身体活動の推奨事項を満たしていない生徒は全体で81.0%にも上り、そのうちの男子生徒が77.6%、女子生徒が84.7%も運動不足だったんだとか。
当然こりゃまずい…!となっておりまして、各国が必死に学校の内外で手を打っているんですが状況は芳しくないとのこと。そこで近年注目されているのが新しいアプローチの方法である、歩数計アプリを代表するようなモバイルアプリケーションを使った介入です。
実際、2022年のハンブルク大学のRCTの系統的レビュー・メタ分析によると、運動不足と座り時間の上昇を減らすのに中程度の効果があると出ているんですな。
そこで今回は更にもうちょい詳しく調べてみる、具体的には、普段の運動頻度の高い人と低い人で、ドロップアウト率・アプリ評価・デメリットが変わるのか見てみたそうです。
この研究は、12歳から16歳(平均年齢13.76±1.41歳)の生徒240名が参加したもので、まず最初に普段の運動頻度を調べてみたそうな。
すると、

  • アクティブな生徒146名
  • 非アクティブな生徒114名

に分けられたとのこと。因みに男女比は、男性135名、女性125名とほぼ同数だったんだとか。
続いて、4つのモバイルアプリ(StravaPacerMapMyWalkポケモンGO)のいずれかにランダムに割り当てられたとのこと。
そのため最終的なグループは全部で8つってことですね。

  1. アクティブな生徒がStravaを使用。
  2. アクティブな生徒がPacerを使用。
  3. アクティブな生徒がMapMyWalkを使用。
  4. アクティブな生徒がポケモンGOを使用。
  5. 非アクティブな生徒がStravaを使用。
  6. 非アクティブな生徒がPacerを使用。
  7. 非アクティブな生徒がMapMyWalkを使用。
  8. 非アクティブな生徒がポケモンGOを使用。

実験期間は10週間でして、その間、週3回、放課後にアプリを使ってもらったそうです。
最後に収集したデータを見てみた結果、以下のことが分かったそうな。

【ドロップアウト率】
  • 全体で見てみると、アプリ間の有意差はなかった。
  • アクティブな生徒だけで見てみると、アプリ間の有意差はなかった。
  • 非アクティブな生徒だけで見てみると、ポケモンGOのドロップアウト率が有意に高かった…!
  • 更に各グループのドロップアウト率を見てみると以下な感じ。
  • アクティブな生徒・Strava:29.0%
  • アクティブな生徒・Pacer:21.7%
  • アクティブな生徒・MapMyWalk:5.6%
  • アクティブな生徒・ポケモンGO:13.3%
  • 非アクティブな生徒・Strava:14.0%
  • 非アクティブな生徒・Pacer:16.2%
  • 非アクティブな生徒・MapMyWalk:20.7%
  • 非アクティブな生徒・ポケモンGO:44.8%

【アプリ評価(機能や使いやすさなど)】
  • 全体で見てみると、アプリ間の有意差はなかった。
  • アクティブな生徒だけで見てみると、アプリ間の有意差はなかった。
  • 非アクティブな生徒だけで見てみると、アプリ間の有意差はなかった。

【デメリット】
  • 非アクティブな生徒でPacerを使用したときのみ、質問票で有意に携帯電話の使用に問題が多いとなった…!
  • アクティブな生徒のみ、運動量と携帯電話の問題のある使用との間に正の相関関係があった…!

ポケモンGOだけ止めちゃう人が多かったみたいですね~。また、何故かPacerだけスマホ依存が進んじゃうみたい。それとこれはだろうな~って感じですが、アクティブな生徒が歩数アプリを始めると運動量が増えるとスマホ問題も同時に増えたみたいですね。
因みになぜポケモンGOだけドロップアウト率が高かったのかですが、

  • 最初の数週間で目新しさが薄れてしまい、作業ゲー感が出てつまらなくなったから…?
  • ポケモンGOの移動距離の記録があんま正確じゃなく問題を感じたから…?
  • ポケモンGOは電池の減りがヤバいから…?

と考えたらしい。
まぁ、個人的には飽きるのは別に良いと思うので、色々な歩数計アプリを試して自分に合う物を見つけて行けばいいのかな~と思いました。



個人的考察

なんで、運動を習慣化したい方やもうちょい運動量を増やしたい方にはおすすめですねー。



参考文献