今年の初めごろに男女におけるダイエットの違いについての記事をいくつかご紹介しました。
今回はその続きみたいな感じでして、男女における脂肪と筋肉の減り方の違いを見てみようと思います。
初回である今回は男女における脂肪の付き方の違いについてです。それでは早速見ていきましょう。



男女における脂肪の付き方に違いはあるのか…?

1988年のヨーテボリ大学の研究によると、成人の男女における脂肪の付き方の違いについて調べてみたそうです。
この研究は様々な男女27人(男性17人、女性10人)が参加したもので、まずは全員にCTスキャンを行ったそうな。続いて体重や身長、様々な部位の直径なんかから総脂肪量(皮下脂肪量=全身の脂肪量)と内臓脂肪量(=ウエスト周りの脂肪量)を測定してみたらしい。
結果、

  • 女性は総脂肪量が多かった…!つまり全身にまんべんなく脂肪が付きやすかった…!
  • 男性は内臓脂肪量が多かった…!つまりお腹周りに集中して脂肪が付きやすかった…!

とのこと。
性差によって脂肪の付く傾向が違うみたいですねー。
また、1993年のラヴァル大学の研究でも似たような実験をしております(いわゆる追試ですな)
こちらは、男性89人と女性75人の164人が参加しておりまして、およそ6倍のサンプル数です。
流れは先程とほぼ同じ感じでして、結果、

  • 女性の方が男性よりも、総脂肪として蓄積することが多かった…!
  • 男性の方が女性よりも、内臓脂肪として蓄積することが多かった…!

とのこと。
サンプル数を増やしても結果は同じだったみたいですねー。
更に2004年のメイヨークリニックの研究では、肥満における内臓脂肪の分解について調べております。
この研究は、様々な体型の男女が参加したもので、

  • 健康な痩せ型(非肥満体型)の男性:12人
  • 健康な痩せ型(非肥満体型)の女性:12人
  • 様々な肥満体型をした男性:20人
  • 様々な肥満体型をした女性:24人

が参加したと言うもの。
実験は参加者全員の遊離脂肪酸量、全身の脂肪量、各部位の脂肪量なんかをDXA(二重X線吸収法)でチェックしているんですな。因みにDXAは精度が高いチェック法となっております。
結果、

  • ウエスト周りとヒップ周りの比率は、肥満女性だと0.86±0.02(範囲0.74~1.00)、肥満男性だと0.99±0.01(範囲0.93~1.09)だった…!
  • ウエスト周りの長さは、肥満女性だと100±2cm(範囲88~113cm)、肥満男性だと109±2cm(範囲97~121cm)だった…!

とのこと。
DXAで調べてみても、やっぱり結果は同じだったみたいですねー。



個人的考察

ということで、女性の場合は、全身に脂肪が付きやすい、つまり、下半身、特にお尻や太ももなんかに多くの脂肪が蓄積しているように見える傾向があります。それに対して、男性は内臓に脂肪が付きやすい、つまり、ウエストに脂肪が集中して蓄積しているように見える傾向があります。確かに、男女における各体脂肪率の写真を見てみるとこの傾向がはっきりと見えますな。
そのため、もし上記に当てはまらない範囲まで脂肪が付きだした時は注意が必要です(因みに例外もあって、女性ホルモンの減少(閉経後の女性など)は男性のような脂肪の付き方になってしまう



参考文献