昨日の記事では、若者にハーフスクワットを行ってもらって、スロートレーニングの効果を調べた研究をご紹介しました。
結果は残念ながら、スロートレーニングは意味なし…!ってことだったんですが、まだ可能性として、

  • 種目が悪かったのでは…?
  • 高齢者だと効果が出るのでは…?

って場合があるんですよ。
ということで今回は、違う種目の場合を見ていきたいと思います。



ダンベルカールでスロートレーニングの効果を調べてみた…!

2005年のシドニー大学の研究によると、筋トレのセット数とスピードを変えると筋力アップに違いが出るのか調べてみたそうです。
この研究は、普段筋トレを行っていない健康な男女115人(男性21人女性94人、平均年齢20.6±6.1歳、身長168.1±9.1cm、体重64.2±11.6kg)が参加したそうで、まずは全員の右腕と左腕の肘関節の1RMをチェックしたそうな(つまりダンベルカールを行ったってことですね)
ベースラインが分かったところで、参加者を以下の5グループにランダムに振り分けたそうです。

  1. コントロールグループ(23人)
  2. 素早く筋トレを3セットグループ(23人)
  3. スロートレーニングを3セットグループ(23人)
  4. 素早く筋トレを1セットグループ(23人)
  5. スロートレーニングを1セットグループ(23人)

続きまして、筋トレの詳細についてはこんな感じ。

  • 全ての参加者は6~7週間の中で、18回の筋トレ(ダンベルカール)を行った(つまり週3で6週間筋トレを行った)
  • 筋トレの負荷は6~8RM(1RMの80%ぐらいの負荷)で、持ち上げられなくなるまで続けてもらった。
  • 1セット8回以上が出来るようになったら、負荷を上げて強度が6~8RMになるよう調整した。
  • 3セットの場合のセット間の休憩は最大2分間。
  • スロートレーニンググループは、3秒で上げて3秒で下していた。
  • 素早く筋トレグループは、1秒で上げて1秒で下げていた。
  • コントロールグループは、トレーニングベンチに座って何もしなかった。

筋トレ後、全ての参加者はダンベルカールで筋力のチェックをしたとのこと。
最後にデータを解析した結果がこちらとなります。

  • スロートレーニングを1セットグループは、コントロールグループに比べて、筋力が25アップしていた…!
  • 3セットグループは、実験開始時よりも筋力が48%アップしていた…!
  • 3セットグループは、1セットグループよりも筋力が23%アップしていた…!
  • 素早く筋トレグループは、スロートレーニンググループよりも筋力が11%アップしていた…!
  • 3セットと素早く筋トレを合わせて行ってもメリットはなかった…!

つまり、筋トレは1セットだと25%、3セットだと約2倍の48%、筋力アップが見込める…!ってことですね。まぁ、セット数を増やせば筋力もアップするという当たり前の結果ですな。また、素早く筋トレの方がスロートレーニングよりも良い結果が出ちゃったみたいですね。残念…。



個人的考察

ということで、種目を変えても、やっぱりスロートレーニングに目立ったメリットはございませんでした。むしろデメリットすらありそうな気配が出てきましたね。



参考文献