【加筆内容】線維筋痛症の症状改善に役立ちそうな方法を見ていくよー その5「マッサージ編」
前回、線維筋痛症の運動ガイドラインになりそうな研究をご紹介しました。
線維筋痛症にマッサージ運動療法が効くか試してみた…!
2020年のエルチェ・ミゲル・エルナンデス大学などの研究によると、線維筋痛症の女性を対象に手技療法の効果を調べてみたそうです。
手技療法ってのは徒手療法とか徒手理学療法とも言われておりまして、理学療法士の方などに道具を使わず、素手でマッサージしてもらう治療法のことを言います。なんで、マッサージ運動療法などとも言われておりますね。
んでこのマッサージが線維筋痛症の疲労感や痛み、睡眠問題、不安感に効くんじゃないのかをチェックしたのが今回の研究になります。
実験に参加したのは47~59歳の成人女性24名でして、皆、線維筋痛症の患者さんだったそうな。また、参加者の教育レベルは平均的なレベルだったとのこと。
実験方法はRCTを採用しておりまして、参加者を以下の2グループにランダムに振り分けたそうです。
- マッサージ運動療法グループ:14名
- プラセボグループ:10名
では、次に実験で行われたマッサージ運動療法について詳しく見ていきましょう。
マッサージは全て同じ理学療法士さんにより行われたそうで、適度な力で首の後ろを押すって感じの定番方法だったそうな。
具体的な頻度については以下な感じ。
- マッサージは1回15分間行った。
- 週2回行った(合計8回行った)
- 期間は1か月(4週間)を設定した。
- マッサージ療法の間隔は少なくとも48時間空けた。
マッサージ方法はこんな感じ。
- 参加者にうつ伏せになってもらう。
- 軽い圧力で押し始める。
- 目的の強さ(中程度の圧力)に達するまで押し続ける。
- 中程度の圧力かどうかは、10段階スケールを採用し、6が中程度の圧力とした。
- 圧力が6になったらその強さを維持した(副作用や痛みが出ないよう6を超えないよう注意した)
- 首の後ろの後頭筋から全体に広がるように押していった。
併せて、マッサージ前後に各症状を以下のスケールでチェックしたとのこと。
- 疲労重症度スケール(FSS):疲労感をチェックするスケール
- ビジュアルアナログスケール(VAS):痛みの度合いをチェックするスケール
- ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI):睡眠の質をチェックするスケール
- 感情プロフィール検査(POMS):気分(抑うつ・落込み、不安・緊張、疲労、怒り・敵意、活気、混乱)と気分の変化をチェックするスケール
最後に集めたデータを統計処理したそうで、結果、マッサージ運動療法グループはプラセボグループに比べて、
- 首の痛みが減った…!
- 疲労感が減った…!
- 睡眠の質が向上した…!
- 怒り・敵意といった気分が減った…!
とのこと。
どうやらマッサージによって、線維筋痛症による痛み・疲労・気分が改善し、睡眠の質もアップしたみたいですね。これが正の相関関係として有意差があったってのは嬉しいですな。
個人的考察
サンプル数が少ないこと、実験期間が短いことという問題はありますが、マッサージも良さそうな感じです。
それと個人的には、首の後ろを気持ちいいぐらいの強さで15分間押すってだけなら、セルフでもできるんじゃないのかな~とか思いました。
主治医に相談は必要かもですが、気になる方は、上記の方法を確認しつつ、お試しください。