【加筆内容】線維筋痛症の症状改善に役立ちそうな方法を見ていくよー その7「診断基準編」
今回は診断基準についてご紹介しようと思います。というのも何度か書いている通り、線維筋痛症は未だ謎が多い病気なんですが、じゃあ、その診断基準はどうなっているの…?ってのは気になる部分でしょう。
では早速見ていきたいと思います。
線維筋痛症の診断基準について
まず大事な線維筋痛症の診断基準についてのお話です。
早速結論を申しますと、実は、線維筋痛症にはこれだ…!っていう診断プロセスがないんですよ。なんでしっかり判断する方法すら見つかっていないのが現状であったりします。
ではどうやって現在診断しているのかといいますと、米国リウマチ学会(ACR)が作った分類基準を満たす場合に線維筋痛症だ…!となります。
そして、この分類基準は1990年に最初に考案されます。その後、
って感じで、3回アップデートを繰り返したんですよね。
なんで、線維筋痛症の発症率を調べた場合、当時どの時代の診断基準が使われたかによって多少の違いが出てしまうという難点がございます。この辺については2015年のアバディーン大学の研究が参考になりまして、1990年の分類基準、2010年の分類基準、2011年の分類基準を見比べているんですよね。
結果をあっさり並べますと、
- 1990年:発症率→1.7%、女性と男性の比率→13.7:1
- 2010年:発症率→1.2%、女性と男性の比率→4.8:1
- 2011年:発症率→5.4%、女性と男性の比率→2.3:1
って感じで、1990年よりも、2011年の方が、発症率が高く、男性の発症者も多い傾向にあります。
但し、これらの結果はむしろ良い事でして、というのも線維筋痛症の患者さんをより正確に診断できるようになったとも言えるんですよね。例えば、上記に挙げた2016年の分類基準の研究を見てみますと、
- 1990年の分類基準の精度:86%
- 2010年と2016年の分類基準の精度:89.5%…!
になっております。