「障がいとBDNFの関係について考える」の話の続きです
今回は摂食障害とBDNFの関係について見ていきます。



摂食障害の場合もBDNFレベルが低い…!

2003年の千葉大学の研究によると、摂食障害とBDNFの関係について調べてみたそうです。
そもそも摂食障害は、過食症(食べ過ぎ)と拒食症(食べられなくなる)という症状がありまして、一般的に女性に多い病気とされております。また、生涯発症率は約3%と言われておりまして、思春期に発症することが多く、その原因は、

  • 過度な体重へのこだわり
  • 過度な体型へのこだわり
  • 過度な自己評価

ってのがございます。
更に摂食障害になると、食べ過ぎてしまう、食べられなくなる、食べても吐いてしまうって症状の他にも

  • 抑うつ状態になる
  • 不安感に襲われる
  • 強迫観念に捕らわれる

ってことが良くあるそうな。
そんな摂食障害がBDNFレベルと関係あるんじゃないか…?ってのを調べたのが今回の研究です。まず研究者たちは実験に参加してくれる人たちを募集、続いて参加者を以下の3グループに振り分けたそうな。

  1. 過食症グループ:過食症の女性患者さん18名。平均年齢は21.6歳で範囲は16~34歳とのこと。
  2. 拒食症グループ:拒食症の女性患者さん12名。平均年齢は19.6歳で範囲は14~34歳とのこと。
  3. コントロールグループ:健康な参加者21名。平均年齢21.3 歳で範囲は20~25歳とのこと。

因みに摂食障害の方のメンタルの状態についてはハミルトンうつ病評価尺度なんかを使ってチェックしたそうな。またBDNFレベルについては採血でチェックしたとのこと。
結果は、

  • 過食症と拒食症の患者さんの血清BDNFレベルは、健康な方に比べて明らかに低下していた…!
  • 拒食症患者さんの血清BDNFレベルは、過食症患者さんに比べて明らかに低下していた…!

とのこと。
BDNFレベルは、健康な方>過食症>拒食症って順だったみたいですね。因果関係は分かりませんが摂食障害もBDNFは関係ありそうですな。
因みに摂食障害はセルフコンパッションが有効そうなんで気になる方は見てみるとよろしいかもしれません。



個人的考察

ということで摂食障害とBDNFレベルの関係でした。



参考文献