【加筆内容】知的障がいを持っていると老化・認知症になるのが早いのか?「ダウン症のある知的障がいの方編3」
昨日の続きです。
ダウン症の方の認知機能は記憶力や実行機能、運動計画から低下していく…!
2020年のウィスコンシン大学マディソン校などの研究によると、ダウン症の成人の睡眠・認知・アミロイドβの関係について調べてみたそうです。
この研究は、認知症になっていない26~56歳のダウン症の方47人に協力をお願いしたものでして、
- 睡眠:手首に装着した加速度計と本人+介護者が記録した7日間の睡眠日記で調べた
- アミロイドβ(脳内の老廃物):陽電子放射断層撮影法を用いて脳内を調べた
- 認知:様々な認知テスト、記憶力テストを行い調べた
って感じで各項目をチェックしたそうな。次に集まったデータを統計処理し、最後に共通点を照らし合わせて行ったとのこと。
んで、気になる結果は以下な感じ。
- 47人中7人(15%)の方が軽度の認知障害だった。
- 47人中40人(85%)の方は認知的に問題なかった。
- 睡眠障害、特に夜間の覚醒時間が長い人ほど、アミロイドβが明らかに高かった…!
- 睡眠障害、特に夜間の覚醒時間が長い人ほど、記憶力、実行機能、運動計画(動こうと思って動くまでの準備や反応時間)といった認知機能が明らかに低下していた…!
睡眠の質の低下によって認知機能が落ちるのは以前に紹介した通りですが、どうやらダウン症の方は記憶力、実行機能、運動計画から落ちてくるみたいですね。またこちらも以前に挙げたとおり、睡眠不足・アミロイドβの上昇がアルツハイマー病と深く関わっていそうですな。
個人的考察
ということで前回の研究結果と合わせると、ダウン症の方の認知機能は、
- 記憶力・注意力
- 実行機能・運動計画
の順で低下していきそうですね。
これらは40歳ぐらいを一つの基準として予兆を見つつ、適切に支援していきたいですねー。