先週、加工食品でメンタルがやられる…!って話をご紹介しました。
今回もその辺のついて確認しておきます。


流れの基本は、加工食品→うつ病リスクアップ…!わずかに、うつ病→加工食品の摂取量がアップ…!

2012年のラス・パルマス・デ・グラン・カナリア大学の研究によると、ファストフードや市販の焼き菓子(お菓子)とうつ病リスクの関係について調べてみたそうです。つまり加工食品とうつ病リスクの関係をチェックしたってことですな。
そもそも先行研究を見てみますと、


って感じで、どうやら加工食品とうつ病リスクは関係ありそうな感じなんですよね。
んがしかし、上記の研究は全て横断研究なんで、時間経過を伴わない研究、つまり因果関係が謎って問題がありました。
因果関係が謎ってのは、

  • 加工食品→うつ病リスクアップ…!
  • うつ病→加工食品の摂取量がアップ…!

のどっちが正しいのか謎ってことですね。
ということで縦断研究(前向きコホート研究)で加工食品とうつ病リスクの関係を見つつ、更に因果関係もチェックしてみよう…!となったのが今回の研究になります。
この研究は1999年12月21日に開始され継続的に募集し、2007年1月までに16,358人が参加したSUNプロジェクトっていうスペイン人を対象としたアンケート調査を使っておりまして、研究者はこのデータセットから追跡調査ができなくなった参加者や極端なカロリー摂取量の人なんかを除外していったそうな。結果、少なくても1回は追跡調査アンケートに回答した8,964人のデータが使えたとのこと。
また参加者の中で、最低1回は医師からうつ病の診断を受けたり抗うつ薬を使用した人をうつ病の発症症例としてカウントしたらしい。最後にそれらを統計処理して、ファストフードや市販の焼き菓子の消費量とうつ病の発症率との関係を見比べてみたそうです。
では結果を見る前にファストフードや市販の焼き菓子の具体例をチェックしておきましょう。研究者によれば、

  • ファストフード:ハンバーガーやソーセージ、ピザ
  • 市販の焼き菓子:マフィンやドーナツ、クロワッサン、その他の市販の焼き菓子

って分類に分けたみたいです。
以上を踏まえて結果を見てみますと、

  • 追跡期間の中央値は6.2年で、うつ病の症例報告は493件だった。
  • ファストフードの摂取量が多いほどうつ病リスクは高かった…!
  • ファストフードを最も消費していたグループはうつ病リスクが40%も高かった…!
  • 市販の焼き菓子の摂取量もうつ病リスクと正の相関関係があった…!
  • これらは結果は他の食品の摂取量を調整しても変わらなかった…!

とのこと。やはり従来の研究結果と同じく、加工食品とうつ病リスクは関係があったみたいですねー。
更に因果関係の部分もチェックしておきましょう。
この研究では因果関係がごちゃごちゃにならんように追跡調査の最初の6ヵ月後、12ヵ月後、18ヵ月後、24ヵ月後に報告されたうつ病の症例を除外して解析を繰り返してみたんだとか。すると関係性がわずかに減っていっていたそうで、更にその変化の割合を見てみると、

  • ファストフードの消費量が最も多いグループと最も少ないグループを比較した場合、追跡調査開始から6ヵ月後に診断された参加者を除いた場合で0.6%、追跡調査開始から12ヵ月後に診断された参加者を除いた場合で7.9%変化していた…!
  • 市販の焼き菓子の消費量が最も多いグループ~少ないグループと最も少ないグループを比較した場合、追跡調査開始から6ヵ月後に診断された参加者を除いた場合で1.2%、追跡調査開始から24ヵ月後に診断された参加者を除いた場合で13.6%変化していた…!

って感じ。
基本的には、加工食品→うつ病リスクアップ…!なんだけど、うつ病→加工食品の摂取量がアップ…!ってのもわずかにあるってことですね。
因みになんでファストフードや市販の焼き菓子といった加工食品でメンタルがやられるのかですが、研究者曰く、


ってことでした。
加工食品にはトランス脂肪酸が多く含まれており、これが体内炎症を引き起こして慢性炎症化し、結果、腸内環境が崩れたり、リーキーガットが起きたりして最後は脳(メンタル)もやられる…!って流れです。当ブログおなじみの流れですな。