前回は学習障がいと平均寿命の関係を見てみました。
今回は、眼疾患・視覚障害の方について調べた研究を見ていきます。



眼疾患・視覚障害の人の平均寿命はどうなのか…?

1995年のウィスコンシン大学マディソン校の研究によると、眼疾患・視覚障害の方の平均寿命について調べてみたそうです。
この研究は、ビーバーダム眼研究っていうデータセットを用いたもので、参加者はアメリカウィスコンシン州ビーバーダムに住む43歳から84歳の方々。1988年から1990年の間に測定された視力検査のデータを基に白内障や加齢黄斑変性、緑内障、視覚障害と生存率の関係をチェックしてみたんだとか。
実験スタート時から中央値4年後までで、人口の9.5%(467人/4926人)の方がなくなったそうで、結果、

  • 年齢と性別を調整してみると生存率の低下は、核硬化症(水晶体の老化)の重症度(最重度で5年生存率88.9%、最軽度で5年生存率94.1%)と視覚障害(5年生存率87.5%、健常者91.8%)に関係があった
  • 但し全ての変数を調整してみると、糖尿病のない人における核硬化症の重症度のみが、生存率の低下と有意に関係していた(重症度レベル当たりのHR1.19)

とのこと。
眼疾患と視覚障害が寿命に及ぼす影響はかなり限定的みたいですね。