【加筆内容】男女における脂肪と筋肉の減り方の違いを見てみよう! その3「エストロゲン(女性ホルモン)と体脂肪の付き方」
男女における脂肪と筋肉の減り方の違いを見てみよう!シリーズの続きです。
これまで、
を見てきております。
1956年の研究に代表するように、
- 閉経前の女性:お尻と太ももに脂肪が付きやすい…!
- 男性:お腹周りに脂肪が付きやすい…!
って特徴があるんですな。
んがしかし、ここでポイントなのが、閉経後の女性の場合は男性と同じような脂肪の付き方をすると言うこと。
女性ホルモン「エストロゲン」が減ると男性の脂肪の付き方に変わる…!
2000年のバーモント大学の研究によると、女性の加齢に伴う、体組成とウエストの脂肪の変化について調べてみたそうです。
今回実験に参加したのは健康な女性81名でして、以下の2グループからなります。
- 平均年齢47±3歳の閉経前の女性53名
- 平均年齢51±4歳の閉経後の女性28名
実験は参加者全員にDXA(二重X線吸収法)を行い、全体とお腹周りの体組成をチェックしてみたんだとか。
その結果、
- グループ間に筋肉量の違いはなかった。
- 閉経後の女性の全身の脂肪量は23±7kgだった。
- 閉経前の女性の全身の脂肪量は18±7kgだった。
- つまり、閉経後の女性は閉経前の女性に比べて、全身の脂肪量が28%も高かった…!
- 閉経後の女性の全身の体脂肪率は35±6%だった。
- 閉経前の女性の全身の体脂肪率は30±9%だった。
- つまり、閉経後の女性は閉経前の女性に比べて、全身の体脂肪率が17%も高かった…!
- 閉経後の女性の内臓脂肪の面積は88±32cm2だった。
- 閉経前の女性の内臓脂肪の面積は59±32cm2だった。
- つまり、閉経後の女性は閉経前の女性に比べて、内臓脂肪の面積が49%も大きかった…!
- 閉経後の女性のお腹周りの皮下脂肪の面積は277±93cm2だった。
- 閉経前の女性のお腹周りの皮下脂肪の面積は227±108cm2だった。
- つまり、閉経後の女性は閉経前の女性に比べて、お腹周りの皮下脂肪の面積が22%も大きかった…!
- 年齢や体脂肪量を調整後も、内臓脂肪における閉経後の女性の差は依然としてあった。但し、お腹周りの皮下脂肪については差が見られなかった。
- 年齢又は脂肪量を一致させた閉経前の女性と閉経後の女性を比べてみたが、全身の脂肪量と内臓脂肪量に同様の差があった…!
とのこと。
つまり、年齢や体脂肪量とは関係なく、閉経後、ウエストに脂肪が付きやすくなっていたってことですね。
また1999年のアムステルダム自由大学の研究では、性転換した人のホルモン治療で脂肪の付き方が変わるのか調べてみたそうです。
この研究は、性転換した方37人を対象に以下の2グループに分かれて追跡調査を行ったと言うもの。
- エストロゲン投与グループ:男性から女性へ性転換した方20人
- テストステロン投与グループ:女性から男性へ性転換した方17人
期間は12か月間でその間、ホルモン投与をしつつ、併せて、体重や皮下脂肪、内臓脂肪などをチェックしたらしい。
結果、男性から女性へ性転換した方は、エストロゲン投与により、
- 全身の皮下脂肪が増加した…!
- 内臓脂肪が減少した…!
とのこと。
また、女性から男性へ性転換した方は、テストステロン投与により、
- 全身の皮下脂肪が減少した…!
- 内臓脂肪がわずかに増加した…!
とのこと。
つまり、エストロゲン(女性ホルモン)で女性特有の脂肪の付き方に、テストステロン(男性ホルモン)で男性特有の脂肪の付き方になった…!ってことですね。
個人的考察
ということで、閉経を含むエストロゲンレベルの低下は男性特有の脂肪の付き方、つまりお腹周りに脂肪が付きやすくなる原因となります。
そのため、女性らしさを残しつつダイエットを成功させるには適切なホルモンバランスも気にしておくと良さげです。