【加筆内容】アンブレラレビューを見てみよう! その2「ビタミンDの健康効果」
前回は、アンブレラレビューってなに…?ってのを見てみました。
ビタミンDの健康効果についてアンブレラレビューを行ってみた…!
2014年のエディンバラ大学の研究によると、ビタミンDの健康効果についてアンブレラレビューを行ってみたそうです。
そもそもビタミンDは先行研究により、
- カルシウム
- リン
- 骨の代謝
- 骨粗鬆症
- 骨折リスク
- 筋力
- 転倒リスク
- がんリスク
- 心血管疾患(CVD)リスク
- 代謝性疾患リスク
- 感染症リスク
- 自己免疫疾患リスク
と、様々な関連性があると出ておりました。
但し、それがどの程度信頼できるエビデンスレベルなのか不明だったので、今回アンブレラレビューを行ってみることにしたらしい。
ということでまず研究者たちは、2013年10月11日までに発表された該当する先行研究をMedlineとEmbaseで検索してみたそうな。因みにこの時、系統的レビューのみ、メタ分析のみ、系統的レビューとメタ分析の3種類の研究に的を絞ったとのこと。
すると最初の検索で1,256件の研究がヒットしたんだとか。続いてこの中で質の高い研究をピックアップしていったそうで、最終的には、
- 観察研究の系統的レビュー:107件
- 観察研究のメタ分析:74件
- RCTのメタ分析:87件
を選べたそうです。
これらを用いてビタミンDの健康効果を見てみた結果、以下のようになったそうです。
- ビタミンDの摂取と、子どもの虫歯の減少、透析を必要とする慢性腎臓病(CKD)患者さんの副甲状腺ホルモン濃度の減少、出産時における母親のビタミンD濃度の上昇は関係している可能性が高かった…!
- 体内のビタミンD濃度の高さと、大腸がんリスクの低下、脊椎以外の骨折リスクの低下、心血管疾患(CVD)リスクの低下、高血圧リスクの低下、脳卒中リスクの低下、認知機能低下リスクの低下、うつ病リスクの低下、高BMIの低下、メタボリスクの低下、2型糖尿病リスクの低下、妊娠糖尿病リスクの低下と関係あるかもしれなかった…!
- 体内のビタミンD濃度の高さと、バランス感覚の上昇、透析を必要とする慢性腎臓病(CKD)患者さんのアルカリホスファターゼ濃度の低下、透析を必要としない慢性腎臓病(CKD)患者さんの副甲状腺ホルモン濃度の低下も関係あるかもしれなかった…!
- 体内のビタミンD濃度の高さと、LDLレベルの増加、大腿骨頸部の骨密度の増加、筋力の増加も関係あるかもしれなかった…!
- 体内のビタミンD濃度が高いと、透析を必要としない慢性腎臓病(CKD)患者さんの転倒リスクや高カルシウム血症リスクが増加するという、デメリットがあるかもしれなかった…!
- その他は良くわかなかった…!
アンブレラレビューでまとめてみると、意外とはっきり言えるビタミンDのメリットが少ないみたいですねー。但し、もしかしたら関係があるかも…!ってのも加えたら、結構良い感じではないでしょうか…?