先週の続きです。
今回は、マインドフルネス認知療法(MBCT)の歴史を見てみましょう…!



マインドフルネス認知療法(MBCT)の歴史

そもそも「うつ病は再発しやすい!は本当なのか?再発率はどれぐらいなのか?」の記事でも書いた通り、うつ病はうつ病エピソードの繰り返しにより再発率が高まる傾向がありました。そしてその原因はスキーマにある…!と考えられていたんですな。そのため1989の書籍(COGNITIVE BEHAVIOUR THERAPY ROF PSYCHIATRIC PROBLEMS)でもあるように、当初スキーマを変えることを目的としていたとのこと。
んがしかし、1998年の研究2000年のラドバウド大学の系統的レビューと、うつ病患者に対してスキーマ修正の認知療法を行ったんですが、依然としてうつ病の再発率が30~40%と高かったんだとか。
そこでこの再発率を更に下げるために新しい戦略として考えられたのが、思考から距離を置く脱中心化とのこと(1986年の研究)。脱中心化を育てることに焦点を当てた治療法の開発がマインドフルネス認知療法の開発につながったそうです。
そして1995年のケンブリッジMRC応用心理学ユニットの研究によると、マインドフルネス認知療法(MBCT)の当初の名称は、注意制御訓練(Attention Control Training)として発表されたそうな。なんでも2009年の書籍(Cognitive and Behavioral Theories in Clinical Practice)によると、元々注意力の分散方法を学ぶことが、うつ病の再発予防における中心的なプロセスであると考えられていたかららしい。
そして2012年の書籍(Mindfulness-based cognitive therapy for depression Second Edition)によれば、当初、注意制御訓練の一環として、マインドフルネスストレス低減法を改良した20分間のマインドフルネス訓練を行ってみたんだとか。結果は失敗だったそうなんですが、研究者たちは、マインドフルネスストレス低減法の「ポジティブもネガティブも受け入れるよう求める」というのが、脱中心化を進めることに気付き、最もネガティブな経験さえも脱中心化に利用するようになったそうです。これは、思考を変えて問題を解決することでネガティブ感情を減らそうとした認知療法(第二世代の認知行動療法)から、思考とあらゆる経験に対して態度を変えることを目的にしたアプローチへの大転換だったとのこと。
こんな感じなんで実はマインドフルネス認知療法の起源は、マインドフルネスストレス低減法(仏教に基づく起源)ではなく認知理論なんだそうです(2012年の書籍)。
因みに、ジョン・カバットジン博士の1994年の「Wherever You Go, There You Are」にマインドフルネスは「特定の方法で、意図的に、今この瞬間に、判断を下さずに注意を払うこと」と定義されておりましたが、この定義はマインドフルネス認知療法マニュアルの初版である2002年の書籍(Mindfulness-Based Cognitive Therapy for Depression First Edition)にも採用されたそうです。但し、ここは後に修正が入りまして、2012年の書籍(Mindfulness-based cognitive therapy for depression Second Edition)によると「意識」も含めたらしく、最終的に「意図的に、今この瞬間に、判断を下さずに注意を払うことから生じる意識」となったんだとか。
つまり、注意制御訓練ってのがあり、それにマインドフルネスストレス低減法の主要な要素が採用された結果、マインドフルネス認知療法が開発されたってことですね。