皆さんは自分が楽観主義と悲観主義のどちらだと思いますか…?
ご存知の通り、アメリカ文化の中で、楽観主義は非常に魅力的で人気がございます。そして楽観主義は悲観主義よりも、常に望ましいこととされております。これは日本でも同様でポジティブ…!最高…!みたいな風潮があるかと…。
しかし、


の記事に書いた通り、闇雲にポジティブになったりネガティブを否定したりしてもダメなんですよね。つまり悲観主義やネガティブイコールダメ…!って話ではないって話です(もちろんポジティブイコールダメ…!って話でもないです)
では結局、楽観主義と悲観主義のどちらが良いのか…?ってことで今回は、それぞれに合った戦略をチョイスするのが大事だよーって話をご紹介していきます。



防衛的悲観主義(DP)・戦略的楽観主義(SO)ってなに…?

世の中には悲観主義(不安タイプ)の人がいれば、楽観主義(楽天的タイプ)の人がいるようにいろんな人がいますが、どういった戦略を取ると良いのでしょうか…?
ここで非常に参考になるのが、名著「ネガティブだからうまくいく」で有名なジュリー・ノレム博士の1986年の研究になります。ノレム博士によれば、悲観主義と楽観主義にはそれぞれとるべきベストな戦略があるとのことです。そして自分のタイプに合った成功のパターンを使うと言いそうな。
ではまず、悲観主義と楽観主義がとるべきベストな戦略ってのを見ていきます。自分はどちらに当てはまりますかね~?

  • 防衛的悲観主義(DP:Defensive Pessimism):ネガティブになりやすい人がとるべき戦略。不安を事前準備の力を変え成功に導く。準備に時間をかけ成功率を上げる→「質」重視タイプ。
  • 戦略的楽観主義(SO:Strategic Optimism):ポジティブになりやすい人がとるべき戦略。トライアルアンドエラーで成功に導く。とにかく数をこなして実践数で成功率を上げる→「手数」重視タイプ。

ネガティブタイプは失敗に意識が行き過ぎるのでそれを逆手にとって質重視で勝負。ポジティブタイプは失敗を気にしないので手数重視で勝負って感じですね。
防衛的悲観主義と戦略的楽観主義は、どちらも良い戦略なんですが、自分に合っている戦略を使うことが非常に重要なんだそうです。というのも、どちらの戦略も自分に合っていない方を使うと、混乱し上手くいかないそうな。
例えば、悲観主義の人が戦略的楽観主義の戦略を使うと、パフォーマンスが非常に落ちてしまうそうです。同じく楽観主義の人が防衛的悲観主義の戦略を使ってもパフォーマンスは落ちてしまうとのこと。それに対して、悲観主義の人が防衛的悲観主義を楽観主義の人が戦略的楽観主義を使うと、パフォーマンスがアップするそうです。
確かにネガティブよりなタイプがポジティブタイプの戦略を使うと悲惨な目になるのは火を見るより明らかですよね。それこそポジティブシンキングの罠にハマってしまいますな。同じようにポジティブタイプがネガティブタイプの戦略を使うと数が少なすぎて成功や成長は見込めないですよね。
ポジティブタイプは目立つので、ついついネガティブタイプの人は憧れてまねしたくなる気持ちは分かりますが、そこは戦略の違いを意識して自分に合った戦略で行きましょう。逆もまた然り。
まずは、隣の芝生は青く見えるだけだと意識するとよろしいかと思います。



ポジティブな人はポジティブに考えると結果が良くなる…!ネガティブな人はネガティブに考えると結果が良くなる…!

悲観主義の人が防衛的悲観主義(ネガティブのメリットを活かす)という戦略を取った場合と取らなかった場合、楽観主義の人が戦略的楽観主義(ポジティブのメリットを活かす)という戦略を取った場合と取らなかった場合にどうなるのか…?
ということで早速見ていきます…!



ダーツを投げて防衛的悲観主義と戦略的楽観主義を調べてみた…!

1996年のジュリー・ノレム博士の研究によると、防衛的悲観主義と戦略的楽観主義がパフォーマンスに与える影響について調べてみたそうです。
まずノレム博士は、参加者全員が悲観主義タイプか楽観主義タイプかをチェックしたそうな。次に以下の3グループにランダムに振り分けたそうです。

  1. ダーツを投げて失敗するところをイメージしてもらう。
  2. ダーツを投げて完璧に出来たところをイメージしてもらう。
  3. リラックスしているところをイメージしてもらう。

皆がそれぞれのイメージを持ったところで、全員にダーツを投げてもらったそうです。
その結果、

  • 悲観主義の人に、ダーツを投げて失敗するところをイメージしてもらうと他のイメージよりも約30%正確に投げることができた…!
  • 楽観主義の人に、リラックスしているところをイメージしてもらうと他のイメージよりも約30%正確に投げることができた…!
  • 悲観主義の人も楽観主義の人も、ダーツを投げて完璧に出来たところをイメージしてもらうと成績が最悪になった…!

とのこと。
悲観主義の人は防衛的悲観主義を、楽観主義の人は戦略的楽観主義を使うと結果が30%も良くなる…!ってのはものすごい効果ですね。ここまでパフォーマンスに違いが出るとは…。
それと完璧主義ってのはやっぱりダメそうですね。ここも覚えておきたいところです。



絵を描いて防衛的悲観主義と戦略的楽観主義を調べてみた…!

1986年のジュリー・ノレム博士の研究によると、防衛的悲観主義と戦略的楽観主義について調べてみたそうです。
この研究は、参加者全員に絵を描いてもらう(集中力と正確さが必要な作業をしてもらう)ようお願いしたんですが、その際、以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. (研究者が参加者の大学の成績を見て)あなたは成績が良いから、今回、良い絵が描けますね…!
  2. 何も言わない(コントロール群)

これを絵を描くという課題の直前に伝えてパフォーマンスに違いが出るのか見てみたとのこと。
結果、上記の声掛けで

  • 戦略的楽観主義の人は14%もパフォーマンスが上がった…!
  • 防衛的悲観主義の人は29%もパフォーマンスが下がった…!

そうです。
防衛的悲観主義の人にとって、この声掛けは、変なプレッシャーになっちゃったって感じですな。自信を高めるどころか逆に不安度がアップし、結果、ボロボロの結果が出てしまったと。分かるな~。



暗算テストで防衛的悲観主義と戦略的楽観主義を調べてみた…!

1993年のジュリー・ノレム博士の研究によると、防衛的悲観主義と戦略的楽観主義における振り返りの効果について調べてみたそうです。
そもそもなぜノレム博士がこのような事を調べてみよう…!となったのかと言いますと、

  • 防衛的悲観主義の人に復習や反省を促したり、自分の目標や進歩状況を振り返るよう伝えるとパフォーマンスとモチベーションがアップするのではないか…?
  • 逆に戦略的楽観主義の人がこれらを行うとパフォーマンスとモチベーションが下がるのではないか…?

って仮説があったからみたいです。
では具体的にどんな感じで調べたのかと言いますと、まず参加者全員に自分が防衛的悲観主義と戦略的楽観主義のどちらに該当するのかアンケートに回答してもらったそうです。
次に暗算テストを受けてもらったそうな。暗算テストは2ケタの数字の足し引きをしていくもので、例えば、15+47–73みたいな問題を頭の中で考えてもらったらしい。
また、じっくり考える機会を与えてみたり、暗算テストの直前に別の課題で気分転換をさせてみたり、暗算テストで起こり得る最悪の結果とそれに対してどう思うかを書いてもらったりもしてもらったそうな。
結果、

  • じっくり考えさせても戦略的楽観主義の人は特にメリットがなかった…。
  • しかし、防衛的悲観主義の人にじっくり考えてもらうとメリットがあった…!
  • 防衛的悲観主義の人に暗算テストの直前に別の課題で気分転換をさせてみるとテストの結果が悪くなった…!
  • 防衛的悲観主義の人に暗算テストで起こり得る最悪の結果とそれに対してどう思うかを書いてもらうとテストの結果が良くなった…!
  • 防衛的悲観主義の人における暗算テストの直前に別の課題で気分転換をさせてみた場合と、暗算テストで起こり得る最悪の結果とそれに対してどう思うかを書いてもらった場合とでは、テストの結果が約25%も違っていた(気分転換の方が約25%も低かった)…!

とのこと。
やはり、防衛的悲観主義の人には不安のメリットを感じられるようにしてあげた方が良さそうですね~。



保険営業の仕事で防衛的悲観主義と戦略的楽観主義を調べてみた…!

ポジティブ心理学で有名なマーティン・セリグマン博士の1986年の研究によると、防衛的悲観主義と戦略的楽観主義における保険営業の仕事のパフォーマンスと離職率について調べてみたそうです。
この研究は保険営業の仕事をしている方197人を対象に2つの実験を行ったそうで、それぞれの概要は以下な感じ。

  • 実験1:実験参加者が防衛的悲観主義の人か戦略的楽観主義の人かを調べたのち、横断研究を用いて営業成績との関係を見比べてみた。
  • 実験2:保険代理店の新入社員を対象にして防衛的悲観主義の人か戦略的楽観主義の人かを調べた。その後1年間追跡調査し、離職率をチェックした。

皆さんもご存知の通り、保険営業の仕事は要らないと言われてもすぐに気持ちを切り替えられる回復力と忍耐力を必要とするきつい仕事です。このような仕事に防衛的悲観主義と戦略的楽観主義のどちらが向いているのか調べたってことですね。
2つの実験から分かったことは、

  • 戦略的楽観主義の人は防衛的悲観主義の人よりも、入社後2年間で37%も多く保険を販売していた…!
  • 戦略的楽観主義の人は防衛的悲観主義の人よりも、入社後1年間で離職した人が半分だった…!

とのこと。
保険営業の仕事は1件1件の売れた売れなかったにこだわらず、どんどん数をこなしていかなければならない仕事なんで、やっぱり戦略的楽観主義の人と相性がいいみたいですね。
それに対して数ではなく一つ一つの質で勝負する防衛的悲観主義の人には、相性が悪いみたいです。確かに、1件ダメだった…のようなネガティブな出来事を経験しただけで生産性が落ちちゃったりするんで、断られる(失敗する)のが普通の仕事である保険営業の仕事は当然うまくいかないし、退職にもつながりますわな。



戦略的楽観主義はネガティブな出来事にこだわらない…!

マーティン・セリグマン博士の2006年の書籍によると、防衛的悲観主義と戦略的楽観主義では物事がうまくいかない時の考え方や視点が違うそうです。
なんでもネガティブな出来事が起きた時、防衛的悲観主義の場合は、

  • 原因は自分のせいだと思ってしまう(プレゼンが上手くいかなかった時はそれが自分が下手だからだと思ってしまう)
  • ずっと続くと思ってしまう(決して良くならないと思ってしまう)
  • 皆に知られてしまうと思ってしまう(同僚や家族からの信頼を失うと思ってしまう)

といった感じになってしまうそうな。
一方で、ネガティブな出来事が起きた時、戦略的楽観主義の場合は、

  • 原因は自分のせいだけではないと思える(プレゼンが上手くいかなかった時はそれは聴く側の準備不足だった可能性があると思える)
  • 練習して改善できると思える
  • 他で挽回し、家族で楽しい夜を過ごせると思える

といった感じとのこと。
こうしてみると、やっぱり皆が戦略的楽観主義に憧れるのは分かりますな。また、それぞれが自分に合っていない戦略を取ってもかなりまずそうなのも納得ですね。



誠実性と神経症傾向が高い人は仕事が出来るし難しい仕事ほどパワーを発揮する…!超ポジティブな人はたまにネガティブになる人よりも仕事のパフォーマンスが低い…!

2011年の研究によると、性格特性とパフォーマンスの関係について調べてみたそうです。
つまりビッグファイブと仕事が出来る人かどうかをチェックしたってことですな。
早速結論を見てみますと、

  • 仕事のパフォーマンスと関係があったのは誠実性(まじめ度)と神経症傾向(心配しやすさ)だった。
  • 誠実性神経症傾向が高い人は、仕事のパフォーマンスが高かった…!
  • 誠実性神経症傾向が高ければ高い程、簡単な仕事よりも難しい仕事の方がパフォーマンスはアップしていた…!
  • 平均すると、全く心配しない人(超ポジティブな人)はたまに心配する人(たまにネガティブになる人)よりも仕事のパフォーマンスが低かった…!

とのこと。
まじめにコツコツ努力する人は仕事のパフォーマンスが高いってのは想像できますが、不安や緊張心配しやすい人も同様に仕事のパフォーマンスが高い…!ってのは面白いですね。危機管理能力が高いってことでしょうな。そして、難しい問題の方がその能力は発揮されるみたい。
更に面白いのが全体的にポジティブな人よりもネガティブの人の方が仕事が出来る人が多い…!ってこと。やはり、この当たりを見てもネガティブタイプは防衛的悲観主義を上手く使っていった方が良さげですね~。



起業家がポジティブだと新規事業の利益は少ないし成長も遅い…!

2009年の研究によると、楽観主義と会社の業績の関係について調べてみたそうです。
この研究は、起業家がポジティブな場合における、新規事業のパフォーマンスについてチェックしたそうな。
結果、

  • 起業家が楽観主義であればあるほど、新規事業の業績(収益や雇用)は少なくなっていた…!

とのこと。
どうやら起業家が超ポジティブだと、新しい事業の利益は少ないし、成長が遅くなるみたいです。



CEOが楽観主義だとハイリスクをとりやすく借金しやすい…!

2013年のデューク大学の研究によると、CEOのポジティブさと経営の意思決定の関係について調べてみたそうです。
この研究は、1,000人以上のアメリカ企業のCEOやその他の国のCEO、CFO(最高財務責任者)を対象に行ったもので、経営方針やリスク回避、時間優先度、報酬なんかのアンケートに答えてもらったそうな。
まずCEOについて細かく見る前に、CEOとCFOを比較したところから見ていきましょう。どのような感じだったかと申しますと、

  • CEOは同年代の一般人よりも、はるかにリスク許容範囲(ハイリスクをとる可能性)が広かった…!
  • CEOは一般人よりも、はるかに楽観的であった…!また80%以上が「非常に楽観的」と答えていた…!
  • CEOはCFOよりはるかに楽観的であった…!
  • アメリカ企業のCEOやCFOはアメリカ以外の国のCEOやCFOよりも楽観的であった…!

って感じでCEOは楽観主義の方が多そうです。
また楽観主義のCFOは楽観主義のCEOよりも少ない傾向にあるみたい。この辺も面白い結果ですな。

続いてCEOについて見ていきます。
この研究ではCEOが最も影響力を持っている分野である、合併と買収(M&A)について主に聞いてみたみたいで、結果は、

  • CEOのリスク許容範囲が広ければ広い程、その企業はより多くの合併や買収をしていた…!
  • 楽観的なCEOは、それほど楽観的ではないCEOに比べ、多くの短期の借り入れをする傾向にあった…!
  • 男性は女性よりも自信過剰になる傾向があること示す先行研究が増えているが、男性CEOは女性CEOに比べ、負債比率、特に短期の負債比率が高い傾向にあった…!
  • 過去や将来の成長率が高い企業は、リスク許容範囲が広いCEOの可能性が高かった…!
  • 若いCEOほど自信を持っている可能性が高かった…!
  • リスクを回避するCEOは給与で報酬を受ける可能性が大幅に高かった…!
  • 時間優先度が高い(=せっかちな)CEOは、時間優先度に比例して、より多くの給与が支払われることが多かった…!

とのこと。
どうやらCEOが楽観主義であればあるほど、ハイリスクをとりやすく、また、高い借金を負いやすいみたい。それと、もしかしたら、楽観的なCFOがCEOよりも少ない理由はこの借金の部分が関係あるのかもしれませんね。
因みに注意点としては、因果関係は不明であることです。つまり、楽観主義の人はCEOになりやすいのか、それともCEOになると人は楽観主義になるのかが分からないということ。この辺は謎っぽいです。

これらを見ると、楽観主義の人だけで進んでいくのは危険な感じがしますな。やはり何事もバランスが大事で、楽観主義の人の相棒には悲観主義の人がいた方が良さそうですねー。
つまり、防衛的悲観主義と戦略的楽観主義、それぞれの性格にあった戦略を使っている者同士がタッグを組むと会社は上手くいきやすいのかもしれませんね。



自分の思考スタイルに合った戦略を使っている者同士がチームになると最強…!

結局、悲観主義と楽観主義はどちらが良いのか…?
この問いの答えに関して、アダム・グラント教授の2011年の研究によれば、結局のところ、どっちの戦略も極端すぎるのは良くないとのこと。当ブログでおなじみの過ぎるは良くないってのはここでも通じるみたいです。
ではどうしたらいいのかというと、悲観主義と楽観主義の長所を併せ持ったハイブリット型が良いそうな。ヤーキーズ・ドットソンの法則みたいなバランスを目指せ…!ってことですね。つまり、楽観主義の人が持つポジティブな考え方に悲観主義の人が持つあらゆる状況に対するリスク管理・対策をバランスよく保つことが良いってことですな。

しかし、そんなの出来たら苦労せんよ…!って思いますよね(笑)
そこでポイントになるのが悲観主義と楽観主義のバランスを一人で達成しようとしないことです。つまり、防衛的悲観主義の人と戦略的楽観主義の人を同じチームに加え、チームの総合点で勝負すると良い…!ってことです。
自分の思考スタイル(悲観主義か楽観主義か)に合わせて、防衛的悲観主義か戦略的楽観主義を選んで長所として発揮し、その長所として発揮している者同士が合わさることで、柔軟な考え方や対応のできる良いチームが出来るって感じですな。

ということで、兎角ポジティブな人の方が持てはやされる昨今。ネガティブな人にはつらい現状でありますが、そもそもポジティブな人とネガティブな人とでは、能力を発揮できる条件が違うという話でした。つまり、ただネガティブな人がポジティブな人のまねをするのはダメってことですね。
良く言われる「ポジティブな人=優秀な人、ネガティブな人=優秀でない人」という訳ではなく、自分に合った戦略(防衛的悲観主義か戦略的楽観主義)を取っている人が優秀になれるって感じです。
なんで、これらを踏まえると、

  1. 自分がポジティブよりな人(楽観主義)なのか、ネガティブよりな人(悲観主義)なのかを知る
  2. ポジティブよりな人(楽観主義)は戦略的楽観主義を使って能力を発揮する…!
  3. ネガティブよりな人(悲観主義)は防衛的悲観主義を使って能力を発揮する…!
  4. その上で、なるべく極端にならないよう個人で努力し、真ん中に近づけていく…!
  5. それでも限界があるので、戦略的楽観主義で能力を発揮している人と防衛的悲観主義で能力を発揮している人が一つのチームになってお互いの長所を活かし合う…!

とよろしいのではないでしょうか。
自分の能力を活かすときにはもちろん、チームを作る時もぜひ参考にしていきたいですね…!



仕事のタイプは大きく2つに分かれるらしい…。

if-thenプランニングGRITのところで登場したコロンビア大学のハイディ・グラント・ハルバーソン博士の書籍によると、仕事のタイプは大きく2つに分かれるらしい…。その2つは攻撃型と防御型と言われるそうな(なんだかゲームみたい(笑))
攻撃型と防御型の要点等をまとめると以下のようになります。


①攻撃型

  • トライアルアンドエラータイプ
  • ポジティブなタイプ
  • クリエイティブ性が高い
  • どんどん数をこなして手数で成果を挙げる
  • 基本的に褒めて伸ばす(伸びる)と良い
  • 分かりやすく成長を実感させると良い
  • ご褒美を用意してあげると良い


②防御型

  • 一つ一つの質を上げて成功し成長するタイプ
  • ネガティブなタイプ
  • クリエイティブ性が低い
  • 事前の準備や分析、問題解決能力が高い
  • 基本的に他者からの正確な評価をもらうとモチベーションがアップする
  • 余裕ある、リカバリーの効く計画・締め切りを用意すると良い
  • 進捗状況が把握できるよう努めると良い


自分のタイプを見極め、それに合った戦略を行うとよろしいかと思います。
また利用者さんや部下など、他者に使う際も同様でタイプに合った戦略を使ってみてください。
是非、他人がそうしているから~ではなく、自分の性格にあった戦略で成長していきましょう…!くれぐれも無駄な努力にご注意を…。



防衛的悲観主義・戦略的楽観主義テスト

最後に自分が防衛的悲観主義・戦略的楽観主義のどちらの戦略をとれば良いのかのテストをご紹介しようと思います。まぁ、自分がポジティブ人間かネガティブ人間かはおそらくテストなんかしなくても分かっているとは思いますが、客観的な評価が欲しい方もおりましょう。
今回ご紹介する防衛的悲観主義・戦略的楽観主義テストは、この分野の第一人者であるジュリー・ノレム博士が作ったものでして、全12問の質問に7段階で答えると言うもの。
そんなに時間もかからず簡単なんで、早速やってみましょう…!

まず、あなたがベストを尽くしたい状況を想像してください。それは仕事やプライベートなことなど何でも構いません。
準備が出来たら以下の問いに、

  • 1→全く当てはまらない
  • 2→当てはまらない
  • 3→やや当てはまらない
  • 4→どちらとも言えない
  • 5→やや当てはまる
  • 6→当てはまる
  • 7→超当てはまる

の7段階で答えていき、数字を足していってください。

  1. 上手くいきそうな感じだとしても、最初は最悪の事態を想定して始めることがよくある。
  2. 物事がどうなるか心配だ。
  3. 私は考えられる全ての結果を慎重に検討する。
  4. 私は自分が思った通りの結果にならないのではないかとよく心配する。
  5. 私は何がうまくいかないかを想像するのに多くの時間を使う。
  6. 物事がうまくいかなかったらどう感じるかを想像する。
  7. 何か問題が起こった場合に、どうすれば問題を解決できるかを想像する。
  8. 私はこのような状況で自信過剰にならないように注意している。
  9. 私はこのような状況が起きたとき、計画作成に多くの時間を使う。
  10. 物事がうまくいった場合、自分がどう感じるかを想像する。
  11. このような状況では、うまくやることよりも、バカに見られることのほうが心配だ。
  12. 何がうまくいかないかを考えると、準備が捗る。

以上です。
最低が12、最高が84ですね。皆さんはいくつだったでしょうか…?

それでは自分に合っている戦略を見てみましょう…!
全12問の合計数が、

  • 12~29:戦略的楽観主義の戦略をとるべし…!
  • 30~50:防衛的悲観主義・戦略的楽観主義の両方の戦略を使っても片方の戦略のみ使ってもOK…!
  • 51~84:防御的悲観主義の戦略をとるべし…!

となります。
皆さん、自分に合った戦略を使って、自分のパフォーマンスを最大限発揮してみてください…!

因みに私はバリバリの防御的悲観主義でした(笑)
私のような人は楽観主義の人に憧れず、自分の戦略を淡々と使っていきましょう。



個人的考察

防衛的悲観主義(DP)と戦略的楽観主義(SO)という2つの戦略を知り、自分に合った戦略を使うことで、ポジティブな人もネガティブな人もその能力を最大限発揮できるかと思います。その条件を今回ご紹介しました。
因みに今回の内容はゲームに例えると非常にわかりやすいような気がしました。

  • ポジティブな人は一回の攻撃力が低くて、連続攻撃が得意なキャラクター(モンハンなら双剣タイプ)
  • ネガティブな人は一回の攻撃力が高くて、大技攻撃が得意なキャラクター(モンハンなら大剣タイプ)

って感じです。どちらも長所短所はありますが、それらを活かした方が得なのは言うまでもありませんね。活かし方についてはリフレーミングが参考になるかと思います。