【まとめ】歩く・ウォーキングは健康に良い!では歩くスピードは関係あるのか?
そのメリットについては、
をご覧いただきたいのですが、兎に角、良い事尽くしなんですよね。そのため私も日々歩数計でチェックしていたりします。
- 歩く・ウォーキングは体に良いは常識。ではどれぐらい歩けばどのような効果があるのか?効果を高める歩き方はあるのか?
- 歩きながら作業をすると良い効果がある!
- 勉強するならアレをしながら行うと良いらしい!
- 座りがちな人は要注意!様々なデメリットがあるよ!
をご覧いただきたいのですが、兎に角、良い事尽くしなんですよね。そのため私も日々歩数計でチェックしていたりします。
んで今回はもう一歩踏み込んだ話でもしてみようかと。何かと言いますと、歩くスピードは関係あるのか…?ってことです。例えば人によって歩くスピードって違いますよね…?じゃあ、早く歩く人、ゆっくり歩く人それぞれに共通した特徴やメリット・デメリットはあるのかって話です。
それらを今回見ていきます。
歩き方をみるとその人のメンタルの状態が分かる…!
2019年のトリニティ・カレッジ (ダブリン大学)の研究によると歩幅が広く、歩くスピードが速い人はメンタルが安定していたそうです。逆に、歩幅が狭く、歩くスピードが遅い人はメンタルが不安定だったそう。
因みにこれをみて歩幅を広く、早く歩けばメンタルが安定するぞ…!と考えるのは早計で、それは意味がないみたいです。あくまで普段の歩く様子から判断できるメンタルの指標みたい。
ゆっくり歩く人は外向的・信頼感あり・優しい・神経症的傾向が低いように見られた…!
2012年のダラム大学の研究によると実験の参加者は若者26人で、まず初めに8メートル離れた2つの場所の間を自然に歩くよう指示し、この時、関節に反射マーカーを取り付け、歩行の動きを分かりやすくしたんだとか。歩いた様子は全てビデオで録画され、関節の動き以外の情報をカット、それを24人の参加者に見てもらい、歩行者の性格を評価してもらったらしい。
但し、これらの結果は、見ている人が感じたもので、実際の歩行者の性格とは一致していなかったとのこと。う~ん、バイアスを感じますな~。
とりあえず、ゆっくり歩く方が相手方に良い印象をもたれるみたいなんで、交渉時や就活の面接時などは意識してもいいのかもしれませんね。
歩くスピードが早い人ほど認知機能低下・認知症リスクが低い…!時速0.36km遅くなるごとに認知症リスクが13%もアップする…!
2017年の上海体育学院などの研究によると、歩くスピードと認知機能低下・認知症リスクの関係について調べてみたそうです。そもそも歩行スピードと認知機能低下・認知症リスクの関係を調べた研究ってのはいくつもございまして、系統的レビューなんかも行われておりました。
例えば、
なんかを見てみると、歩行スピードと認知機能障害の間には逆相関の関係があったんですよね。しかし、どれぐらいのスピードで歩くとどれぐらいの効果があるのかなどは分かっていなかったんですよ。そこで研究者たちは、前向きコホート研究のメタ分析を行うことにしたんだとか。
まず研究者たちは、2016年4月22日までに発表された歩くスピードと認知機能低下・認知症リスクの関係を調べた先行研究をPubMedやEmbaseを用いて検索してみたそうな。また、Google Scholarや検索された研究の参考文献も手作業でチェックしていったらしい。
結果、PubMedとEmbaseで403件の研究がヒットしたそうでその後、該当しない研究を除外していった結果、12件の研究がピックアップできたそうな。更にGoogle Scholarや検索された研究の参考文献から5つの研究がピックアップされたそうで、最終的には17件の研究が要件を満たしていたらしい。
結果、PubMedとEmbaseで403件の研究がヒットしたそうでその後、該当しない研究を除外していった結果、12件の研究がピックアップできたそうな。更にGoogle Scholarや検索された研究の参考文献から5つの研究がピックアップされたそうで、最終的には17件の研究が要件を満たしていたらしい。
因みに17件の研究の内訳は、アメリカ12件、イタリア1件、スウェーデン1件、中国1件、日本1件、イスラエル1件って感じでした。
アメリカメインなものの、割といろんな国や地域から選ばれておりますな。また1件のみですが、日本の研究も含まれているのが嬉しいですね(因みに日本の研究は2012年の地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの研究でした)
続いてサンプルや期間などの情報についてですが、
続いてサンプルや期間などの情報についてですが、
- 全体のサンプル数は108人~2,776人の範囲だった
- 全体の追跡期間は2~11年の範囲だった
- 7件の研究が認知機能低下に関する結果報告をしていた
- 7件の研究が認知症リスクに関する結果報告をしていた
- 3件の研究は認知機能低下・認知症リスクの両方に関する結果報告をしていた
- 認知機能低下のリスク比を報告する10件の研究のサンプル数は9,949人、実際に認知機能低下が起きたケースは2,547件だった
- 認知症のリスク比を報告する10件の研究のサンプル数は14,140人、実際に認知症が起きたケースは1,903件だった
となっておりました。
これらをメタ分析にかけてみたそうです。
気になる結果は、
- 歩くスピードと認知機能低下には逆相関関係があった(=歩くスピードが早い人ほど認知機能が衰えていない)
- 歩くスピードが最も速い人たちと最も遅い人たちを比較してみると、認知機能低下が89%(1.89)も違った…!
- 歩くスピードと認知症リスクにも逆相関関係があった(=歩くスピードが早い人ほど認知症になっていない)
- 歩くスピードが比較的速い人たちと歩くスピードが遅い人たちを比較してみると、認知症リスクが66%(1.66)も違った…!
- 歩くスピードが時速0.36km(360m/h)遅くなるごとに認知症リスクが13%もアップしていた…!
とのこと。
先行の系統的レビューと同じ結果だったし、そのリスク比も割と高い感じだったみたいですね。特に時速0.36km遅くなるごとに認知症リスクが13%もアップってのはインパクトのある数字ですな。
この研究結果の注意点としては、
- 参加者が高齢者なので若い人だとどうなのかは不明
- 歩くスピードが遅くなると認知機能低下・認知症リスクがアップするのか、認知機能が低下、認知症になったから歩くスピードが遅くなったのかが不明(因果関係が不明)
- 歩くスピードを上げたら認知機能低下・認知症リスクの予防になるのかは不明
ってところですね。
まぁ、個人的には他の研究結果と照らし合わせて考えてみると、
- 歩行スピードと認知機能低下・認知症リスクの因果関係は双方向じゃないかな~
- 歩行スピードを上げれば認知機能低下・認知症リスクの予防になるんじゃないかな~
と思っております。
ということで積極的に歩くのはもちろん、その歩行スピードにも注意していきたいですね。
個人的考察
歩くスピードから意外といろんなことが分かったり、推測したりしているんですな。