長期にわたるうつ病でアレが縮むって話
少年院での調査や診療を行っている医学博士の研修のところで書いた通り、脳が飽和状態(マルチタスク状態)になると、余裕がないんで、考え方が偏ったりしてしまいます。そして、精神障がい、特にうつ病の方なんかで鈍感力が高まってしまうのもそのためです。
海馬が縮む…!
2001年のスタンフォード大学の研究によると、うつ病で海馬(学習と記憶を司る部分)が縮むということです。
色々書いているんですが、ポイントをまとめていくと、- 長期にわたる大うつ病が中枢神経系内の萎縮に関連している可能性が高い
- 特に海馬が集中的に萎縮している。つまり、学習能力の低下や記憶力の低下が起こる
- 抗うつ薬の使用歴や、電気けいれん療法、アルコール使用などの変数を調整してもこの結果は変わらない
- 長期のうつ病は、更に大きく萎縮していた
- 海馬の萎縮はずっと続くのか…?うつ病の改善とともに回復するのか…?だが、これはなかなか辛い結果がある。というのもうつ病が寛解した後も萎縮が最大数十年続いた。更に萎縮の度合いは寛解期間が長くなっても減少しなかった
- うつ病の発症→海馬の萎縮→萎縮により更にうつ病が悪化するのか…?については、根拠がほとんどない
と言うことです。
つまり、うつ病が長引いてしまうと海馬が萎縮、その後うつ症状が良くなっても、それはなかなか元に戻らないってことで、なかなか辛い結果となりました。
個人的考察
萎縮とうつ病悪化の因果関係はないような感じではありますが、冒頭で挙げた部分やうつ病の再発率、反芻思考などの起きやすさなどを考えると、直接的でなくても、間接的な可能性はありそうなのかな~と個人的に思ったりもしております。
それと、この研究をみて、もう自分は縮んだからおしまいだ…。って考えるのは早計で、逆に脳が大きくなった…!って話もあるんですよね。
代表的な方法が瞑想でして、詳しくは、下記をご覧いただき、メリットを踏まえていただいた上で実践してみるとよろしいかと思います。